サケの産卵床を壊すおかしな工事

2015年02月24日のこと、遊楽部川の護岸工事で土嚢をぶら下げた重機が野生サケの産卵床の上を走りまわり、あげくには、産卵床を掘り起こしていました。

川底の石の間でふ化して、産声を上げたばかりの小さなサケの命がことごとく踏みつぶされました。

今どきの工事としては、あり得ないような乱暴な工事です。

事業者は北海道渡島総合振興局函館建設管理部治水課です。

生物多様性保全条例を策定した北海道の同じ機関が、直々に自らの手で、小さなサケの命を踏みつぶしたのです。

コンサル会社による調査報告書では、工事区域内にはサケの産卵床が無いことになっています。つまり、工事は何らの支障もなく行えるようになっているのですから、実におかしなことです。

この場所にはわき水帯があり、サケが多数産卵しているのを目撃しています。

事業を目的にしたコンサル会社の環境調査がいかにデタラメなのか、みなさんにぜひ知っていただきたいと思います。

みなさんの知らないところで、このように乱暴な工事が行われ、誰も気がつかないうちに野生サケの資源を失ってきたのです。

サケの産卵床を掘り起こしている。

サケの産卵床を掘り起こしている。おなかに栄養の袋をつけたまだ小さく幼いサケの子どもたちは、これでは生きていけません。残念です。

 

サケの産卵床を土嚢で押しつぶし、重たい土嚢をフラ下げた重機がサケの産卵床を踏みつぶしながら行ったり来たりの作業をおこなっていた。
サケの産卵床を土嚢で押しつぶし、重たい土嚢をフラ下げた重機がサケの産卵床を踏みつぶしながら行ったり来たりの作業をおこなっていた。

 

あり得ない光景です。

砂防ダムのスリット化で、堤体の大規模な肉厚化…本当に必要な工事なのか…?

北海道渡島総合振興局函館建設管理部は、大野川水系の小さな谷川「子熊の沢川」の砂防ダムのスリット化を行った。

スリット化すれば堤体の強度が低下するとして、コンクリートで肉付けする必要があると説明するが…スリットの規模はごくわずかなのに、堤体の肉厚化の大規模さに疑問を感じるばかりだ。

本当にこれほどの肉厚が必要なのだろうか…?

過剰な工事に思えてならない。

これって、税金のムダ遣いでないかい…?

 

2015-06-01・加工済・子熊の沢川・砂防ダム肉厚化+スリット化・KAZ_0039
堤長が表示されていない。大規模に肉厚化したから、教えたくないのだろうか…?つい勘ぐってしまうのだ。

2015-06-01・加工済・子熊の沢川・砂防ダム肉厚化+スリット化・KAZ_0038

小さな谷川にそぐわないほどの大規模な砂防ダム1号、2号、3号があり、さらには1号砂防ダムの下流に4基目の大規模な砂防ダムが新設されている。国道277号線から新設された砂防ダムは見えるが、奥にある大規模な3基の砂防ダムには誰も気がつくことはないだろう。

誰も知らないところで、川が壊されて、これから大規模な災害を引き起こすような怖い川に作り変えられていることを知っていただきたい。

河川管理者らは自らで川を壊し、誰も知らない間に怖い川に変貌させてから、災害防除などの理由をつけて、次から次に国の補助事業でダム建設に励んでいることを知っていただきたい。

みなさんもぜひ、子熊の沢川をたどって、実態を知っていただきたいと思います。

 

魚道建設後に岩盤が露出し、川が壊れはじめた

2015年05年20日、道南の日本海側に位置する檜山郡厚沢部川水系小鶉川にある農業用頭首工に建設された魚道のその後を取材した。

頭首工と魚道を下流側から見る。頭首工の左の陸側に引き込み型の魚道があるが、委員のコンサル会社の経営者の提案で、頭首工直下に堰、そして、魚道、さらに魚道の下流にプールを作るための堰が新たに建設された。下の席には砂利が貯まっている。メンテナンスが続いている。
頭首工と魚道を下流側から見る。頭首工の左の陸側に引き込み型の魚道があるが、当時、魚道計画の検討会委員のコンサル会社経営者の提案で、頭首工直下に堰、そして、魚道、さらに魚道の下流にプールを作るための堰が建設された。下の堰には砂利が貯まっている。魚道は、すぐに砂利で塞がり、その都度にメンテナンスが続いている。

当時、渡島総合振興局の魚道設置に関わる委員会の座長であった北海道大学の中村太士教授は、頭首工に魚道を取り付ける場合、川に張り出したら影響が大きいとして、陸側に魚道を設置するという川に配慮した提案をし、委員会で可決された。

ところが、魚類の専門家と称する札幌のコンサル会社経営の瀬尾優二委員が、魚道に魚が入るためには入口に深みのあるプールが必要だと言いだし、砂防ダムと同じ構造の堰を新たに設置する提案を切り出した。更に、そのプールに魚が辿り着くまでの魚道が必要だとして、川に張り出した階段状の魚道を提案した。さらにはこの階段状の魚道の入口から魚が入るためには深みが必要だからとして堰を提案した。

妹尾委員の提案では、下流で河床低下が進行し、岩盤が露出すると指摘したが、その場では地元住民の理解が得られず、大規模な魚道建設が決定されてしまった。

こうした行政主導の委員会ではどの委員会もそうだが、異論を吟味することなく、異論を排し、行政と専門家の馴れ合いのように大規模な魚道建設が決定されてしまうのだ。タイムリーなことだが、衆院憲法審査会で専門家の人選に失敗したなどと騒がれ、裏事情が暴露されたように、行政主導の委員会の人選は行政の都合の良い専門家を委員に据えることが常態化しているのだ。

魚道が完成してから、その後を取材しているが、とうとう河床低下で岩盤が露出し、川の荒廃が進み始めた。2つの堰には砂利が溜まり、魚道にも砂利が溜まり、機能不全。それどころか…下流では、あれだけあった砂利が、すっかり失くなって岩盤が広がってしまった。

川の荒廃ぶりを見ていると、コンサルが提案した構造物が、川を壊し、そして、次の工事を生み出す布石になっているように映る。

川に大きな影響を与える委員会には、利害関係者は絶対に入れるべきではないと痛感する。そして、大学教授という公職にあり、しかも河川の専門家であるのならば、この事業を承認した責任として、川を元に戻していただきたい。当初から委員会で、河床が下がり、岩盤化するとの指摘がありながら、それを認めず、この事業を進めた責任は重たい。

取材したこの日、地元住民は「工事後に河床低下が起きている。こんなことになるとは思わなかった、元の川に戻して欲しい」と、専門家らに憤っていた。

魚道の下の堰の下流では砂利が失われて、岩盤の露出が広がってしまった。
魚道下の堰の下流では砂利が失われて、岩盤の露出が広がってしまった。
砂利が流されて川底は岩盤の露出し、さらに広がっている。
砂利が流されて川底は岩盤の露出し、更に広がりを見せている。
魚道の下流側では岩盤の露出がず~っと下流まで続いている。
魚道の下流側では岩盤の露出が、下流全体にまで広がり始めている。

元の川に戻すためには、即刻2つの堰と川に張り出した魚道を取り除く以外に方法は無い。同時に、流れ去った巨石を探し出して、上流に戻す必要がある。急峻な川では巨石が川底を浸食から護り、露盤化することを防いでいるのだから。

おそらく専門家らは、札幌市を流れる真駒内川と同じように、砂利が流されるのなら、砂利が流されないように新たに堰を建設すると言うかも知れない。

しかし、河床低下が起きた現実を知り、大事な故郷の川を壊された地元住民をもう欺すことは出来ない。