自然の川
少なくなってしまった自然の川。
今では自然の川を知る人は少なくなりました。
自然の川とはいったい、どんな川なのでしょうか…?
苔蒸した石が多い自然の川
谷川には巨石がごろごろと転がっています。巨石は転がっているように見えても、互いに挟まり合い、噛み合って動かないようになっているのです。
そして、どれもこれも、緑色の苔蒸した石になっています。
苔が付いているのは、石が動いていないということです。
その苔が、緑色であれば泥水を被っていないということです。つまり、泥が出ない安定した川であることを示しています。
巨石が噛み合うことで、川は安定しています。
自然の川は川岸が傾らかである
川底は浅く、川岸は傾らかな水辺となっています。
川が増水したら、水は岸に溢れ出しますが、樹林が茂っているので、流速は小さくなり、水の破壊力は低減されます。遊水池効果や保水能力もあり、水は広がり、増水量(水位)は低く抑えられます。
川岸と川底の落差がないので、人も車も渡ることが出来ます。
泥が流れて来ないので、川岸の砂は粗い礫です。
増水で川岸が崩壊しても、崩れ続けて拡大するようなことはなく、安定した川岸が蘇ります。
石を積んだだけの護岸は何十年も壊されず、そのままの姿で残っています。安定した川である証拠です。
自然の川には多くの生きものが棲む
苔むした石が残る川は、水質良好な清流で、多くの生きものたちが棲んでいます。
川遊びや魚釣りには絶好の川です。
自然の川の水は透き通っています。何よりも水が活きているのです。
自然の川は、川が荒れることも無い安全、安心な川です。そして、そこには谷川の暮らしや文化が、今なお息づいています。
自然の川は、暮らしと共にあるのです。この自然の川が失われているのです。