釧路川水系久著呂川
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久著呂(クチョロ)川は釧路湿原に注ぐ。流域は農地化されている。
中流域の中久著呂付近に大きな落差工(帯工)が連続して建設されている。そこを境に極端な河床低下が見られる。釧路湿原に流れ込む土砂を止めるために設置されたようだが、むしろ大量の土砂を生み出している。
http://www.ks.hkd.mlit.go.jp/kasen/15/pdf/2.pdf
http://heco-spc.or.jp/kushiro/plan/details/kuchoro/
現場は、川底が下がり、河岸が崩れて洗掘されている。その土砂は釧路湿原に流れ込んだということになる。その原因はどこにあるのか…?
一目瞭然である。落差工(帯工)を設置した所が、川底の掘り下がり始めで、その下流全域で川岸が崩れている。
なぜ、そうなるのだろうか…?写真を見ながら考えていただきたい。
川を流れる砂利が、横断構造物で止められなければ、川底は下がることも、岸が崩れることも無い。増水時に一時的に川岸が崩れることがあっても、進行することはない。久著呂川では河川横断構造物を設置した場所から、いきなり川の姿が激変する。
落差工近くに別の支流が流れ込んでいた。支流も川底が浸食されるようになり、岸が崩れたのだろう。護岸を布団カゴでガチガチに固めている。
袋体床固工の帯工の下流では川底が下がる。
河川管理者、砂防、河川工学の学者たちは、川幅を広げると流速が落ちて、砂利が堆積し易くなると言う。しかし、増水時には、流れ易い方へと流芯が移り、激しい流れとなって川底をどんどん浸食する。その結果、流れが偏ることになり、川底は今以上に更に掘り下がっていく。これが自然の理だ。だから、どんなに「学問」しても川は壊れ続けている。現場の目で川を知る「謙虚さ」が、管理者にも学者にも必要なようだ。
コンクリートブロックの護岸が、沈み込んでいる。川底が下がると頑丈なコンクリートは、バタバタと倒れていく。押さえ込む程、川は反発する。
ここから先は、勾配は緩やかだが、複数の落差工が設置されている。
勾配が緩くても、砂利の需給が不足すれば川底は下がり続ける。
袋体床固工などの帯工は、構造規模が小さくても砂利を止める力がある。その影響が下流域全体に波及する。「ただの砂利」だが、川底を安定させる重要な役割があることを知っていただきたい。