鵡川水系百林班の沢川

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鵡川支流ニセパオマナイ川へ注ぐ、小さな川である。国道274号線から道道610号線に入った占冠村方向の山側に、この川にある治山ダムが見える。

道道610号線の山側のちいさな沢に治山ダムがあった
道道610号線の山側。ほんの小さな沢に、治山ダムがある。

小さな川に、2基の治山ダムが建設されていた。

意識しなければ、目に止まらず通り過ぎてしまう程の小さな沢だ。凡そ誰にも知られることのない治山ダムだ。

2009-08-31・加工済・ニセパオマナイ川支流百林班の沢川・147
治山ダムの上流は、広く整地されている。治山ダム建設のために谷を開墾したのだろうか?それとも伐採のためなのか?

治山ダム建設工事は、谷を開削して広く整地していた。

更に上流を辿る。この小さな谷川に、治山ダムを建設する理由がどこにあるのだろうかと疑問を感じる。

2009-08-31・加工済・ニセパオマナイ川支流百林班の沢川・136
小さな谷川は、川底の石が互いに挟まり合って動かない。川底の石が動かないから、川は安定している。だから、いつまでもこのような小沢の姿が保たれているのだ。

暫らく登っていくと、治山ダムが姿を現した。

小さな沢に不似合いな大きな治山ダムだ。
小さな沢に、不釣り合いな大きな治山ダムだ。
土砂よりも水が溜まっていた。
土砂よりも水が溜まっていた。
2009-08-31・加工済・ニセパオマナイ川支流百林班の沢川・118
土砂が流れるような川とは思えない。水が溜まっていることがそれを証明している。むしろ、この治山ダム建設で、山腹を掘削したことの方が、土石流を誘引するのではないかと思える。
2009-08-31・加工済・ニセパオマナイ川支流百林班の沢川・126
治山ダムの上流は土砂が出るような背景は見られない。どんな根拠で建設されたのだろうか…? 北海道森林管理局に聞くと、「河川源流域の森林で風倒木による荒廃があり、流木を出さないようにするため」と言う。
治山ダムの直下。
治山ダムの直下。
治山ダムから下流を見る
治山ダムから下流を見る。

治山ダムから流れ出すのは、砂利を含まない水だけである。水の浸食作用が働き、川底の砂利は流されることになる。川底が下がり、河岸や山の斜面が崩れ始める。こうして山が崩壊していく。しかし、崩壊した土砂を下の治山ダムが受け止めた…という効果が謳われることになる…。

土砂災害を興し、興した土砂災害の土砂を捕捉して土砂災害を防止する、まるで自作自演の構図である。人知れぬところで行われる治山事業。これが私たちが各地で取材した、北海道の治山の実態だ。