野田追川水系中二股川
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野田追川の支流にある。取材中、中二股橋の上流側で河岸が崩壊していることが分かった。この川には中二股川砂防ダムがあり、更に上流の国有林内に7基の治山ダムがある。
この崩壊は、河床低下に原因があると思われる。橋の下流側でも河床が下がっており、左岸は垂直の崖状になり、草木は根が剥き出しになって倒れ込み、川岸を包み込むように覆い被さっている。その左岸に当てられた布団カゴ(金網に砂利を詰めた護岸工)が、壊れているのが見える。川岸や川底に砂が目立ち、砂利の大きさも小さいことから、上流にあるダムが砂利を選り分けていることが覗える。
ダム上流では、砂利が貯まると、川底は上昇し、川幅が広がる。その上を水が蛇行して流れると、山の斜面を浸食し始める。そして、山が崩れて土砂が流れ出し、流木が発生する。災害が起きるのは、当然の帰結。
中二股川砂防ダムが貯め続けているこの砂利は、一体どこからどのような仕組みで流れ出してきたのだろうか…?ダムの下流では砂利が流されていく。ということは、上流の7基の治山ダムがこの砂利を生み出していると読むことが出来る。
各地で次々に建設されてきた治山ダム・砂防ダムが、砂利を止め、川底を押し上げ、川幅を広げる。川が暴れるようにしてきたのは河川行政である。近年の土砂災害は、ダムによって引き起こされているものが多い。自作自演の災害は、失われなかったはずの人の命が、人によって奪われている。これからも続くのかと思うと、この国の河川事業に大いに疑問を持つ。行政と科学者たちは、人の命を奪っている原因の真実を認め真摯に向き合うべきだ。私たち国民も、行政任せにせず、これからは自己防衛の為に現場をよく見て知る必要がある。そして災害の原因を知ることで河川事業に改善を求めていくことが出来るだろう。