山崎川
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上流に治山ダムがあり、下流は農地整備によって川が直線化された為、川の勾配を緩和させる目的で落差工が設置されている。落差工では勾配が小さくなるので流速が弱まる。そのため、川を流れる砂利の量と大きさに差分が生じる。
大きな石は、落差工の上流部で止められて、下流では川底の砂利が流される。その為、落差工の下流は川底が下がっている。川底は粘土質の軟弱な岩盤なので、砂利が無くなったところでは岩盤が見えている。護岸のコンクリート連結ブロックが、基礎が抜かれて剥がれたところもある。この落差工には、張り出し型の魚道がある。旧・渡島支庁産業振興部農村振興課(現:渡島総合振興局)は、この魚道を改築する目的で『「山崎地区」魚道整備協議会』を立ち上げ、計画を進めた。この協議会にはコンサルと土建業者が立ち上げたNPO法人・北海道魚道研究会理事が委員として参加している。NPOは、本州の大学教授が開発したという魚道の普及を推進している。後に、魚道改築工事が始まったので、現場を取材しに行くと、工事の看板に施工者として協議会の委員が所属するNPO法人理事長の会社の名が記載されていた。
「山崎地区」魚道整備協議会
http://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nss/yamazaki.htm
NPO法人・北海道魚道研究会
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川底が下がり、河岸が崩れ、川底の砂利が無くなるということは、魚の繁殖場が失われるということである。魚道の設計を担当した本州の大学教授に、「落差工がある為に、下流で川底が下がり、砂利が無くなって来ているので、魚道改築よりも、落差工の撤去を考えるべきだったのではないのですか」と、質問した。すると、「私が呼ばれたときには魚道改築が決まっていたから、川の状況を判断する立場には無い」と答えた。
どんな魚を上らせるつもりで、この程度の落差に魚道を作るのだろうか?そもそも、この落差工自体、既存していることが、下流で繁殖している魚を絶滅に追いやっている。ここでは、下流域でしか産卵出来ない種類が多い。大学教授たる者、魚道作りの推奨以前に、まず魚を知るべきだ。そして、その地域固有の魚や川のことを学んでいただきたい。魚道建設の原理原則に立ち返り、冷静に考えていただきたいものだ。2010年に魚道が改築されてから、5年後の現在、この大学教授が設計した魚道は、全く効果がないことが実証されている。