平田内川
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日本海に注ぐ渓流の川である。ヤマメ釣りが楽しめ、沢登りなど釣り人やアウトドア体験者で親しまれている。その天然河川が、人工水路に作り変えられてしまったのである。川の脇に設置された気になる看板。
「…荒廃砂防・渓流保全工」とある。自然の状態で一体どんな荒廃が進んでいたというのだろうか?
1989年から落差工が12基も次々に建設された。平田内川の河川の荒廃の原因は一体、何なのだろうか?1988年に巨大な砂防ダムが建設されてから、翌年1989年、その砂防ダムの下流で次々に落差工が建設されてきたのである。
巨大な砂防ダムは、大量の砂利を溜め込み、更に上流へ向かって堆砂する。流下するべき砂利がダムで制限される為、下流の砂利は流される一方で供給されず河床が下がる。川岸は崩れ、川に面した山斜面が崩壊し、川は壊れていく。
この巨大な砂防ダムの上流に、小さな堰と取水の堰がある。その上流域は渓流景観の良好な川の姿が見られる。一方で、巨大砂防ダムの下流は全く姿を異にした人工水路に作り変えられてしまった。
ダムから下流では川底の砂利が失われる。その為、砂利を流出させないように堰を建設せざるを得なくなる。まるで自作自演の渓流保全事業である。災害を興して復旧工事を興し、防砂事業興しの連鎖である現場が平田内川である。既に一部では岩盤が露出しており、魚の繁殖環境は失われている。
川にダムを造れば、砂利の需給バランスが壊れる。その結果、川は不安定になり災害が多発するようになる。災害が発生すれば対策を喚起する。現代、スコールのように短時間で降る大雨は、頻繁に起きている。全ての災害が、「大雨」によると言ってしまうのは、本質的な原因を見落とし見誤る。実際に現場では、災害が起きる仕組みを人の手で作り出している河川事業が実に多い。管理者も専門家も正しい眼鏡で現場検証すれば、「大雨が原因」では済まない証拠がいくつも見つかり、自責に問われる筈である。金銭欲と顕示欲に駆られて、騙し欺き被災者を作り、川を壊すことは誰にも許されない。誰も許さない。