山崎川
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上流に治山ダムがあり、下流は農地整備によって川が直線化された為、川の勾配を緩和させる目的で落差工が設置されている。落差工では勾配が小さくなるので流速が弱まる。そのため、川を流れる砂利の量と大きさに差分が生じる。
大きな石は、落差工の上流部で止められて、下流では川底の砂利が流される。その為、落差工の下流は川底が下がっている。川底は粘土質の軟弱な岩盤なので、砂利が無くなったところでは岩盤が見えている。護岸のコンクリート連結ブロックが、基礎が抜かれて剥がれたところもある。この落差工には、張り出し型の魚道がある。旧・渡島支庁産業振興部農村振興課(現:渡島総合振興局)は、この魚道を改築する目的で『「山崎地区」魚道整備協議会』を立ち上げ、計画を進めた。この協議会にはコンサルと土建業者が立ち上げたNPO法人・北海道魚道研究会理事が委員として参加している。NPOは、本州の大学教授が開発したという魚道の普及を推進している。後に、魚道改築工事が始まったので、現場を取材しに行くと、工事の看板に施工者として協議会の委員が所属するNPO法人理事長の会社の名が記載されていた。
「山崎地区」魚道整備協議会
http://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nss/yamazaki.htm
NPO法人・北海道魚道研究会
![2010-01-09・加工済・山崎川・魚道建設・DSC_0112](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-01-09・加工済・山崎川・魚道建設・DSC_0112.jpg)
![2007-02-19-02・加工済・山崎川落差工・魚道 019](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2007-02-19-02・加工済・山崎川落差工・魚道-019-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0181](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0181-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0179](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0179-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0174](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0174-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0177](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0177-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0199](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0199-300x199.jpg)
![2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0200](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2010-04-30・加工済・山崎川・完成したばかりの魚道の下流の様子・DSC_0200-300x199.jpg)
![加工済・2007-02-19-02・山崎川落差工・魚道 006](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/加工済・2007-02-19-02・山崎川落差工・魚道-006-300x199.jpg)
![2007-02-19-02・加工済・崎川落差工・001](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2007-02-19-02・加工済・崎川落差工・001.jpg)
![その後、落差工は切り下げられた。ここにも魚道を取り付けるというものものしい計画だったが、こんな程度で十分なのだ。わざわざ莫大な税金を注ぎ込もうとする事業に魚道研究会が絡んでいることが不可解になるばかりだ。](http://protectingecology.org/wp/wp-content/uploads/2014/10/2015-05-01・加工済・山崎川支流宮前川のスリット化された落差工・KAZ_0257.jpg)
川底が下がり、河岸が崩れ、川底の砂利が無くなるということは、魚の繁殖場が失われるということである。魚道の設計を担当した本州の大学教授に、「落差工がある為に、下流で川底が下がり、砂利が無くなって来ているので、魚道改築よりも、落差工の撤去を考えるべきだったのではないのですか」と、質問した。すると、「私が呼ばれたときには魚道改築が決まっていたから、川の状況を判断する立場には無い」と答えた。
どんな魚を上らせるつもりで、この程度の落差に魚道を作るのだろうか?そもそも、この落差工自体、既存していることが、下流で繁殖している魚を絶滅に追いやっている。ここでは、下流域でしか産卵出来ない種類が多い。大学教授たる者、魚道作りの推奨以前に、まず魚を知るべきだ。そして、その地域固有の魚や川のことを学んでいただきたい。魚道建設の原理原則に立ち返り、冷静に考えていただきたいものだ。2010年に魚道が改築されてから、5年後の現在、この大学教授が設計した魚道は、全く効果がないことが実証されている。