群別川
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上流に、巨大なスリット式ダム(堤高7.0m、堤長246m)がある。更に、その上流には取水堰と3基の砂防ダムが連続している。そして、その上流域には、未だ取材中のダムがある。急流河川であるが、川底の石の大きさは小さい。砂礫が非常に目立つ。増水時には、川岸が崩れ続けている。大量の根付きの流木が転がり、微細な砂やシルト(泥)が多い。
僅か数年の間に、群別川は激変した。川の荒廃は凄まじさを増している。巨大なスリット式ダムを目の前にして、河川管理の在り方は正しいのかと疑問ばかりが浮かぶ。
国道231号線から川を2kmほど上流に、1997年10月に完成した「群別川1号砂防ダム」がある。堤高7.0m、堤長246mの大規模なスリット式ダムである。
最近は、流行りのようにスリットダムが建設されているが、どれもこれもスリットは塞がって、効果は発揮されていない。ご覧のように、スリットの間口が狭いからである。自然の川は、実験室の川とは異なり、様々なものが流れてくる。机上の設計は、現場では役に立たない。管理者が、川を知り、川から学び、向き合わなければ、血税をドブに捨てるような無駄遣いの現場はいつまで経っても無くならない。
2014年09月08日に、同じ場所を撮影した。流木を片付けた痕跡があるが、何度、除去しても増水の度に、ご覧通り新たな流木がスリットを塞ぐことになる。常にメンテナンスが必要なのだが、このような設計をした河川管理担当者が、責任を感じ自腹でメンテナンス費を支払っているとでも?
スリット化は、逆台形の大きな間口でない限り効果は無い。例えスリットであっても効果が無ければ、その下流で砂利不足になり、河床が下がり河岸が崩壊し、荒廃が起きる。群別川は、まさに凄まじい荒廃が進行する真っ只中にある。皆さんにも、国道231号線を通過される際には是非、橋の上から荒廃しつつ川の姿を見ていただきたい。
スリットダムの更に上流に取水堰がある。