天塩川水系サンル川支流サンル十二線川

天塩川水系サンル川支流サンル十二線川の最新ニュース

ニュースはまだありません。

サンル川沿いの道路を上流へ進んでいくと、支流にかかる三輪橋がある。

橋から上下流を見ると、川岸が崩れ、河畔林が倒れ込んでいた。

この姿は、川底が下がる現象「河床低下」を示す典型的な姿だ。これは、ダムが引き起こすものである。

そこで、この支流の取材を行った。川をたどる途中で、ダムのある川の特徴が至るところで見られた。

三輪橋
三輪橋
三輪橋の上流側。左岸が崩れて、河畔林が倒れ込んでいる。
三輪橋の上流側。左岸が崩れて、河畔林が倒れ込んでいる。
三輪橋の下流側。左岸が崩れて、河畔林の根が露出し、倒れそうになっている。
三輪橋の下流側。左岸が崩れて、河畔林の根が露出し倒れそうになっている。
サンル十二線川沿いにすこし上って行くと、橋があった。この橋の上下流を見ることにした。
サンル十二線川沿いに少し進むと、橋があったので、その上下流を見る。
橋の上流側。左が「サンル12線川」で右は「鉱山沢川」。鉱山沢川側(左岸)の川岸の石は鉄さびのように赤みの色で覆われていた。
橋の上流側。左が「サンル12線川」で、右は「鉱山沢川」。鉱山沢川側(左岸)の川岸の石は鉄さびのように赤く覆われていた。
橋の下流側。河床が下がっているように見える。左岸、右岸共に、川岸が崩れたり、河畔林の砂利が抜かれるように崩れ、根っこがむき出しになっているようだ。
橋の下流側。河床が下がっている。河畔林の砂利が抜かれるように崩れ、根が剥き出しになっている。
河原には泥の堆積が目立ち、石は泥に埋まっている。水の中の石も、泥を薄く被ったように見えるし、石の周りには微細な砂が目立つ。
河原には泥の堆積が目立ち、石は泥に埋まっている。水の中の石も泥を被り、微細な砂が目立つ。
鉱山沢川とサンル12線川の合流点のすぐ上流になるが、サンル12線川の橋の上下流を見る。
鉱山沢川とサンル十二線川の合流点のすぐ上流。サンル十二線川の橋の上下流を見る。
橋の上流側。左右両岸とも土砂が抜かれて段差ができ、河畔林の根っこがむき出しになっている。川底が下がった川の特徴を示している。
橋の上流側。左右両岸とも砂利が抜かれて段差ができ、河畔林の根が剥き出しになっている。川底が下がっている特徴を示している。【写真-⑩】
橋の下流側。川岸の土砂が抜かれるように崩れ、右岸では河畔林が倒れ込んでいる。右岸の崩れた面は垂直で、砂利が崩れるようにずり落ちている。増水毎に崩れ続け、川岸から土砂が流れ出し、泥水の川になっていく。さらに、河畔林は流木となって次々に流れ出すことになる。
橋の下流側。川岸の砂利が抜かれるように崩れ、右岸では河畔林が倒れ込んでいる。垂直に、砂利が崩れ落ちている。増水毎に崩れ続け、川岸から土砂が流れ出し、泥水の要因になっていく。さらに、河畔林は流木となって次々に流れ出すことになる。

ダムのある川の下流では必ず、川岸がこのように崩れて行く。

さらに上流に行くと、サンル12線川を横切る橋があり、その上下流を見る。
さらに上流に行くと、サンル十二線川を横切る橋があり、その上下流を見る。
橋の上流側はカーブになっているので、一見、砂利が溜まっているように見えるが、左岸(写真右手)の傾斜や右岸(写真左手)の垂直な崖化に注目すれば、川底が下がっていることが読み取れる。また、手前のコンクリートブロック護岸が壊れている。川底が下がったために、コンクリートブロックの基礎の砂利が吸い出されて流されたために、壊れているわけだ。
橋の上流側はカーブになっているので、一見、砂利が溜まっているように見えるが、左岸(写真右手)の傾斜や右岸(写真左手)の垂直な崖化に注目すれば、川底が下がっていることが読み取れる。手前のコンクリートブロック護岸は壊れている。川底が下がった為に、ブロックの基礎の砂利が吸い出されて流されるので、壊れるわけだ。
橋の下流側では川底が下がり、左右両岸とも土砂が抜かれて垂直の崖化し、河畔林は根っこがむき出しになり、倒れ込んでいる。更に、進行すれば川幅がどんどん広がって行くことになる。この姿はダム下流の特徴ある姿なので、しっかりと見て欲しい。
橋の下流側では川底が下がり、左右両岸とも土砂が抜かれて垂直の崖化し、河畔林は根が剥き出しになり、倒れ込んでいる。更に、進行すれば川幅はどんどん広がって行くことになる。これがダム下流の特徴ある姿だ。
川向こうに農地があり、そこで続く道が川を横断していた。川底が浅いから車で渡ることができるのだ。
対岸に農地があり、そこへ続く農道が川を横切っている。川底が、まだ浅い現在では、車で渡ることができるが。

同じ場所から上流を見てみた。上流で大崩落した川岸から大量の土砂が流れて河床を押上げ、農地に水が越流したのだろう。そのため、川底の砂利をさらって農地側に盛りつけてある。押し上げる河床の砂利がどこから来たものなのかを見極めなければならない。川底が下がっていることを無視し、安易な処置では川は壊れる一方だ。しっかりと見極めることが必要である。

同じ場所から上流を見た。上流で大崩落した川岸から大量の土砂が流れて河床を押上げ、農地に水が越流したのだろう。そのため、川底の砂利をさらって農地側に盛りつけてある。押し上げる河床の砂利がどこから来たものなのかを見極めなければならない。川底が下がっていることを無視し、安易な処置では川は壊れる一方だ。しっかりと見極めることが必要である。

同じ場所から下流側を見た。川底が下がり、河畔林の根っこがむき出しになって来ている。また、流れてきた流木は根っこ付き流木である。つまり、上流で川岸が崩れ、そこにあった河畔林がここまで流れてきているわけだ。川は壊れてきていることが読み取れる。
同じ場所から下流側を見た。川底が下がり、河畔林の根が剥き出しになっている。また、流れてきた流木は根っこ付き流木である。つまり、上流で川岸が崩れ、そこにあった河畔林がここまで流れて来たわけだ。川の荒廃が始まっていることが読み取れる。
さらに上流へ向かうと、道路の縁が崩れ、補修された護岸が現れた。川底が下がると、道路の基礎が抜かれるようになるため、道路が陥没したり、崩壊する。河川管理者や専門家は、大雨による増水で洗掘され、道路が崩れたと説明する。しかし、これは鵜呑みにはできない。疑問を持つことが必要だ。現場を読み誤ると補修しても補修しても崩れて、泥沼化することになる。必ず、川岸の様子を確認することが必要だ。上流の河畔林は、水際まで生えてはいるが、根はむき出しになっている。川岸が崩れ、川幅が広がってきていると読み取れるからだ。
さらに上流へ向かうと、崩れた道路の縁を補修した護岸が現れた。川底が下がると、道路の基礎が抜かれるため、道路が陥没したり、崩壊する。河川管理者や専門家は、大雨による増水で洗掘され、道路が崩れたと説明するが、鵜呑みにはできない。現場を読み誤ると補修しても補修しても崩れて、泥沼化することになる。必ず、川岸の様子を確認することが必要だ。上流の河畔林は、水際まで生えてはいるが、根が剥き出しになっている。川岸が崩れ、川幅が広がってきていることが読み取れる。
同じ地点の下流側。川岸の河畔林の根がむき出しになっているように見える。手前と、奥の右岸では河畔林が倒れ込んでいるのが分かる。
同じ地点の下流側。川岸の河畔林の根が剥き出しになり、手前と奥の右岸では河畔林が倒れ込んでいる。
】同じ地点の少し上流側。農地の縁が崩れている。川底が下がっていくと、草の生えている河原が樹林化して行き、やがて、河原の縁が崩れて育った樹林は倒れ込み、根っこ付きの流木になっていく。今後も取材を続ける。
同じ地点の少し上流側。農地の縁が崩れている。川底が下がっていくと、草の生えている河原が樹林化してゆく。やがて、河原の縁が崩れて育った樹林は倒れ込み、根っこ付きの流木になっていく。
川の中央へ向かって川岸に傾斜がある。河床が下がっている特徴だ。
川の中央へ向かって川岸に傾斜がある。河床が下がっている特徴だ。
更に行くとまたサンル十二線川をまたぐ橋があった。橋の上下流を見た。
更に進むと、再びサンル十二線川をまたぐ橋があった。橋の上下流を見た。
橋の上流側。この辺りは川幅が広く、蛇行している。右岸(左手側)の段差やさらに上流の右岸が垂直になっていることからも、砂利不足で川底が下がっていることが確認できる。
橋の上流側。この辺りは川幅が広く、蛇行している。右岸(左手側)の段差やさらに上流の右岸が垂直になっていることからも、砂利不足で川底が下がっていることが確認できる。
橋の下流側。川底が下がり、右岸では川岸が崩れ、河畔林の根っこはむき出しになって倒れ込み始めている。こうした兆候を見逃さずに川の推移をしっかりと見続けることが必要だ。
橋の下流側。川底が下がり、右岸では川岸が崩れ、河畔林が倒れ込み始めている。こうした兆候を見逃さずに、川の推移をしっかりと読み取り、大規模に崩壊してから補修するのではなく、未然に防ぐことが必要だ。
川沿いを歩き進めると、国有林ゲートがあった。徒歩でさらに上流へと向かった。
川沿いの道路は途中に、国有林ゲートがあった。ここから先は徒歩で上流へ向かう。
国有林内の最初の橋だ。この橋の前後を見た。
国有林内の最初の橋だ。この橋の上下流を見た。
橋の上流側。川岸は土砂が抜かれて垂直の崖化が見られる。つまり、川底が低下している兆候だ。
橋の上流側。川岸は砂利が抜かれて垂直の崖化が見られる。つまり、川底が低下している兆候である。
橋の下流側。川底が下がり、川岸が崩れ、垂直の崖化が見られた。
橋の下流側。川底が下がり、川岸が崩れ、垂直の崖化が見られる。
橋の下流側。川底が下がり、右岸では川岸の土砂が抜かれて垂直の崖化し、河畔林は根っこがむき出しになり、倒れ込み始めている。左岸も傾斜がついているのが分かる。
橋の下流側。川底が下がり、右岸では川岸の土砂が抜かれて垂直の崖化し、河畔林は根が剥き出しになり、倒れ込み始めている。左岸も傾斜がついているのが分かる。
橋を渡らずに、右岸沿いの作業道らしき道を川沿いに上って行った。先のように砂防ダムが見えてきた。
右岸沿いの作業道跡を川沿いに進む。先に砂防ダムが見えてきた。
やはり、砂防ダムがあった。思いの外、巨大なダムだった。
想像以上の大きな砂防ダムだ。
砂防ダムはまだ満砂にはなっていない。
砂防ダムは、まだ満砂にはなっていない。
砂防ダムには水が溜まり、沼となっていた。
砂防ダムには水が溜まり、沼となっていた。
ここで元来た道を引き返し、橋を渡って、道路を上り、対岸からこの砂防ダムを見た。
元来た道を引き返し、橋を渡り道路を上った対岸から、この砂防ダムを見る。
砂防ダムに書かれた銘板には「サンル十二線川・1号砂防ダム・昭和58年(1983年)11月完成」。ダムの高さは10m。ダムの長さは129m。他の地域同様に1981年8月の台風12号による石狩川洪水がこの砂防ダムの建設動機になったと思われる。30年を経て、砂利で満砂になっていないということは、砂利移動は大きくないことを示している。では何故この砂防ダムは必要だったのだろうか、疑問が湧く。
砂防ダムに書かれた銘板には「サンル十二線川・1号砂防ダム・昭和58年(1983年)11月完成」。ダムの高さは10m。ダムの長さは129m。30年を経て、砂利で満砂になっていないということは、大した砂利移動は無いといえよう。では何故この砂防ダムは必要だったのだろうか?誰も気づかないところで、サクラマス資源に影響を与えてきたことは間違いないだろう。河床に産み落とされたサクラマスの卵は、砂利ごと流されてしまったり、崩れた川岸から流れる微細な砂・シルトを被って、窒息する。
砂防ダム建設地には必ず「砂防指定地」の看板がある。砂防ダムは指定されてから建設される。
砂防ダム建設地には必ず「砂防指定地」の看板がある。ダムは指定されてから建設される。
水が溜まり沼のようになっているが、乾いたところは樹林化している。
水が溜まり沼のようになっているが、乾いたところは樹林化している。
砂防ダムの上流を見ると、かなり樹林化が進んでいる。砂利がいつまでも止められていくことになる。ダムの下流では砂利を持ち去るばかりとなるので、このまま放置していたのでは川底が下がり、川岸が崩れて、大量の土砂や泥が川を流れ下るようになる。サンルダムが建設されたならば、この土砂や泥、また、流木や落ち葉などの有機質がどんどん溜まり続けることになる。そうなれば、清流サンル川の水質が劣化し、ドブ化してしまうだろう。勾配の緩い川なので、微細な砂やシルト、有機質が大量に溜まり、水質の劣化は免れないだろう。
砂防ダムの上流を見ると、かなり樹林化が進んでいる。砂利がいつまでも止められていくことになる。ダムの下流では砂利が持ち去られるばかりなので、このまま放置していると、川底が下がり川岸が崩れて、大量の土砂や泥が川を流れ下るようになる。サンルダムが建設されたならば、この土砂や泥、また、流木や落ち葉などの有機質がどんどん溜まり続けることになる。そうなれば、清流サンル川の水質が劣化し、ドブ化してしまう。勾配の緩い川なので、微細な砂やシルト、有機質が大量に溜まり、水質の劣化は免れないだろう。

サンル川の流域の一部を取材したが、この清流が多くのサクラマスの資源を育んでいると考えれば、サンルダムは建設すべきではない。るもい漁協の漁業資源でもあるサクラマスの水揚げ量は確実に減少するだろう。

また、ダム湖を海に見立てた降湖型のサクラマスが出現すれば、さらにサクラマス資源は減少する。

それに、ダムの下流でも産卵場の消滅が進むことになるから、サクラマス資源が激減することは自明の理だ。

サンル川の支流の「サンル十二線川」ですら、ダムが川を荒廃させることを示しているわけだから、本流にダムを建設する影響は甚大と誰もが解るはずだ。

サンルダムは建設すべきではない。しっかりと将来を見据えていただきたい。