オンラインシンポジウム:未来の交通インフラが環境破壊!? ~リニア・北海道新幹線・北陸新幹線の現場から~

カテゴリー:

気候危機、生物多様性の喪失、頻発する自然災害等に直面する今日、持続可能な社会を実現させるための抜本的な社会経済システムの転換が急がれます。交通体系もまた、都市計画や地域づくりと密接に関係しており、環境社会への配慮や誰もが安心・安全に移動できることが求められます。しかしながら、現在、政府が進める「未来の交通」とは、数十年も前に経済成長のみを優先して計画された環境破壊や地域社会の分断を招くような大型開発事業ばかりです。

今回のオンラインシンポジウムでは、リニア中央新幹線、北海道新幹線、北陸新幹線の開発影響の事例から、政府や地方行政が進める未来の交通インフラの問題を明らかにしていくことで、私たちが未来に求める移動のあり方について考えます。

【日時】 2022年6月27日(月)19:00~21:30
【開催方法】 オンライン会議システム zoomを利用
【参加費】 無料

【申込み】 登録は以下のフォームから(自動的に参加可能なリンクが送られます)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_BH-s2OTaSOawT513pGNfGw

<プログラム>
1.「リニア中央新幹線計画」は「未来の交通インフラ」と成りえるのか?  建部 由美子 氏(リニア新幹線を考える相模原連絡会)
2.北海道新幹線延伸の問題(仮)  稗田 一俊 氏 (フリーカメラマン/流域の自然を考えるネットワーク)
3.恐ろしく杜撰な北陸新幹線延伸計画   長野 宇規 氏(田歌区北陸新幹線問題対策委員長、神戸大学農学研究科准教授)
4.問題整理   樫田 秀樹 氏(ジャーナリスト)
5.パネルディスカッション(コーディネーター:樫田 秀樹 氏)
6.質疑応答
※当日のプログラム内容は一部変更になる場合もございます。

【主催・問合せ】 国際環境NGO FoE Japan( https://foejapan.org/contact/

ヒグマ対策について北海道知事に質問書を提出

カテゴリー:

「北海道の羆問題を考える会」(共同代表:門﨑允昭ほか)は、3月24日に、北海道知事・鈴木直道氏宛に、北海道のヒグマ対策(管理計画)についての疑問8項目の質問書を提出した。

ヒグマは学習能力があり、”しつけ”が可能な動物である。ヒグマの出没情報を得た時点で、迅速に出没経路を特定することに専念し、間髪を入れずに出没経路を電気柵で封鎖することを繰り返し行い、ヒグマに「そこから先には立ち入れない」ことを学習させればよいことだ。ところが、このヒグマ管理計画は、研究者が芳香剤でヒグマを誘引してビデオ撮影することや、餌でおびき出しての体毛採取によるDNA分析、また、AI技術最新のICT技術を導入することとなっている。これらのすべては、つまりは、研究者たちのデータ収集であり、調査研究を目的としたもので、出没抑止対策とは全くの無関係な構成なのである。このような管理計画では、今後もヒグマ出没騒ぎは繰り返される。

北海道には、33年間のヒグマ対策の実績がありながら、出没抑止対策がいまだ確立されておらず、ヒグマの出没が繰り返されている。この現状を、ヒグマの生息頭数の増加に原因があると責任を転嫁しており、生息頭数を減らすために、あろうことか捕殺頭数を増大させる計画にしているのだ。

この「捕殺頭数を増大させる計画」とはどういうものか?…生息頭数が減れば出没確率(頻度)は下がる…当然である。出没確率(頻度)が下がれば、莫大な予算のほとんどを研究データの収集用に確保していても、「現に、出没確率(頻度)が下がった」と、批判をかわす「見せかけ」の効果を狙うことができる。それはまた、人目を忍び、人に関わらないように、健気に生きている無実のヒグマたちの大量殺戮劇を示唆する。

堂々とした風格の黒兵衛。私たちに道を譲り、無用なトラブルを避ける賢いヒグマだ。ヒグマ研究者よ、ヒグマは神々しく崇めるに等しい動物だということを忘れるなかれ…!

ヒグマは、知れば知るほどに賢い動物だ。むやみやたらに殺してよい動物ではない。ハイテク機器を駆使することに邁進し、ヒグマの観察を疎かにしている専門家・研究者達にはそうしたヒグマたちの健気に生きる姿が理解できるはずもない。まるでゲーム感覚で、機械的に次から次にヒグマを殺せてしまうのだろう。

2021年6月18日の札幌市東区のヒグマ出没騒ぎは、如何に北海道のヒグマ対策が役に立たないものであるかを如実に表している。無用にヒグマを追い回し「窮鼠猫を噛む」までに追い詰め、その結果、ヒグマをパニックに陥らせ、4人が負傷される事態を招いたのである。驚くことに、この騒ぎの渦中、ヒグマの専門家は現場にも現れず、ヒグマを知らない警察官が対処していたが、いったい誰が陣頭指揮を執っていたのだろうか…?これは調査研究に関わっている専門家・研究者らが、いかにヒグマの習性を知らなさすぎるのかを如実に示す事件と言えよう。このヒグマをマスコミは「凶暴なヒグマ」と表現している。それは「窮鼠猫を噛む」ネズミのことを「凶暴なネズミ」と表現するがごとしである。33年間もの調査研究の実績があるという北海道のヒグマ対策専門家・研究者らの”無知”が招いた、ごく初歩的なミスである。警察による検証が必要な事件でもあった筈だ。マスコミは、こうした真相(深層)にこそ、掘り下げて取材し、二度と繰り返さないためにも検証してほしいものである。

 

 

 

檜山管内でサケ漁獲高が、1958年以来最高を記録

カテゴリー:

2022年2月8日、北海道新聞「渡島檜山版」に、檜山管内のサケ漁獲好調、統計を取り始めた1958年以来「最高を記録」したと報道された。北海道南部・日本海側にある治山ダム・砂防ダムのスリット化が進む中でのニュースである。

出典:北海道新聞:サケの漁獲尾数減少している中で、真逆のことが起きている。

北海道の研究機関が発表している2021年度の全道へのサケの来遊尾数予測と実績値をグラフ化したところ、日本海南部だけが予測に反して、実績値が上回っていた。これが何を意味するのか?

出典:北海道立総合研究機構さけます内水面水産試験場さけます資源部

専門家は、サケの漁獲尾数減少の理由を「地球温暖化で海水温の上昇や海流の変動によってサケが戻って来れない」とか、「北太平洋で何かが起きてサケが生活できなくなっているのではないか」、挙句は「ロシアが日本近海で横取り漁獲している」などと減少の見解を述べている中で、日本海南部だけが、真逆のことが起きているのはどうしたことか?

専門家の説明に反して摩訶不思議なことが起きているが、専門家たちは、サケやサクラマスが河川で再生産するという肝要な事を、忘れたとでも言うのだろうか?私たちは、檜山管内で進むダムのスリット化後のサクラマス稚魚0+の分布調査で、産卵域が拡大していることを確認している。サケの来遊尾数が増加していることは、ダムのスリット化による河川環境の改善で産卵域が拡大し、再生産の仕組みが蘇った効果であると言えるのではないだろうか。

 

 

ヒグマ出没抑止の草刈りに3,500万円…!?

カテゴリー:

2022年1月30日、北海道新聞及びweb版記事。札幌市は新年度、ヒグマ対策の草刈りを行う事業費に3,500万円の見込みだという。

出典:北海道新聞web版

2021年6月18日に札幌市東区で男女4人がヒグマに襲われて負傷されたことが記されている。この出来事については、行政側の初期対応に不手際があった。徘徊を放置したが為に行動範囲を拡大させ、ヒグマを追い回した結果、「窮鼠猫を噛む」状況までにヒグマを追い詰め、ヒグマをパニックに陥らせたために発生したものである。追い回しさえしなければ、住民は襲われることも、負傷されることも無かった。この騒ぎの中、ヒグマの専門家は誰一人として現場にはおらず、ヒグマを追い回せば危険になることすら伝えず、追い回すことを止める指示もしなかった。専門家が唯一したことは、このヒグマを銃殺するように要請したことだ。

記事の草刈りを行う方針について、のような効果は、一時的なもので永続はしない。草刈り中は、騒音と人の出入りでヒグマがそばに寄りつかなくなるが、草刈りが終われば振出しである。ヒグマの出没を抑止するのであれば、に出没と移動経路が示されているように、そこに電気柵を設置し、出没経路を封鎖すれば、市街地への侵入を防ぐことで、の不意に出くわすことも無くなる。酪農地帯のように草刈りした草地にヒグマは出てくるのだから、出てくるものは出てくるのだ。住民の安全・安心な暮らしを本気で護るつもりなら、その場しのぎと気休めでしかない草刈りではなく、ヒグマの出没・移動経路に電気柵を設置して、出て来られなくすれば良いのだ。

これまで「ヒグマ出没騒動」は、なぜ繰り返し、繰り返し起きているのでしょうか?

その経緯を調べればどの場合も「ヒグマの出没を抑止していない」ことがすべてにあります。ヒグマは夜に現れ、昼には姿を消しています。つまり、出没経路があるからヒグマは出て来るのです。野幌地区や真駒内地区、簾舞地区のヒグマ出没騒ぎでも、全く同様に、電気柵で出没経路を封鎖するような対策はしていません。島牧村のヒグマ出没騒ぎは、広く報道されているので、より顕著に分かります。裏山から海岸沿いの住宅地に夜に出てきては昼間に姿をくらましているのが分かっていながら、ヒグマの出没を抑止するために出没経路を封じる電気柵の設置はしなかったのです。これでは繰り返しヒグマが出てくるのは当然です。

では何故、札幌市は「出没抑止に効果のある対策」をしたがらないのでしょうか?

それは、調査研究を優先させ、研究者の為のデータ収集を目的にしているからです。ヒグマ関連費という、まるで、ヒグマ出没抑止対策費であるかのように見せかけた予算の中身は、実はこうした研究者用の事業予算であったわけです。「北海道ヒグマ管理計画」の予算の内訳を見れば一目瞭然です。予算のほとんどが調査研究費となっており、電気柵費や電気柵設置費は計上されていないことからも明白です。

ヒグマ出没情報を知り得たその時、行政に関わる北海道のヒグマの専門家たちは一体何をしていたのでしょうか…?調べてみてください。そう、芳香剤でヒグマを誘引してビデオ撮影したり、DNAを取得するためにヒグマを餌でおびき出して体毛採取することをしていたのです。住民のためではなく、自分たちの研究データを取得するためにヒグマの出没を抑止することをせずに、徘徊を放置していたのです。youtube版の北海道新聞NEWSのビデオを見れば一目瞭然です。

札幌市議会の議員方は、「市民の安全・安心な暮らしをヒグマから護る」ために、「ヒグマに棲み分けの学習のチャンスを与える」ためにも、効果不明の草刈り費(3,500万円)や、抑止効果に無縁なビデオカメラ導入費(1,500万円)を見直しさせ、ムダな対策に歯止めを打ち、計上された総額5,000万円の全額を電気柵購入費と電気柵設置費に宛てるように札幌市に求めていただきたいと願います。

ヒグマは犬猫と同じ学習能力のある動物です。”しつけ”すれば良いのです。即ち、ヒグマの出没経路に電気柵を繰り返し設置して、「この先には行けない」ことをヒグマに教えればよいのです。この「しつける」ことには、草刈りも、ビデオカメラも、DNAデータも、すべて必要無いものです。ひたすら電気柵を設置して、出没抑止の対策を繰り返せば良いのです。

同じ蝦夷の地に棲む人とヒグマの未来のために。

北海道ヒグマ管理計画は、住民の安全よりも研究優先。

秋サケ不漁は、ロシア側の先獲りが原因…?

カテゴリー:

サケの不漁は、ロシア側の「先獲り」が原因とする記事で、道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場の卜部浩一研究主幹が、「海水温が高い状態が続いたため、日本に戻るサケがロシアの海域に停滞し、その間にロシア側に漁獲されてしまった」というのである。

出典:2022年1月14日北海道新聞web版の見だし部。

また、赤潮の影響という声も聞く。動きの緩慢なウニやカジカなど沿岸地つきの魚介類、逃げることが出来ない定置網のサケに被害があったが、定置網以外でサケが赤潮の影響で大量に浮いたり、浜に打ち上げられたという話しは無い。太平洋側の漁獲低迷は著しいが、日本海南部は2019年、2020年、2021年と3年連続で漁獲が右肩上がりに伸びている。この違いにこそ着目し、卜部浩一研究主幹に説明していただきたいものだ。

北海道水産林務部の秋サケ漁獲尾数旬報に2021年12月20日までのデータを入れ、グラフ化した。

日本海側せたな町、島牧村、乙部町では2010年から治山ダム・砂防ダムのスリット化を手がけ、広めている。

2010年から日本海南部のダムのスリット化をした河川。出典:北海道水産林務部。地図はGoogle mapを加工。

八雲町水産課は、「日本海南部のせたな町の漁獲向上は、サケ稚魚を海中飼育して放流しているので、その効果ではないか」と言う。しかし、サケ稚魚の放流前の海中飼育は、10年も20年も前から取り組まれている。(成長が早まるために、4年で帰るところ3年で帰るので小ぶりになったという事が話題になったことがあった)サケ稚魚の海中飼育が漁獲向上の効果と言うのであるなら、八雲町をはじめ、全道及び全国に広まっている事だろう。

噴火湾に注ぐ川では、サケの自然産卵が見られていた現場のすべてが、河床に砂の堆積が目立つようになってから、産卵に来るサケがいなくなってしまった。つまり、河床に堆積した砂の影響で、産み落とされたサケの卵が育たなくなり、そこで産卵するサケの子孫が絶えたという事だ。産卵場としての機能が萎え、失われてしまった事が原因だ。サケが産卵していた場所が、どのように変わったのか写真を添える。

かつてはたくさんのサケが産卵していた。
同じ場所の今の状況だ。(撮影:2021年12月10日)。川底の石は泥を被り、石は砂に埋もれ、膨大な量の砂が堆積している。産卵場として機能しないから、ここで産卵するサケはほぼいなくなった。

かつては、上流から下流まで支流を含む川の至る所でサケが産卵していた。サケの遡上に合わせて、北方圏からオオワシ・オジロワシが冬を乗り切るために自然産卵後のサケ(ホッチャレ)を食べに飛来する。ワシたちも川の上流から下流まで、支流を含む至る所で見られた。即ち、ワシが見られるポイントは、サケの産卵場と言う事である。しかし、砂が目立つようになってから、サケもワシもすっかり姿を消してしまった。つまり、産卵場が消滅し、サケの資源が消えたという訳だ。川を上ってくる筈もないサケを、ワシたちは待ち続けている。空腹に耐え、じっと川面を見続ける姿は傷ましいものだ。

オジロワシの成鳥。食べるサケの姿もないのに、ただひたすらサケが来るのをまっている。

川で自然産卵するサケが激減、消滅していると言うのに、サケの漁獲低迷の原因を、川に目を向けずに海に求めていることが実に不可解である。サケは、再生産を「川」で行っているのにだ。

サケの卵が育つ「川の仕組み」が壊れてしまった原因が、河川事業にあり、ダムの影響であることは明白だ。しかし、そこを追求すれば、同じ行政機関の利権構造に亀裂が入りかねない。「他国のせい」「赤潮のせい」「温暖化のせい」…と言って目を背けておけば丸く収まる。昨今は実におかしな科学がまかり通っている。専門家・科学者と自負する人たちは、正しい科学を駆使して、川の持つ再生産の力を蘇らせることに智恵を使い、力を注いでいただきたいものだ。自然の再生産の力を蘇らせ、活性化させることが、今、世界が求めるSDG’sではないのか。

餓死したオジロワシ幼鳥の胃袋からはサケの骨ではなく、カラスの羽が出てきた。ワシたちは餓死寸前だ。自然のサケ資源は、決して人間だけのものでは無い。