大野川水系子熊の沢川
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函館方面から江差方面を通る国道227号線沿いの大野川の支流である。川幅が2m程の小さな川だ。その川で大規模な工事が行われている。
この川の最上流部に昭和58年(1983年)に建設された砂防ダムがあり、その下流には2基の大きな砂防ダムがある。平成23年(2011年)には4基目の砂防ダムが新設された。その下流は階段状のコンクリート三面張りの流路工に造り変えられた。
川を流れる砂利は、ダムで止められるので、下流の河床は下がり川岸が崩れる。そして山の斜面もずり落ちる。まるで自作自演の公共工事の現場だ。事業評価委員会はこうしたダム事業を精査するべきだ。
上流域にあるダムが流下する砂利を止めてしまうため、その下流では川底が下がり、巨石が滑り出し、流れ出す。そして増水時には土石流となって下流へ流れ下る。写真のように川の巨石を取り除いて川を固めても、上流にダムがある限り、川底は下がり続け、護岸は再被災することになる。
この巨石がどこから何故、この場所まで流れてきたのか?
河川管理者は、巨石の動向を知っていながら、なぜそうなるのかの原因に触れず、住民を欺いた見せかけの「川づくり」を繰り返している。そこには流域住民の生命・財産を護るというのは名ばかりで、事業を興すことだけが見え隠れしている。
山を削ってまで川幅を拡げて、巨大化にした堤体の中央にスリットを入れている。コンクリートで肉厚にする補強工事も行われている。
河川災害の真実は現場が教えてくれる。力尽くで押さえ込むダム事業が、川が持つ仕組みを破壊し、川を不安定にさせて、災害が起きやすくしているのが現実なのだ。
河川災害を近年の異常気象による大雨だと決めつけたすり替えや策略は、後世に手痛い「しっぺ返し」を贈ることになるだろう。
河川管理者も行政に寄生する科学者も目を覚まし、直ちに我に返り、川を分断するダムづくり事業や既設のダムを見直し、改善し、川の仕組みを回復させ、多くの命を育む川の再生産の仕組みを蘇生させるべきだ。