遊楽部川水系ポントワルベツ川
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雪が溶けて陽が優しくなる頃、たくさんのウグイが産卵場を目指し、黒い帯に連なる。春の風物詩を見ることの出来る川である。ところが、治山ダムが次々に建設された為、川底の砂利は減少し露出した岩盤が拡がってしまった。河床が下がり川岸が崩れ、泥が流れるようにもなった。ウグイが列をなす、生命感溢れるあの豊かな川は、このまま幻になってしまうのか。残念でならない。
土石を発生させる要因など、どこにも見当たらない小さな川をわざわざダム建設のために拡げる。こんなにもたくさんの治山ダムが、一体何の為に必要だというのだろうか。地元の人たちでさえ、こんな源流域まで入らない。人の目に触れることも疑問視されることもない。
標語には、「森と緑と水を育み、災害を防ぐ治山事業 北海道」、「国土を治めてみどり萌ゆ」とある。しかし、「森と緑と水を枯らし、災害を多発させる治山事業 北海道」、「国土を荒廃させてみどり枯れ」と読み替えたくなるほど、それが現場で起きている実際なのである。