別寒辺牛川水系トライベツ川
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広大な湿原を、くねくねと蛇行し厚岸湾に注ぐ川である。ここ支流トライベツ川に、高さ7.1m、長さ218mの巨大な砂防ダムが建設された。川幅は僅か2、3m。
支流は自衛隊矢臼別(やうすべつ)演習場になっている。実弾射撃の演習、走行する戦車、砲弾が撃ち込まれる。荒廃する土地から土砂の流出を抑止するというのが建設の根拠だ。しかし、荒廃した痕跡はない安定した川である。防衛予算は莫大だ。人の目に触れることの無い場所で、どのような必要性で予算を消化しているのか。納税者として感心を持つことも必要だ。
自衛隊の演習場であるがゆえ、人も開発も排除され、ありままの自然が残っている。よく湿原の川を原形のまま残してくれていると防衛施設局に賞賛のエールを送りたいほどだ。
この川は、何ら荒廃の痕跡はない。この砂防ダムを撤去しても全く支障は無い。逆に砂防ダムがあることで、ダムの下流域は荒廃することになるだろう。トライベツ川は別寒辺牛川に合流し、厚岸湾に流れ込んでいる。厚岸湾は牡蠣の産地だ。その牡蠣を育んでいるのが、まさに別寒辺牛川である。ダムは、後に必ず地場産業である牡蠣資源に打撃を与える。砂防ダムは撤去を求めることが望ましい。今なら間に合う。
湿原を流れる川は、川幅が狭くても湿原全体が川になっている。川の水が増水したとき、川筋から水が溢れ出て、全体が沼のようになる。この砂防ダムで止めなければならない土砂が流れ出てきた時は、湿原そのものを土砂で埋めてしまう。土砂流出による被害の抑止のためのダムだと言うが、「どのような土砂による被害を想定しているのか?」その土砂は「どこで発生し」、「どこから流れ出して」、「どのような被害を起こす」というのだろうか…?