厚沢部川水系鶉川
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上流に石を組み上げた農業用のロックフィルダム「鶉ダム」がある。「鶉ダム」は完成当初、水漏れが止まらず、長く可動出来なかったダムである。
ダムは水を貯める際に、湛水域に面した山の斜面が地滑りを起こすことが知られている。農業用ダムでは非灌漑期には貯めていた水を全て流しきる。そして次の灌漑期にまた水を貯める。貯めたり出したりの水位操作が行われる。この操作が、湛水域に面した山の斜面の地滑りを誘発することが知られている。
ダム沿いには国道227号線がある。気になるのが、路面に亀裂が生じていることだ。
また、ダムの湛水域に面した山腹のトンネルは、トンネルとトンネルの間にダムに流れ込む谷川があり、「旭橋」で繋がれている。この「旭橋」の繋ぎ目がたびたび補修工事されている。ダムの湛水によって、山腹で地すべりのような動きでもあるのだろうか、それによって橋脚が動き、つなぎ目がずれているのではないかと、ここを通過するたびに不安を感じている。
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http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0119
鶉ダムからは砂利は一切流れ出さない。従って、ダムの下流では川底の砂利が流され続けることになる。その為、川底が下がり、川岸との落差が開き、川岸が崩れるようになるので、護岸工事が行われている。
既に、厚沢部川水系河川整備事業は、20年以上続けられ、今も工事が続いている。
洪水時の流量が飲み込めないという理由で、川幅の拡幅工事が厚沢部川の本流、支流の全てで行われているのだ。河川管理者は流量計算を行い、河道拡幅の規模を決定しているが、そもそも、この厚沢部川支流には雨量をはかるアメダス計器はなく、したがって実測値も無いのだ。
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河川工事は水量が少ない冬場に行われることが多い。サケが上り、産卵する時期だけは配慮するが、そのサケたちが産んだ卵へ配慮する意識は全く無い。何故か専門家も黙認している。
北海道渡島総合振興局函館建設管理部は河川事業で泥水を出さないように指導はするが、監督はしない。事業さえ出来れば現場は気にならないらしい。
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この泥の発生源を取材するきっかけは、下流域に住む町民からの連絡だった。「川がすっごい汚いんだけど、何でこんなに泥泥なの?」
当時の函館土木現業所から説明を受けて分かったことは、指導はしても、それが実施されているかどうかの監督を怠っていることだった。こうした現場を指摘されると、業者は入札の制限をうけるらしい。職員が法令を遵守し、現場の監督をすれば、泥水を出さない工事が業者に浸透する筈だ。北海道の公務員として法令遵守が徹底されていないところに問題がある。公務員は国民の税金で事業を行っていること、いつも側にある川を大事に思っている住民がいることを真摯に自覚し、法令を遵守し、川の仕組みを壊さないで欲しい。
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現場の監督と指導が徹底されていないことに、驚くばかりである。自浄作用が無い組織なのだろう。
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支流の川幅を広げれば、流速が速まり、水が集まり易くなる。 ところが、専門家たちは「川幅広げれば流速が小さくなる」と言う。狭い水路を流れる水量を、広い水路に流せば流速は弱まるだろう。しかし、それはあくまで実験室での話である。
自然の川は、川底は軟弱であったり大小の石や岩盤の凹凸もある。流速が均一に流れる実験室のような条件ではない。
※川幅を広げても流速が小さくならない映像が「石狩川水系真駒内川」にあるので、是非、見ていただきたい。
支流で川幅を広げれば、短時間に大量に本流に集まることになる。それは本流の水位が急激に水かさを増すということになる。水が集まれば水の破壊力も大きくなり、災害が発生した時の規模は拡大する。
近年、ニュースで中洲に取り残されたキャンパーがヘリで救助されたり、沢登りで雨が降った直後、溺れるという事故を聞く。被害に遭った人々が一様に言うことは、「一気に水が増えた」と。また、地元の人たちは「昔はジワジワと増えたから逃げる余裕があったが、今は、急に水が増えるようになったから逃げる時間が無くなった」と。
川幅を広げる工事が、むしろ河川の災害を多発させ、災害の規模を大きくし、危険にしているのではないだろうか。
本来の自然河川は、各々の支流ごとに水が流れ出る時間に差がある。従って本流の増水はゆっくりしたものになる。
厚沢部町の主幹産業である農業者の中には、流域の森林を伐採して山が荒れ、保水能力が低下し、更には田畑の開墾で、一層、保水能力を失い、水が出るようになったと言う。
河川管理者や専門家は口を揃えて、地球温暖化で短時間に大量の雨が降るようになったから、川水が予測を超えて増水するようになったと言う。
立場が違えば、見方は様々だが、急激に水かさが増す本当の原因を、皆さんにもよ~く考えていただきたい。