軍川(いくさ)
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北海道南部・大沼に注ぐ急流河川で、扇状地は畑や水田になっている。大雨で、周辺の農地は水浸しになる。いわゆる内水氾濫だ。現在、農地を買い上げて、遊水池の建設が始まっている。
今から5年前、大規模に川幅を広げて長い堤体の砂防ダムを4基建設する計画がされた。河川管理者は、ダムを建設する理由として、農地から出る泥が川底を押し上げて越流するから、川幅を拡げて水位を下げると説明している。しかし、私たちが、冠水の原因は、「内水氾濫」であり、遊水池を設けることで対処出来ることを指摘すると、今度は下流域にある老人ホーム施設を冠水から守るという説明に一変させたのだ。ダム計画の段階では内水氾濫を認めず、ダムが完成してから今になって、遊水池の建設を進めているのだ。全くの理不尽である。
また、上流域にある治山ダムが、砂利を止めているので、その下流では河床低下を起こし、河岸が崩れ始めているのだが、その河床低下を防ぐ対策として出された案は、上流から流れてくる砂利を堰を設けて止めるというものだ。既に複数の堰があるが、それでも足りないと言って次々に堰が建設されて来たのだ。河川管理者は原因を見極めずに、対症療法的な工事を繰り返すばかりである。
左手の川岸(右岸)がコンクリートブロックで補修されている。川岸が崩れたのである。2010年12月13日
微細な砂・シルトの発生源とされる農地を見に行った。確かに畑地を水が流れ、土が流された痕跡はあるが、川に堆積して周りを冠水させる程のものではない。しかも、農地から出るのは微細な砂やシルトであり、川底を押し上げる砂利ではない。更に土の流出は、堰では止めることは出来ないから、発生源で対策を行えば良いことだ。このことは、地元住民からも意見が出ているが、聞き入れられない。河川管理者は、何が何でも原因や対策よりも、ダム建設が絶対なようだ。2010年12月10日
長大な堤体の砂防ダム4基が建設された。
この4基の帯工砂防ダムは、Google Earthで見ることが出来る。
この、軍川の上流域に、林野庁北海道森林管理局渡島森林管理署の治山ダムが3基ある。中下流域で起きている河床低下の根源は、ここにある。
「大沼の水と緑を守る会」会長の、北見康二氏と共に現地を視察した。
川の中央へ向かって傾斜が出来ている。苔むした石が転げ出し始めている。河岸からも石が抜けている。これらは、川底が下がっている特徴である。川を観察する機会があったら、川岸を見ていただきたい。こうした現象を知ることで、川の健康状態が診断出来る。