朱太川水系黒松内川
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朱太(しゅぶと)川の支流で、複数の砂防ダムがある。
その一つ、スリット型砂防ダムを取材した。
このスリット型の砂防ダムは、切り込みの度合いが、上・中・下の3段階に別れている。 スリットの切り込みの度合いが異なることにどんな意味があるのだろうか?
砂防ダム建設の目的は、土砂災害を防ぎ、流下する砂利を「扞止(かんし)」して、砂利の大きなものを止めたり、砂利の量を減らすことにある。
写真のように砂防ダムにスリットを入れることで、大きな石を止め、砂利の全量が流れ出さないように出口を狭めて、流れ出す砂利の量を減らすように調節しているようだが、本当に機能するのだろうか…?
2006年の現地取材では、狭い間口は流木で塞がり、スリットの切り込みよりも上まで砂利が貯まっていた。川を上っていたサクラマスやアメマスが乗り越えられず、ジャンプを繰り返していた。こうしたスリットは間口よりも大きな石が流れてきても同じように塞がってしまうのだ。
そして、スリットが塞がるたびに、河川管理者は塞がった流木や土砂を取り除くために20万円なにがしかの費用をかけて、スリットを維持しているというのだ。この維持に費やすお金はみなさんから取り立てた税金なのだ。
科学者、専門家、河川管理者らが英知を結集して建設したスリット型ダムなのに、どうしてこのようなことが起きるのだろうか…?
流木災害と土砂災害を防ぐために、流木を止め、巨石を止めることを目的に建設したものだ。河川の橋脚や川の中の杭などには大量の流木が引っかかることは昔から知られていることである。
流木がスリットを塞ぐことくらいは予測、想定できるはずだ。
道南の野田追川には2010年(平成22年3月)にスリット型ダムが建設された。そして、スリットが流木で塞がらないように上流側に鋼鉄製の巨大なアングルダムを併設し、莫大な国税を注ぎ込み、大規模な二ダム方式のダムを建設したのである。
黒松内川のスリット型ダムはスリットを塞いだ流木と土砂を除去することに20余万円の北海道の予算を投じている。勿論、税金。
土砂は上流へ向かってどんどん貯まり続けるということも知ってほしい。