活動報告 : 北海道新幹線

「住民を警察に突き出す」までに追い詰められた機構…!

2021年12月13日に札幌市手稲区山口で残土搬入が始まったと報道された。機構は、手稲区山口の住民には、「粉じんの飛散防止」や「粉じん泥の洗い落とし」などを説明したようだが、現場は機構の説明通りにはなっていない現実を、知っていただきたい。しかも、改善を求めるために現場に行ったところ、名指しで「**が来たら警察に通報しろ」と機構から指示が出されており、問答無用で警察に通報され突き出された。

「黒岩受入地A」は、八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢で、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準16倍を超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万を投棄し、さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5tとして計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える。この現場には公衆災害の防止が掲げられていながら、搬入道路は有害重金属含有残土の粉じん泥で、ドロドロの状態になっている。

16倍ヒ素など有害重金属含有の残土の粉じん泥で町道は泥だらけ。どうするかと言えば、散水車で道路を水洗いし、道路の回りに洗い流した有害重金属含有の粉じん泥をばらまいて汚染させている。
坂道のカーブでは対向車が来たときにブレーキをかければ車はスリップして事故を起こしかねない。粉じん泥でぬかった危険な町道にした独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構をこそ警察は取り締まるべきだ。
有害重金属含有残土の粉じん泥で、町道は搬入出入口から泥だらけになっている。
出入口には交通整理をかねたガードマンが、粉じん泥落とし器の使用状況を見せないように、機構から指示されている。カメラの前に立ち塞がる。
16倍ヒ素などの有害重金属含有残土を運んできたダンプカー。出入口は泥だらけでぬかっている。
そうこうするうちに現場にJV責任者がやって来て、携帯で機構に私の名前を告げたところ、「警察に通報しろ」と指示が出され、証拠写真を撮っている。警察に突き出すためだ。
使用痕跡の無いダンプカーの「乾式・粉じん泥落とし器」。回りの雪は汚れていないし、ダンプカーの轍も無い。
JV責任者に「乾式・粉じん泥落とし器」がきれいなので使用痕跡が無いと指摘したところ、「朝に洗った」という。洗っていないことを指摘したら、「あんた、洗っているところ見たのか、見てないだろう」と切り返してきた。洗ったことが無い証拠として「きれいな雪」を指摘したら、黙った。いったんウソをつけば、ウソをつき続けなければならなくなる。機構は人をも泥まみれにさせる罪作りな組織だ。

機構は、現場の不具合を住民から教えてもらったことに感謝し、現場の状況を確認して改善に着手するのかと思いきや、そうでは無かった。改善の申し入れをするために現場を見に来た住民を、機構は、問答無用で警察に突き出したのだ。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、自分たちに不始末があっても、平穏に暮らしたいと願う一人の住民を公権力の警察に突き出し、前科者に仕立てあげる。改善を求める声を潰すのだから怖ろしい組織だ。

通報を受けて警察が来た。改善を求めるために現場確認に来た住民を事情聴取。相手が違うだろう…、取り締まるべきは、有害重金属含有残土の粉じん泥をまき散らして、車のスリップ事故を招きかねない状況にしている側ではないのか…

道路を有害重金属含有の粉じん泥でドロドロにぬからせ滑りやすくし、車の通行の安全をも脅かしている機構こそ取り締まるべき相手ではないのか…。警察の職務は「住民(国民)の安全・安心な暮らし、住民の生命・財産を守る」ことにあるのだから、安全・安心な暮らしを求めて訴える住民を守ってほしいものだ。

ダンプカーに付着した「湿式・粉じん泥落とし器」は十分に泥を落とし切れず、仕事を終えて近くのガソリンスタンドの洗車場で車体を洗ってから帰っている。「乾式・粉じん泥落とし器」は水洗い方式ではないので、タイヤや床面は泥だらけになる。機構に問い合わせたところ、機構・札幌局総務課は「敷地内の洗浄施設で洗浄してから帰るように指導している」と説明したが、現場ではそうはなっていない。だから、住民の監視が必要なのです。

湿式の「粉じん泥落とし器」。タイヤの内側や車の床面全部が洗浄できるのか不明。

八雲町の16倍ヒ素を含む有害重金属含有残土の粉じん泥だらけの道路は町道であり、残土搬入の沢も町が貸し付けた町有地だ。有害重金属含有残土で泥だらけの町道の改善を機構に求め、機構を指導すべきなのは「八雲町長」と八雲町役場「新幹線推進室」の役割だと思うのだが、役場の怠慢を住民が代わりに補おうとしたら、警察に突き出された。しかし、町民が逮捕されても八雲町は感知しないと言う。北斗市村山の村山残土捨て場では、5月14日、9月13日に、セレンによる地下水汚染が発生。機構の説明通りにはならず、住民の理解が得られなくなり、原因も明確に判らず、従って対策も決め手がないようで、いまだに村山への残土搬入再開のめどは立たず、トンネル掘削工事も止まったままになっている。計画通りに工事が進まず、開業が遅れる可能性が高まり、「住民の理解と協力」の元で行う事業でありながら、焦りがこうじて、その言葉すらも脳裏からすっ飛んだようで、住民を問答無用で警察に突き出すまでになっている。なりふり構わね、こうした時に事故は発生するものだ。そして、よからぬことが起きるものだ。

この「黒岩受入地A」八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢では、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準を16倍超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万を投棄し、盛土崩壊という災害が発生した熱海と同じように沢を埋め、盛土している。さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5tとして計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える

沢は周辺からさらに水が集まって流れるところだ。周辺の沢水を集める集水パイプは直径20cmという。盛土の底には直径30cmの配管がされているというが、水の取り入れ口は稚拙なものだ。集水口は落ち葉・枝で塞がり泥で塞がるので、林業関係者は頭を痛めているというのに…。従ってすぐに集水口は塞がり、埋まってしまい、水が周辺に広がることだろう。地下水の汚染を確認する検査井はナシ。従って、地下水が汚染されても誰にも分からない。未来が怖い。
出典・独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構・八雲鉄道建設所重点実施項目

この黒岩受入地Aについては、八雲町と機構が取り交わした協定書がある。協定には地下水を検査する条文が記されている。だが、機構は、地下水の検査をやっていないし、やらないとしている。

八雲町黒岩地区の発生土受入に関する協定書

 

残土捨て場の配管から流れ出した水だけを調べている。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

鉄道建設・運輸施設整備支援機構の公表資料から、有害残土の処分に係る「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」名簿を下記に添える。

機構組織内に置かれ、機構が「第三者」委員会と称する「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」の大学教授らはいったい何者で、何をしているのだろうか。最高学府で教鞭を執り、若い学生を育てる立場にある。プライドがあるのなら、学生に対して、社会に対して、恥ずかしくないように現場をしっかりと読み解き、機構のウソを是正し、培ってきた学問と英知を発揮して議論され、機構の住民を欺くやり方に加担せず、将来に禍根を残さない万全な対策を構築して委員会として機能するように正していただきたいと願うばかりだ。

出典・独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

機構は、2021年8月11日の八雲町議会の有害重金属含有残土の投棄場所を八雲町が買収する審議をする委員会に、捏造した資料を提出しており、審議を歪める審議妨害に相当するような事までやらかしている。町長も八雲町議会議員も、買収されているのかと疑われないよう、しっかりと現場を見て、資料を読み解き、精査してから、審議に臨み、判断をしていただきたいものだ。権力に媚びて、自分の利益誘導のための駆け引き取引していたのでは地域の住民の利益にはならない。八雲町の未来を見据えて冷静な判断をしてほしいものだ。

八雲町の財政は潤っている。あちこちの農地を町が盛んに買い、有害重金属含有残土の捨て場にしているのが現状だ。適正に処理され、管理されているのならともかく、納税者に問うことも無く、議会に諮るだけで決定し、現場は上記のような状況になっているのである。

有害重金属含有残土の投棄場所の農地は、かつては国の農業予算(税金)で住民のために整備された土地だ。1992年のリゾート反対運動の際には、牧草地が足りないとして、農業整備で必要な道路と称して、国に無断で、国の農業予算を流用してリゾート地へのアクセス道路を建設していた。このやり方に疑問を呈した住民には「農業者でもないお前達は、農業にまで口出しするのか」と役場職員が逆切れして噛みついて来たことを忘れることは出来ない。ところが、今は、農地が不要になったということなのか?八雲町は、あれほどに必要としていた農地を簡単に手放し、環境基準超えの有害重金属含有残土の捨て場にしている。情けないことだが…これが過疎化の町の悲しい現実だ。

八雲町ゆかりの作家、鶴田知也さんが八雲町に遺された言葉が遊楽部川のほとりにある。八雲町長や八雲町役場の新幹線推進室長は、この言葉を今一度、噛みしめてもらいたいものだ。

「不遜なれば未来の悉くを失う」

出典:じゃらん URL:https://www.jalan.net/kankou/spt_01346aj2200023149/

 

北斗市長に「公開質問状」を提出 … 北斗市民の会

「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」(以下、「北斗市民の会」)は、2021年8月11日付けで北斗市長に公開質問状を提出した。

「北斗市民の会」は、新幹線トンネル工事での掘削土に含まれる膨大で高濃度のヒ素やセレン、鉛、カドミウムなど不適切な処理は深刻な問題であるとして、地下水や河川水汚染、土壌汚染が発生しないように「遮水型の保管」施設に未来永劫に保管管理していくことを求めている。北斗市・村山「きじひき高原」直下の採石跡地に、地べたに直置きしていることは、北斗市の基幹産業でもある農業用水の汚染を引き起こすとして、処分地の見直しや処分の方法についての見直しを求めている。

これまで、「北斗市民の会」は、水田など農地の水源となっている大野川の河川水や扇状地の地下水の汚染を心配して、村山の残土捨て場から流れ出している濁水を採水して分析に出し、環境基準超えのヒ素が流れ出している事実を突き止め、管理のずさんさを指摘してきた。しかし、北斗市は根拠の無い意味不明の反論を示し、「北斗市民の会」が水質調査を委託した農業団体の調査機関の信頼性にまで言及する有様で、汚染の事実を躍起となって、もみ消しにかかった。

北斗市長は、3月議会公の場で北斗市民の会を、「科学的な根拠に基づかない不適切な情報の流布をする団体」として誹謗中傷し、市長としてあるまじき発言をしている。そんな折、市長の発言が因果応報となって跳ね返ってくる事態が発生した。北斗市村山残土捨て場の地下水から高濃度のセレンが検出され、住民生活に深刻な影響を及ぼす緊急事態が5月に発覚。急遽、8世帯に井戸水の使用を停止させ、飲用水を配布する事態に発展した。

今、この時点でも地下水汚染は広がっている。一刻も早く汚染源を特定し除去しなければならない。しかし、除去しても土壌中にしみ込んだ土中の汚染は続く。一旦、汚染されたら対策は極めて困難である。その処置の難しさは、汚染発覚から3ヵ月経過した今も、機構からも北斗市からも市民や議会に対して調査報告や対策について何も示していないことからも分かる。

「北斗市民の会」は「科学的根拠に基づかない不適切な情報を流布する団体」と北斗市長が言うのならば、それでは北斗市長のいう科学的根拠に基づいた説明をしていただきたいとして、以下の通り公開質問状を提出した。

 

 

 

鉄道運輸機構・第三者委員会の信頼性失墜!…地下水汚染が発生!事態は深刻。

学識経験者で構成された「第三者委員会」は、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の組織内にある。

権威者揃いの立派な独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構付属”第三者”委員会。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

この第三者委員会で、ヒ素やセレン、鉛、フッ素、カドミウム、六価クロムなどの重金属混じりの「発生土」や、環境基準値を越えた重金属を含有した「対策土」を地べたに直置きする投棄処分の方法を提案。地べたに直置きでも、土壌浸透途中で有害重金属が土壌成分に吸着されるので、地下水に流れ出す時点では環境基準値以下になるから問題無いとして、地中の図を示して説明している。

出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

「地下のことは、見て来た訳では無いから分からない。一寸先は闇だ」。地熱発電事業でボーリングを手がける現場の技術者はこう語る。しかし、機構の第三者委員会はまるで地中を透視しているかのように図を示して、住民に説明している。

北斗市の村山の対策土の投棄方法を示す図。地べたに直置きする方式が選択された。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構
村山残土捨て場の地中の構造図が、まるで透視したように描かれている。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構
対策土から土壌中に沁みだした重金属類は土壌成分に吸着されるという第三者委員会が示した概念図。土壌成分はマイナス荷電、重金属にはマイナス荷電型もあるのに、その説明もなければ、無限に吸着できるかどうかについても説明はされていない。また、有害重金属の吸着は即ち、有害重金属を濃縮することだから、濃縮された地中の土壌が環境に与える影響についての説明もないのだ。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構
対策土から土壌中に沁みだした有害重金属の地中の挙動について、第三者委員会は詳細な数値を示して解説している。この説明は、現場を科学的に解析していると言えるだろうか? 出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

第三者委員会は、対策土処分地では土壌中に沁み出した有害重金属は土壌成分に吸着されるから、地下水へ流れ出す時点では薄まっており、問題は無いとしている。しかも、「予測地点の濃度は環境基準以下になることを確認しています」と明記されている。

しかし…?

①土壌成分はマイナスに荷電、一方、有害重金属の荷電はすべてがプラス荷電なのか、マイナス荷電なのかについて説明がされていない。

②吸着能力は無限にあるのか、それとも限界があるのか、これらについての説明がされていない。

③土中で土壌成分が吸着することは、言い換えれば、有害重金属を濃縮することだ。有害重金属が濃縮された地中の土壌はその後、どうなるのか?生態系や農業用水、生活用水へ影響があるのか否か、これについても説明がない。

第三者委員会の説明のどこに科学的な根拠があるというのか?

文献によれば、「人間社会の至る所で生産され、消費される重金属は環境に放出され、生態系に何らかの影響を及ぼす。低濃度で長期間にわたる汚染は生態系に対して目だたないが確実に悪影響を与えると考えられる」及び「低濃度の重金属イオンを含む多量の汚水を土壌に処理した場合、土壌は重金属イオンを能率よく吸着し、捕捉し、蓄積していき、少量の土壌に重金属イオンを濃縮する」とある。(参考:【3】土中における重金属の挙動:岡崎正規・水質汚濁研究)

北斗市では、発生土に含まれる有害重金属による地下水汚染や生活水の汚染を心配した農業者や市民が立ち上げた「北斗市民の会」の活動に対して、北斗市長は「一部の市民等による科学的根拠に基づかない不適切な情報の流布により、風評被害の発生などを大変憂慮しているところであり、厳に慎んでいただきたいと考えております」と、公の場で市民団体を誹謗中傷し、会の活動を阻止しようと躍起になっている。そんな時に、村山残土捨て場の地下水から環境基準超えの猛毒物質のセレンが検出された。第三者委員会が指南した科学的根拠に基づいた処分方法なのにである。では何故、現実に地下水汚染が発生したのだろうか?市民の訴えよりも、第三者委員会の科学的な根拠のない、不適切な処分方法に妄信した北斗市長こそ、市民の会の訴えが警鐘だったことを認識し、実害が発生したことの責任を負うべきである。

出典:2021年6月12日・函館新聞

出典:2021年6月12日・北海道新聞(全道版)
環境基準値を越えるセレンが検出されたのは「B-3」の地点だ。2021年6月11日に北斗市から配布された資料。
2021年6月11日に北斗市から配布された資料。
地下水を使用している住民。「この先、どのようなことが発生するのだろうか?」第三者委員会の信頼性は失墜し、その結果、地域の住民の暮らしが危機にさらされることになった。2021年6月11日に北斗市から配布された資料。
出典:Google Earth

「北斗市民の会」は、これまで降雨の度に、村山残土捨て場から白濁した水が、国道227号線の側溝へ入り、大野川へと流れ込んでいることを懸念して、側溝に沈殿した泥を採取して、科学的手法で環境基準を1.5倍超えるヒ素が流れ出していることを突き止めている。

村山残土捨て場の出入口付近。Google Earthの衛星写真T-3の地点で白い濁水が流れている。撮影:2021年6月4日
村山残土捨て場から流れ出す白濁水は、国道227号線の側溝へ流れ込み、大野川に注がれる。沈澱した灰色の物質で側溝は埋まっている。この堆積物から、環境基準1.5倍超えのヒ素が検出された。つまり、常時、重金属類が大野川に流れ込んでいるのだ。撮影:2021年6月4日
「T-3」集水枡で採水。撮影:2021年6月4日

「第三者委員会」は、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の内部に置かれた組織だ。組織内の会議となると、異論を挟めば解任されるかも知れないし、自分の将来を考えて発言を控えることもあり得る。会議では不都合な意見は怖くて発せられることはないだろう。第三者委員会が指南した処分方法で、地下水から環境基準超えのセレンが検出されたのだ。そればかりか、以前から日常的にヒ素が漏れ出している。一旦、地下水が有害重金属で汚染されると、汚染の広がりを調べるのは容易ではない。ましてや、汚染物質を除去するなど出来る筈もない。今後、どうするのか?有害重金属類が土壌浸透し、地下水に沁み出してくるまでにはそれなりに年月がかかる。また、膨大な量の環境基準超えの残土が運び込まれているから、地下水から有害重金属が検出されはじめると、一気に検出量は増加していく。

これで第三者委員会が指南する処分方法の科学的な裏付けが無いことが露呈した。しかし、トンネル工事は止まる筈もなく、残土の搬入先の変更の話しまでが浮上している。手際がよすぎやしないか?日常的にデータを改ざんをしている工区の情報が寄せられることがある。この現場でもデータの改ざんで数値を低くしていたが、頻繁な数値の異常な上昇に、もうこれ以上は改ざん出来ない事態に至ったのではないか。現場は汚染が広がり、手に負えないような深刻な事態に陥っているのではないかと思えば、怖ろしい。

そんな折、八雲町山崎川でも異常な事態が発生した。「山崎川が白く濁っている。上流の北海道新幹線トンネル工事現場から流れ出しているのではないか。どこに言えばよいか?」と、早朝に住民が訪ねてきた。取材に行くと、山崎工区で未処理のまま排水されていたことが分かり、住民の言う通り山崎川は、白い濁水で染まっていた。

北海道新幹線山崎工区から山崎川へ白い濁水が、未処理のまま山崎川へ排水されていた。撮影:2021年6月12日
異常に濃い濁水。撮影:2021年6月12日
このような排水が許される筈がない。撮影:2021年6月12日
排水口から約1kmほど下流の白濁した流れ。撮影:2021年6月12日

山崎川の川岸・川底は、白い物質があちらこちらにたくさん沈澱堆積している。

川底に白い物質が沈澱堆積している。撮影:2021年6月12日
川岸・川底に白い物質が沈澱堆積している。撮影:2021年6月12日
淵の底には白い物質が大量に沈澱堆積している。撮影:2021年6月12日
排水から約1km下流のところだが、川岸にも川底にも白い物質が沈澱堆積している。撮影:2021年6月12日

川岸や川底に白い物質の沈澱・堆積している量から、日常的に濁水を排水していることが読み取れる。山崎工区は、何度も未処理の垂れ流しをしている。誰かに見つかると一旦は排水を止めるが、また垂れ流しを繰り返している。今は些細な小さな環境問題だ、他人ごとだとして誰もが無関心でいると、北海道新幹線”祝”開通の暁には、沿線住民は土壌汚染・地下水汚染・河川汚染・海域汚染の負の遺産を押しつけられ、憂き目を見ることになる。

北海道は、北海道新幹線工事にかかわる環境影響評価について意見を添え、認可には環境に影響を与えることが無いようにと条件を付しているが、このような現場の状況を放置している。これまで「北斗市民の会」が、環境基準超えの汚染が発生していることを伝えても、「北海道としては検査はしない」と、道は住民の申し入れを突っぱねている。地域住民の暮らしは誰も守ってはくれない。残念ながら、行政が悪い、政治が悪いからだという前に、私たち個人個人の無関心こそが問題なのである。私たちの暮らしを見えないところでしっかりと支えてくれているのは他でもない自然環境なのである。身の回りの自然の全てが、私たちの暮らしを支えてくれているのを忘れてはならない。

 

 

 

新幹線工事トンネル内で崩落し、地上で陥没。

北海道新幹線・野田追トンネル北工区の坑道の真上の住民は、「地下からの振動や音が気になる」と言う。ダイナマイトも使用しているのだから、不快さや不安は計り知れない。開通すれば車両が通過する毎に、振動と騒音に悩まされることになる。

出典:2021年3月23日・北海道新聞(全道版)見落としそうな小さな記事。

2021年3月20日、そのトンネル内で崩落が起き、地上は直径20mが陥没した。

出典:《佐藤正樹(キハユニ工房)》

北海道新聞には詳細は無いが、web記事:《佐藤正樹(キハユニ工房)》に、八雲町で行われている北海道新幹線トンネル工事の野田追トンネル北工区で、2021年3月20日、坑口から3.997km付近の地下約40mの坑内で、トンネル掘削面が崩壊して約600㎥の土砂が流入し、地上部に直径約20mの陥没が生じたという写真が添えられている

出典:《佐藤正樹(キハユニ工房)》
出典:《佐藤正樹(キハユニ工房)》

札幌延伸を目指す独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、事あるごとに「工事の完了時期の遅れに影響はない」と説明している。陥没が発生した野田追北工区では、2018年7月17日にトンネル工事現場で死亡事故まで起きている。工事を急ぐ余りの意識の陥没こそが事故を招く。沿線住民が、北海道新幹線トンネル工事にかかわる危険と隣り合わせにいることを忘れてはならない。

野田追トンネル(北)工区のヤードを囲う目隠し板。
野田追トンネル(北)工区の坑口。
野田追トンネル(北)工区の坑口。辺りは粉塵で真っ白だ。

トンネル工事と地上部の陥没事故は多い。2020年10月、東京都調布市で地下47mで行われていた東京外郭環状道路(外環道)トンネル工事で市道が陥没した。また、2020年6月30日には、トンネル工事で横浜市港北区大豆戸町の環状2号線で縦横約7メートルが陥没した。2016年11月8日、福岡県福岡市博多区の博多駅前付近で行われていた地下のトンネル工事で、道路が大規模に陥没したことも記憶に新しい。                        地下40m以深を「大深度地下」と定義し、トンネル工事など地下利用のために、首都圏、近畿圏、中部圏において地権者の許諾を得なくても事業が着手できるように2001年に「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(大深度法)」が施行された。この「大深度法」は、トンネル掘削技術の安全性が担保された上での施行なのか、甚だ疑問だ。住民の安心、安全な暮らしよりも、事業に便宜を図る目的でしかない。

ヒ素など有害重金属含有掘削土の処分方法の安全性への疑問に加えて、トンネル工事そのものの技術的な安全性にも疑問があることが露呈した。

 

「道民は猛毒のヒ素に…」機構の怖いまやかし。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の住民説明用資料には、ヒ素、鉛、ふっ素、セレンを摂取しても排泄されるから問題無いと解説されている。

出典:2016年4月14日の八雲町民用説明資料:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構
出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構(ホームページ)

機構のホームページでは載せていない「人が摂取するヒ素の量(基準値)」が、住民に配布された資料には示されている。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構が考える「きわめて安全なレベル」の基準値とは、6gの魚の致死量0.01mg/Lとある。0.01mg/Lのヒ素の量で6gの魚が死ぬのだから、腸内細菌はひとたまりもなく死ぬ。0.01mg/Lのヒ素を1日2リットル飲み続けるとは、毎日0.02mgのヒ素を食べて腸内に送り込み、70年間にわたり腸内細菌を殺し続けることでもある。それなのに、機構は健康に対する有害な影響は無いと説明している。

NHKスペシャル「人体」の「万病撃退!”腸”が免疫の鍵だった」では、人間の健康をつかさどる免疫機能は腸内細菌に支えられていることが分かってきたと解説されている。腸内細菌がつかさどる人体の免疫機能という知見から0.02mgを毎日食べ続けても安全だとする機構の考え方は極めて危険な暴挙と言える。

https://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_6.html

機構は、ヒ素を「自然由来のヒ素」と強調し、ヒジキなどの食品にも含まれるものとして、さも安全であるかのように、道民にヒ素の危険性の核心をつかませないように、言葉巧みに扇動している。まるで「霊感商法」そのものだ。猛毒物質は厳重に保管して管理しなければならない。猛毒物質を扱う以上は、毒物取扱の資格を持った責任者を立て、厳重に管理する義務がある。

北海道新幹線工事の現状は、猛毒物質は粉塵となって舞い散り、雨ざらし、垂れ流し状態になっている。こんなずさんな工事が、毎日あちらこちらで行われているのに、国からも、北海道からも、問題視する声が上がらないのはおかしくないだろうか…?現に、水道水の水質検査では、じわりじわり…とヒ素が検出され始めているというのに…。北海道の良質な水を猛毒のヒ素で汚染させる北海道新幹線工事。近い将来、新幹線と引き換えに流域一帯のヒ素検出に道民は苦しむことになるだろう。

 

ヒ素・環境基準270倍超え!受け入れは柳沢に。

出典:北海道新聞(渡島・檜山版)2020年11月26日。
出典:北海道新聞(渡島・檜山版)2020年11月13日。

2020年11月12日に、機構は北斗市議会調査特別委員会に「条件不適土」の正体を「現在の受入地の基準値の100倍超えのヒ素を含み、溶出量は環境基準の270倍超えという残土(溶出の仕方も異なる貫入岩)」であることを明かし、2年も前から掘り出していたことを認めた。

出典:北海道新聞(全道版)2020年11月26日

11月26日の北海道新聞全道版では、重大な問題でありながら、こんな小さな記事で、ヒ素の溶出量が270倍にもなる残土には一切触れられていない。

そして、この高濃度ヒ素を含む残土の新たな仮置き場を、北斗市と機構とで決定し、その結果を調査特別委員会において機構が明らかにした。こんな大事なことを市議会にも市民にも知らせずに決定したのである。新たな仮置き場の柳沢地区は、茂辺地川に近い上磯の海岸近くであり、サケが自然産卵している流渓川に注ぐ万太郎沢川の傍に選定された。

出典:Google Earth
条件不適土の仮置き場横を流れる万太郎沢川。
出典:Google map

万太郎沢川が注いでいる流渓川。
万太郎沢川が注ぐ本流の流渓川では自然産卵し、一生を終えたサケが見られる。川でふ化したサケの子どもたちへの影響が心配だ。

条件不適土の下部に敷いた「遮水シート」から流れ出したヒ素などの毒物は、濁水処理施設で処理するとある。しかし!機構がこれまで使用している「遮水シート」は、厚さが僅か1.5㎜の樹脂製なのである。でこぼこに尖った岩石が10mも20mもこのシートに積み上げられる。「遮水シート」の行く末は明らかである。

出典:Google Earth・独法鉄道建設運輸施設整備支援機構資料

南鶉工区からは、仮置き場まで約28kmある。ダンプカー20台が一日5往復で運搬するという。一日に、(5往復=20×5×2)200回も同じ場所(下のルート図)を通過するのである。運搬経路付近の保育所から幼稚園、小学校や高校の通学通園路、住宅地、農地、憩いの場(八郎潟や温泉など)が、猛毒であるヒ素の粉塵に包まれることになる。

条件不適土の運搬経路図
残土の搬送出入口は粉塵で真っ白だ。村山残土捨て場出入口。国道227号線。
全工区において、残土の搬送路は粉塵で真っ白になっている。こうした粉塵を搬送路周辺の人たちは、否応なく吸い込まされる。八雲町熱田。

北斗市、八雲町、長万部町、黒松内町の各工区からの残土の搬送路では、猛毒のヒ素やセレンが入った粉塵が舞い散っている。

搬送路の周辺に住む人たちは、この粉塵が、猛毒で汚染されたものであることを知っていただき、粉塵が舞い散らないように厳重な運搬をさせる必要があるだろう。

 

ヒ素・環境基準270倍超え!2年も隠蔽。

不都合な真実を隠し続けた「独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が、遂に認めた北海道新幹線トンネル残土の恐ろしい事実。機構は環境基準の270倍を超える溶出量の猛毒のヒ素が含まれる掘削土を2年も前から掘り出していながら、市民には教えず、知らせず、隠していたのである。

南鶉工区、天狗工区、台場山工区の3工区から出た「条件不適土」とは、ヒ素の含有量が84mg/kgで、ヒ素の溶出量は環境基準値0.01mg/Lを、なんと270倍も超える2.7mg/Lの残土であることを、市民に追究されて、ようやく認めた。

公表された天狗工区に山積みされたヒ素の量のうち、溶出量が環境基準をはるかに超えていてもヒ素含有量が<15mg/kgの残土の数値は公表されていないので、公表された数値のみを使用して算出したところ、ヒ素の全重量(最大値)= 867.25kg = 約0.87トンとなった。(ただし、残土1㎥=2.5tとし、ヒ素含有量は公表の最大値を使用)

驚くべき量である。ヒ素は空気に触れ、雨水にさらされると、僅か0.1gで人が死ぬ猛毒の「亜ヒ酸」になって流れ出す。ヒ素だけでも800万人以上が死ぬ量の猛毒のヒ素が天狗工区の狭い敷地に置かれているのだ

国道227号線沿いにある「天狗」工区。青いシートで覆われているのが、溶出量270倍のヒ素が含まれている掘削土の山。

※機構は、定量下限値(<15mg/kg)の場合はヒ素含有量は算出できないという。つまり、機構は捨てた残土が膨大であっても含まれるヒ素の全量を把握していない。捨てたヒ素の全量も分からないのに、安全だとする科学的な根拠は一体どこにあるというのだろうか…?

「改正案」とは言え、すでに、地下水へ流れ出す時には「0.01mg/L以下」になると記されている。

溶出量が環境基準をはるかに超える270倍のヒ素含有の残土の処分先も処分方法も決まっていないのに、公表された資料には「改正案」と記してはいるものの、出端から溶出量が「0.01mg/L以下」という環境基準値が示されている新幹線のためなら、人が麻痺しようが死のうが、農産物や海産物がどうなろうが知ったこっちゃないらしい。

「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」による現地調査。

機構が、2年も前から隠し続けた高濃度ヒ素を、公表せざるを得なくなった背景には、地場産業と郷土を守るために市民が声を上げ、「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」を立ち上げて活動を開始し、村山有害残土捨て場から環境基準の1.5倍を超える0.015mg/Lのヒ素が漏れ出ている事実を突き止めるなど、市民の関心が高く、追究したことにある。

同じく南鶉工区でも「条件不適土」の残土が、狭い工事敷地内から谷側へ崩れ落ちるように、無造作に積み上げられている。

夏には散水車で粉塵を流し、積雪期には粉塵ごと雪を谷側に押し出して捨てている。国道227号線の斜面の雪を真っ黒に染めた。黒い雪は、春には側溝に流れ出し、川に流れ込んだ。2年前、私たちが指摘していた黒い雪について、機構は無視し続けた。それから2年も垂れ流しは続き、2020年11月12日の北斗市議会の調査特別委員会で、機構担当者が工事を中断していることを報告した。

国道227号線沿い「南鶉」工区。雪を覆う黒い粉塵。
国道227号線沿い「南鶉」工区。雪は真っ黒だ。

機構は、北海道民を舐め切っている。これまで、まったく不愉快極まりない不誠実な対応ばかりして来た。専門家や数字、絵空事の資料を使っては、各自治の説明会などで平気で住民を騙し、結局のところ自治のトップと有益者だけで決済された事業が、この有様だ。ろくなことが無い。私たちの暮らし、郷土を守るには、地域住民のみんなで、しっかりと現場を見て、説明を求め、改善を求め、声を上げていくしか術はない

 

トンネル残土の搬入場で、高濃度のヒ素を検出。

函館近郊の北斗市は、北海道新幹線トンネル工事で発生する掘削土(残土)を近隣町からも受け入れている。環境基準超えの有害重金属含有の要対策土(有害残土)である。保管場所は、村山地区の国道227号線沿い砕石跡地。この下流側の砂泥から0.015mg/Lという環境基準1.5倍超えの高濃度のヒ素が検出された。

水を採水:2020年4月26日
砂泥を採取。この砂泥から高濃度のヒ素が検出された。:2020年4月26日

高濃度のヒ素が検出されたことから、分析調査を行った市民団体は、北海道民の生活環境を護る立場である渡島総合振興局に事実確認の調査を申し入れた。ところが振興局は、市民団体からの情報を、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構へ漏洩。機構は早々と分析調査を行い、「ヒ素は環境基準値以下だった」と公表。市民団体への聞き取りなど一切無いままにである。ヒ素を含んだ砂泥の採取場所すら聞こうともしない。だから逆に機構が調べた場所が何処なのか分からない。機構は市民団体の分析調査なんて相手にもしないという態度である。何より恐ろしいのは、この調査で周辺ではありえない高濃度のヒ素検出したことである。村山の要対策土保管場所からヒ素が漏れ出したことが示唆され、それを機構公式認めるかたちになった。

出典:北海道新聞(渡島・檜山版)・2020年8月25日
出典:北斗民報・2020年年9月号(9月6日発行)

ヒ素の環境基準値は0.01mg/L以下だが、機構の調査では、0.01mg/Lが2地点、0/008mg/Lが1地点あることが示された。他の地点はこの数値よりもず~っと低い数値だ。ヒ素0.01mg/Lの数値は、そもそも自然状態ではあり得ない高い数値と言える。

8月24日に開催された北斗市議会の調査特別委員会で、市側は市民団体の検査機関の分析方法は、機構のJIS規格の分析方法とは異なり、信憑性が無いとして一蹴したという。市民団体が分析を依頼したのは全国組織の農民連の検査機関であり、農民が安全・安心な農業生産を営むために検査を依頼している機関である。(0.015mg/Lという環境基準1.5倍超えの高濃度のヒ素が検出されたことから市側は都合の悪いデータを認めないようにする一心で、口にしてはいけない「農民連は信憑性が無い検査機関である」と市議会で思わずうっかり公言しちゃったのである。北斗市の農業者がよりどころにしている検査機関の信頼性を著しく損ねるものだ。

公務員は「国民全体の奉仕者」だ。北斗市民が支えている北斗市は、市民のために奉仕する行政機関だ。市は市民が生業にしている農業を護るのが職務の一つだ。それなのに、なぜ、農業者の生業を護ろうとしないのだろうか。公務員の基本に立ち返り北斗市民の生業を護るための奉仕に励んでいただきたいものだ。

村山の砕石跡地。鉄塔の下部に左右に白く広がっているのが有害残土。雨水や浸透水で崩壊している崖の直下に。有害残土は、まだまだ山積みされる。2020年4月26日

今ならまだ間に合う。市民の生業の農業を脅かす村山の有害残土捨て場について、北斗市は、保水能力の低い牧草地が広がる「きじひき高原」の直下で、雨水や浸透水による浸蝕により既に崩壊が拡大している場所が、本当に適切な場所なのか?科学的な裏付けに基づいた正しい判断がされたものか?情報を公にして、今一度、北斗市民と向き合い、互いに情報を持ち寄り、智恵を出し合って、見直しも含めた再検証を行っていただきたい。

 

 

トンネル排水の恐ろしい環境汚染が止まらない。

春の川には多くの魚たちがやって来る。濁水を川へ排水する北海道新幹線トンネル工事。有害重金属混じりの濁水をPACとアクリルアミドで処理し、その処理水に含まれる残留成分を放流水槽(沈澱水槽)で沈澱させて、その上水を川に流す。この処理法を怠れば、川も海も汚染させることになる。流域の環境汚染は、私たちの飲料水や海産物をも危険に曝す。

八雲町の「ルコツ工区」では、2017年に沈殿物を垂れ流していたことから、私たちの指摘を受けて、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は改善を行っている。

今はどうなっているのだろうか?2020年4月30日に現場を取材した。

北海道新幹線トンネル工事現場「ルコツ工区」からの排水口の周辺は白くなっていた。撮影2020年4月30日。

白いもやもやが漂う白濁した水が川に流れ込んでいた。この白い沈澱物は一体、どういうことなのか…?

排水は白濁し、川に流れ込んでいた。排水口の周辺は白い物質が堆積している。撮影:2020年4月30日。
排水口の周辺は白い物質が堆積し、長期間にわたり、流されていたことがわかる。撮影:2020年4月30日。

まただ!2017年と全く同じ、沈澱物を水中ポンプで吸い上げて川に排水をしていたのだ。有害重金属含有の沈殿物をである。

2017年と同様に、放流水槽(沈澱水槽)の底に沈澱させた沈澱物を水中ポンプで吸い上げて排水していた。撮影:2020年4月30日。
2017年に、改善の申し入れで増設された放流水槽(沈澱水槽)から排水されている。ところが、なんと、放流水槽(沈澱水槽)で沈澱させた沈澱物を水中ポンプで吸い上げて排水していたのだ。呆れるばかりだ。撮影:2020年4月30日。

有害重金属混じりの処理濁水を放流水槽(沈澱水槽)で沈澱させて、その上水を川に流すという改善を2017年に行い、放流水槽(沈澱水槽)を増設して配慮するという機構は、その約束を全く反故にした。沈澱した残留物をわざわざ水中ポンプで吸い上げて、川に流しているのだから、悪質極まりない。呆れた組織だ。

排水口の周辺は白い沈澱物で覆われていた。撮影:2020年4月30日。
排水と沈澱物を採取して分析する。撮影:2020年4月30日。

北海道新幹線工事の沿線の人たちは、こんな不誠実な現場があることをよく知ってほしい。

住民説明会では環境に配慮するといいながら、この有様なのだ。機構の説明は決して鵜呑みにしてはいけない。この現場が、「機構の説明は信じるな」と教えてくれている。

工事沿線地域の人たちは、常に現場を監視する目が必要だと自覚していただきたい。

2017年には放流水槽(沈澱水槽)の上水ではなく、沈澱させた沈澱物を吸い上げて川に排水していた。機構に改善を申し入れ、改善されたハズだったのだが…。撮影:2017年11月17日。

八雲町内だけでも11箇所でトンネル工事が行われ、それぞれに排水がされている。排水量は膨大だ。噴火湾では養殖ホタテ貝の斃死が問題になっている。北海道新幹線トンネル工事が始まり、排水が始まった頃と妙に符合するから気味が悪い。

指導的立場にある国土交通省および、道民の生活と安全を護る立場の北海道はこうした現場があることを知り、現場を監督し、徹底した指導を行って早急に改善をしていただきたい。そして、こうした公共事業は誰のためのものなのかを認識し、大いに反省していただきたい。

以下は2017年に残留物を吸い上げて排水していた記事。

新幹線トンネル工事の排水問題。その2

鉄道運輸機構の嘘。濁水処理は、見せかけだった。

 

トンネル残土の有害・無害の判別方法は?

今や、北海道新幹線の延伸が進むにつれて、トンネル掘削土の投棄場所や方法が問題になっている。その中でも、有害な重金属を含んでいる汚染土(機構用語「対策土」)と、そうでない土(「無対策土」)は、一体どうやって調べて選別しているのか?皆さんは、ご存知ですか?

このGoogle Earth写真の場所は、八雲町遊楽部川に注ぐ支流の「音名川」の扇状地である。川と川とが合流する扇状地は、地下水が豊富な場所だ。赤点線で囲ったところには窪地があり、いつも水が溜まっていた。

川と川が合流する扇状地は地下水豊富な場所だ。赤点線円のところに窪地があり、いつも水が溜まっていた。北海道新幹線の「新八雲駅」の正面にある。出典:Google Earth

地下水が浸みだして出来たこの窪地の水たまりをオオハクチョウやマガモなど水鳥たちが利用していた。

水溜まりで羽を休めているオオハクチョウ。撮影:2017年4月9日

ここに、北海道新幹線立岩工区のトンネル掘削土と、野田追(南)工区の掘削土が投棄されて埋められた。

オオハクチョウやマガモたちが羽を休めていた水たまりが掘削土で埋められてしまった。撮影:2019年2月7日

持ち込まれた掘削土に、有害重金属は含まれていないのだろうか?これが汚染土なら、地下水豊富な場所への投棄は土壌や地下水が汚染される懸念がある。

音名川と周辺の小高い山から流れ出す川水は、扇状地の地下へ浸透して、遊楽部川に湧き出している。こうした湧水の吹き出す川底にサケたちは産卵し、この湧水に我が子の命を託している。そして、遊楽部川の水が注ぐ噴火湾は、大規模なホタテ養殖場になっている。また、残土が投棄された扇状地帯では農家の人たちが、井戸水を生活用水に使用している。そうなると、この窪地に持ち込まれたトンネル掘削土が、有害な重金属を含んでいるかどうかは、重大な問題になる。

八雲町春日地区に立岩工区及び野田追(南)工区から掘削土が持ち込まれた。この掘削土は有害重金属が含有されているのか、いないのか…。撮影:2019年2月7日

八雲町は、「機構から無害(有害重金属は含まれていない)と聞いている」と言う。しかし、現場に投棄された掘削土を、見れば見るほどに疑問を感じてならない。それは、なぜか…?立岩工区から窪地に持ち込まれた「無害」な掘削土と、工区内で保管している「有害」な掘削土は、見た目は酷似しており素人目には区別がつかず、同じに見えるからだ。

下に「無害」と「有害」の写真を並べる。皆さんには違いが分かりますか…?

写真・左は立岩工区から春日の農地に持ち込まれた無害とされる掘削土。写真・右は立岩工区内に保管されている有害重金属含有掘削土。撮影:左・2019年1月25日:右・2019年2月17日

八雲町は有害・無害を区別する方法を確認したわけではない。「機構の第三者委員会の専門家が判断しているから問題は無い」と繰り返す。疑問を訴えても、機構の説明する「言葉」を右から左に伝えるだけで、同じ答えしか返ってこない。

では、機構は「有害」「無害」をどのように区別しているのだろうか…?住民説明会で配付された料資がある。

出典:機構提供の住民説明会用の資料

資料では、工事着手前に、トンネルのルートに沿って地上から垂直にボーリングし、「採取したコアを用いて重金属等の溶出量・含有量を調査します」と、説明が添えられている。

次の資料では、実際にトンネルを掘り進めながら掘削方向に100mごとに進行方向に水平にボーリングを行い、「コア」を採取して、有害重金属の含有の有無を判別することが示されている。

トンネル掘削前のボーリング調査図。出典:機構提供の住民説明会用の資料

二段構えで確認するという分かりやすい説明資料だ。しかし、ボーリングの大きさ”直径”は説明されていない。機構に説明を求めたところ、ボーリングの直径は僅か6.6cmであることが分かった。約80㎡もの広い掘削面積に、針の穴のような極めて小さな規模である。

針の穴のようなコアであることが分かるように、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資料に直径6.6cmのコアを入れてみた。

例え図に描くと、有害重金属含有の地層を外す可能性が極めて高いと分かる。トンネルの掘削面積に対してこんな小さなコアを抜き取って全体を判定しているというのだから、有害重金属含有の地層を外す可能性は拭えない。地層は均一な構造にはなっていない。地層中には断層もあり、物質も異なり複雑に混在し、地層の配置も重なりも単純ではない。

有害重金属含有の地層を外せば、100m区間の全部が有害重金属含有の無い地層と判断され、掘削土は無害として扱われる。そこで、機構に「有害重金属含有の地層を見落とすことがないのかどうか?」の説明を求めた。機構は、各トンネル工事現場には「地層を判別できる専門の職員」がおり、掘削面の地層を「目視」で「有害・無害の判別」をしていると言う。各トンネル工事現場には、地層を目で見て見分けることができる専門家がいると言うのである。

出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の住民説明会用の資料
出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の住民説明会用の資料

「有害・無害の判別は科学的な裏付けが無い」ということが分かった。職員個人が、目で見て判断するという恣意的な判断で決めているという信じられない恐ろしい話だ。

北海道新幹線トンネル工事にかかわる沿線市町村の住民の方たちは、科学的な裏付けが無いまま、有害・無害を判別した掘削土を市街地建物の地盤材や畑の嵩上げ、また、農地そのものに持ち込んでいることを知っていただきたい。科学的な裏付けのない判別なのだから、判断を誤れば、有害な重金属が紛れ込んだ掘削土を何らの対策をすることなく、機構が言う「無対策土」として投棄することになる。将来、汚染が確認された時には地下水や土壌に汚染が広がり、手に負えなくなる。

地下水は人間を含むすべての生きものたちの命の水である。農林水産業を支える水でもある。市町村の住民の生命・財産を守るのはその地の行政の役目だ。地域の産業を守るのも行政の仕事の筈。地元の行政の担当職員はその責任の重さを意識して、責任を持って、機構に対して科学的なデータの有無を確認し、裏付けのないものは拒否するくらいの断固たる姿勢で臨んでいただきたい。現状のように有害無害の判断を機構に丸投げにして、汚染が発覚した時には、機構という組織があるのかどうかすら分からない。つまりは責任の所在すら無くなっているかも知れない。

「汚染が発覚したら機構に補償してもらえばよい」という声も聞く。だが、重金属含有掘削土と汚染の影響の因果関係を証明することは時間と莫大な経費がかかるだけで、不可能と思った方がよい。因果関係が分かったとしても、対策や改善ができるかどうかも分からないだろう。その結果、憂き目に遭わされるのはその地で暮らす住民である。北海道新幹線の工事が遅れるから…などと言っている場合ではない。

北海道新幹線・野田追(南)工区から持ち込まれるトンネル掘削土。有害・無害の判別には、受け入れする側がしっかり確認する必要がある。

残土を投棄した後、芝やシロツメクサの種子をばらまいて植栽している。盛り付けた残土は重機で粉砕されているので、風雨・雪にさらされて効率よく土壌中に溶出していく。有害重金属含有の有無が曖昧のまま扇状地に投棄されたのだから、土中の有害成分が土壌に浸透して地下へと潜り込み、地下水に流れ込むかと思うと心配でならない。売り土地になっている場所もある。土地の所有者が変われば、管理の手は町から離れる。

芝やシロツメクサの種子を撒いている。
残土を盛り付けた上面の芝やシロツメクサの育ちは悪い。側面は残土が剥き出しのままだ。
植栽もままならず剥き出しのまま、残土を捨てた土地が売りに出されている。

住民の健康被害が出た場合、水産資源や農作物に影響が出た場合も因果関係を証明するのは住民、農漁業者側であり、莫大な費用と時間をかけて証明するのは至難の業だ。機構は、因果関係を被害者側が証明しない限り、責任は認めない。その時に機構の組織があるのかどうかすら分からない。こんな係争が起きないようにできるのは「今」しかない。今できることは、安全性の裏付けの無い掘削土の持ち込みは即刻中止させることだ。十分に時間をかけて、安全・安心が確保されるように有害・無害の判別を科学的に適性に行い、有害重金属含有掘削土は安全・安心が確保できる場所を選定して、汚染物質が土壌に浸透しないように完全に遮水した施設に保管し、常にモニタリングしながら未来永劫に保管し、万全の態勢を担保しておくことが必要だ。残土を受け入れる責任として自治体の長は、これを機構に申し入れ、未来永劫に保管・管理する責任の所在と対策を取るように機構に念書を書いてもらうぐらいは出来る筈であり、やるべきことである。

 

 

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