羽幌川水系二股沢川

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羽幌川の支流である二股沢川は、比較的小さな川だが、勾配が緩い、源流奥深い川である。
この川には「るもい漁業協同組合」のサケの養魚池があり、ここからサケが放流されているので、毎年、サケが遡上している。
養魚池の上流にある治山ダムと、下流にある古い取水堰で、流下する砂利が止められている。
取水堰の下流から羽幌川の合流点までの間は、砂利を失った川底は岩盤が広がっている。産卵する場所を失ったサケは、止む無く産卵できる場所を探し求めて、上流へと上って行く。
しかし、その行く手を取水堰が阻み、そこから上流へ上ることが出来ないサケたちは、産卵を果たせずに一生を終えている。

古い取水堰。落差が小さい堰だが、遡上するために必要な深さがないので、サケはそれ以上、上流へ上ることはできない。
古い取水堰。落差が小さい堰だが、遡上するために必要な水深がないので、サケはそれ以上、上流へ上ることはできない。
下流では産卵することができず、産卵場を求めて上流へと上ってきたサケたちだが、古い取水堰を上ることができないでいる。
取水堰の下流は、川底の砂利が失われて岩盤が露出し、産卵場を求めて上流へと上ろうとするが、この取水堰を越えることが出来ず、ここで産卵を果たせないまま、一生を終わる。
砂利が流されてしまい、サケが産卵することができないこうした岩盤が広がっている。ここまでたどり着いたが古い取水堰を越えることができずに、あえなく一生を終えたサケが身を横たえていた。
砂利が流されてしまい、岩盤が広がっている。サケはこんなところでは産卵はできない。ここまではたどり着いたものの古い取水堰を越えることが出来ずに、あえなく卵を抱えたまま、一生を終えたサケが身を横たえている。
岩盤が広く露出しており、これではサケは産卵することができない。
露出した岩盤。これではサケは産卵することは出来ない。

古い取水堰を上ることが出来ないサケたちは、とうとう力尽き、取水堰の前で身を横たえている。この様子の動画を、長谷部真さんから提供いただきました。

URL:https://www.youtube.com/watch?v=YnUXoT4Ko5k (2011年)

サケたちが上れない姿を見るに見かねて、るもい漁業協同組合や羽幌町役場は、翌2012年に、古い取水堰の周りに土嚢を積み上げ、サケが遡上し易いように水深を上げる工夫をしたが、うまくいかなかった。その様子も動画で見ていただきたい。

URL:https://www.youtube.com/watch?v=9scWgBsPz3U (2012年)

そこで、翌2013年になり、古い取水堰のスリット化に着手。このスリット化によってサケたちは、ようやく上流へと上ることが出来るようになった。その様子も動画で見ていただきたい。

URL:https://www.youtube.com/watch?v=buxnvndK2vY (2013年)

ところが…、この取水堰を越えられても、すぐ上流には大きな治山ダムが立ちはだかっている。サケたちはこれを越えて上流へ上ることは出来ない。魚道建設の声もあるようだが、魚道では決して解決出来ない。なぜなら治山ダムは砂利の流下を止め、下流の河床低下を引き起こすので川岸が崩れる。そこから泥を流出させ、サケやサクラマスの卵を窒息させる。更には岩盤化が広がり、産卵場所そのものが失われるからだ。魚道はダム建設の免罪符のようなものであり、ここで発生している問題の解決にはならない。治山ダムから砂利を流すスリット化が、何よりも必要である。

落差の大きな治山ダムが、サケやサクラマスの遡上を妨げている。そして、治山ダムから下流では砂利が流されるために、川底が下がり、各所で川岸が崩れているのが見られる。
落差の大きな治山ダムが、サケやサクラマスの遡上を妨げている。ここから下流では砂利が失われるために、河床低下を起こし、岩盤まで露出している。

治山ダムの上流は、緩やかな流れで、源流奥深く続く。サクラマスの産卵に適した環境となっている。

治山ダムの上流はなだらかな川が続いている。砂利の状況も良いので、サケやサクラマスの産卵に適した川と思われた。治山ダムをスリット化して、サケやサクラマスを上らせるなら、広い範囲で産卵することだろう。
治山ダムの上流は緩やかな川が続いている。川底の砂利はサケやサクラマスの産卵に適している。治山ダムをスリット化すれば、産卵域が広がり、水産資源の増大が期待出来る。

治山ダムが無い時代には、サケやサクラマスがたくさん遡上し、産卵していたことが分かる。
ダムさえスリット化すれば広域で産卵出来るので、漁業資源の回復は大きい。

治山ダムの下流では、川底の砂利が流され、上流から砂利が補給されないために、川底が下がり、農地の縁が崩れている。
治山ダムの下流では、川底の砂利を失う。砂利を止めるダムで下流に補給されずに、川底が下がる。農地の縁も崩れていく。
さらに下流では、農道の橋が川底が下がったために、橋脚の基礎が露出している。このままでは橋が崩壊するかも知れないから、危険な状況だ。
農道の橋が、川底が下がったた為に、橋脚の基礎が露出した。砂利供給が解消されないままでは、崩壊する恐れのある危険な状況は続く。
さらに下流でも、川底が下がっているために農地の縁が崩壊し、補修されていた。
更に下流でも、川底は下がっている。農地の縁が崩壊し、補修されているが、再被災は免れないだろう。

砂利が流れて来なければ、川底は下がり続ける。こうした崩壊の多発は免れないだろう。

羽幌川との合流点だが、羽幌川へ注ぐ二股沢川は川底の砂利が失われて岩盤が露出している。
羽幌川との合流点。羽幌川へ注ぐ二股沢川は、川底の砂利が失われて岩盤が露出している。
二股沢川が注ぐ羽幌川。羽幌川にも上流にダムがある。ために、二股沢川同様に川底が下がり、川岸の崩れが目立つ。その結果、泥水が発生するので、川底には微細砂やシルト(泥)が目立つ。サケやサクラマス、ウグイやウキゴリなど、多くの魚たちの繁殖は難しくなっていると思われる。
二股沢川が注ぐ羽幌川。羽幌川には上流に大規模なダムがある。そのため、二股沢川同様に川底が下がり、川岸の崩壊が目立つ。その結果、泥水が発生するので、川底には微細な砂やシルト(泥)が堆積している。サケやサクラマス、ウグイやウキゴリなど、魚たちの繁殖は難しくなっている。
川底の砂利。微細砂やシルト(泥)がかなり沈殿している。これでは川底に産み落とされた魚の卵は育たない。
羽幌川の砂利。微細砂やシルト(泥)がかなり沈殿している。これでは川底に産み落とされた魚の卵は育たない。
サケの♂の亡骸。♀のサケに巡り会えたのだろうか。
羽幌川の岸に横たえたサケの♂の亡骸。♀のサケに巡り会え営みを全う出来たのだろうか?この微細な砂や泥ばかりの川底では、このサケの世代は無いのだ。