羽幌川水系二股沢川
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羽幌川の支流である二股沢川は、比較的小さな川だが、勾配が緩い、源流奥深い川である。
この川には「るもい漁業協同組合」のサケの養魚池があり、ここからサケが放流されているので、毎年、サケが遡上している。
養魚池の上流にある治山ダムと、下流にある古い取水堰で、流下する砂利が止められている。
取水堰の下流から羽幌川の合流点までの間は、砂利を失った川底は岩盤が広がっている。産卵する場所を失ったサケは、止む無く産卵できる場所を探し求めて、上流へと上って行く。
しかし、その行く手を取水堰が阻み、そこから上流へ上ることが出来ないサケたちは、産卵を果たせずに一生を終えている。
古い取水堰を上ることが出来ないサケたちは、とうとう力尽き、取水堰の前で身を横たえている。この様子の動画を、長谷部真さんから提供いただきました。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=YnUXoT4Ko5k (2011年)
サケたちが上れない姿を見るに見かねて、るもい漁業協同組合や羽幌町役場は、翌2012年に、古い取水堰の周りに土嚢を積み上げ、サケが遡上し易いように水深を上げる工夫をしたが、うまくいかなかった。その様子も動画で見ていただきたい。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=9scWgBsPz3U (2012年)
そこで、翌2013年になり、古い取水堰のスリット化に着手。このスリット化によってサケたちは、ようやく上流へと上ることが出来るようになった。その様子も動画で見ていただきたい。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=buxnvndK2vY (2013年)
ところが…、この取水堰を越えられても、すぐ上流には大きな治山ダムが立ちはだかっている。サケたちはこれを越えて上流へ上ることは出来ない。魚道建設の声もあるようだが、魚道では決して解決出来ない。なぜなら治山ダムは砂利の流下を止め、下流の河床低下を引き起こすので川岸が崩れる。そこから泥を流出させ、サケやサクラマスの卵を窒息させる。更には岩盤化が広がり、産卵場所そのものが失われるからだ。魚道はダム建設の免罪符のようなものであり、ここで発生している問題の解決にはならない。治山ダムから砂利を流すスリット化が、何よりも必要である。
治山ダムの上流は、緩やかな流れで、源流奥深く続く。サクラマスの産卵に適した環境となっている。
治山ダムが無い時代には、サケやサクラマスがたくさん遡上し、産卵していたことが分かる。
ダムさえスリット化すれば広域で産卵出来るので、漁業資源の回復は大きい。
砂利が流れて来なければ、川底は下がり続ける。こうした崩壊の多発は免れないだろう。