川のしくみ
川の水は高い方から低い方へと流れています。
毎日、毎日、こんこんと流れています。
何日も雨が降らなくても、川の水は涸れることはありません。
膨大な量の水がいつも流れてくるのですから、不思議なことです。
川の水はどこからやってくるのか
川の水は、地上に降り注いだ雨や、雪融けなどの水が、地表を流れたり、地表から地中に浸透したりして、高い方から低い方へと、あっちからもこっちからも集まって来たものです。
地中に浸透した水は目で見ることができませんが、地下水となって、地中をゆっくりと移動し、所々で染み出したり、湧き出したりして、川に流れ込み、絶えることのない水の流れになります。
地下水は豊富であるほど、地下の水の水位は高くなります。
地下水位が高ければ、地面を掘り下げたら水が浸みだしてきますし、井戸を掘って水を汲み上げることが出来ます。
窪地には地下水が染み出し、水潤んだ湿地が出来ます。
逆に、地下水位が下がると、水は地中に吸い込まれて消えてしまいます。湿地は乾燥化し、井戸は涸れることになるのです。
川には見えている水だけではなく、地面の下にも、川底の下にも、目に見えない水が流れているということを知ってください。
川の水の性質を知る5つのポイント
高い方から低い方へと流れる水には様々な作用があります。
水は流れる時に、何かを”巻き上げて”、水の中に”巻き込んで”流れていく性質があり、これを浸食作用や運搬作用といいます。
ここに流れる水の性質を知る5つのポイントを上げましょう。
1. 水は高い方から低い方へと流れる
2. 川を流れる水の速さ(流速)は川底の傾き(勾配)によって違う
勾配が小さいと流速は小さい(流れは遅い)
勾配が大きいと流速は大きい(流れは速い)
3. 川を流れているのは水だけではない
水だけではない
砂利も流れているのです
4. 砂利を運ぶ力は水量や水の流れる速さ(流速)によって違う
水量が少なかったり、流速が小さい(流れが遅い)と、小さな砂利だけを運び、大きな砂利は運ぶことができません。
水量が多かったり、流速が大きい(流れが速い)と、小さな砂利から大きな砂利まで運びます。また、運ぶ量も多くなります。
5. 水量が多くなったり、運んでいる砂利が足りなかったりすると、流れる水は川底の砂利を巻き上げて運ぶようになる
流れる水は、砂利を運ぶ性質があるので、運べるだけの砂利を運びます。
水だけが流れてくると…
川底の砂利をまきあげて運ぶようになります
流れる水は、水量が多かったり、流速が速かったりすると、より大きな砂利を運ぶようになり、運ぶ砂利の量も多くなります。この砂利を運ぶ性質が流水の運搬作用です。
流れる水は、川底の砂利を持ち去るので、川底を掘ったり、砂利を押し流して岩盤を剥き出しにしたりします。また、岩盤を削る力もあります。これが、流水の浸食作用なのです。
流れる水は流れる途中で、流速が小さくなったり、水量が減ったりすると、運んでいた砂利をもうこれ以上運ぶことができなくなり、川底に落とします。これを流水の堆積作用といいます。
これが小学校5年生の理科の教科書の「川のはたらき」で学ぶ「浸食・運搬・堆積」という流水の3つの性質です。この3つを知っていればあなたも川で起きている現象を読み解くことができるようになります。