札幌市民の皆さん、有害重金属の行方が心配ですね…

新幹線の手稲トンネル予定地 土壌に有害な重金属 対策必要に

出典:北海道新聞web版

2017年6月14日の北海道新聞web版に図入りで報道された記事では、「2030年度開業予定の北海道新幹線札幌延伸の工事で、手稲トンネル(小樽市―札幌市手稲区、全長18・8キロ)予定地の土壌に有害な重金属が含まれ、一部で通常の掘削土と別の処分が必要になる可能性があることが分かった。同トンネルは17年度に着工予定で、建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構の北海道新幹線建設局(札幌)は、地元の札幌市と協力して管理候補地を探すなど対応を急ぐ方針だ。同建設局によると、08年度から複数回行った事前ボーリング調査で、岩盤・土壌から自然由来のヒ素や鉛、水銀などが検出されたケースがあった。普通の残土と分けて処理する「要対策土」が出る公算が大きいとみられる。」とされている。

この工事説明会が、本日、8月23日から9月初旬にかけて、開催されることになった。

この説明会で、札幌市民の人たちを前にして、トンネル工事で発生する掘削土に含まれる有害重金属の種類や量、処理方法(有害重金属残土の捨て場とその保管方法や汚染流出などの発生時の対応方法)、及び、有害重金属が含有される濁水処理方法などについて、どのようなことが明らかにされて、どのような対策が説明されるのか? また、濁水処理では影響が懸念される発がん性・毒性のある有機系凝集剤(PAC)が使用されるのか?どのような凝集剤が使用されるのか? こうした対策は人への影響を基準にしたものであり、北海道の基幹産業を支えている水産資源(生物)への「影響のあり・なし」については知見も乏しく、安全が確認されていないことばかりである。(過去の記事を参照ください)

機構は、説明会で「住民の質問に答える」と言っています。参加して一人でも多くの関心を示すことが、札幌の、北海道の暮らしと資源を護ることに繋がるのです。

 

山脚崩壊の危険が迫る国道230号線(無意根大橋隧道)

九州地方の豪雨災害で、川に面した斜面が次々に崩壊し、流れ出した土砂・流木が人命財産に及ぶ深刻な大災害をもたらせた。ここで、河川防災の専門家たちの言葉の使い分けが実に巧妙であることに憤る。

「深層崩壊」と、「山脚崩壊」である。

今回のニュースでは、「豪雨によって山斜面の地中深くに雨水が浸透して地表面を浮かせて滑りやすくなった為に、立木もろとも斜面がズリ落ちた「深層崩壊」という現象である」と説明をしている。これまで専門家たちは、川底が下がると川に面した山の斜面が「砂山くずし」のように崩れ落ちる「山脚崩壊」を説いてきた。しかし、それを防止する目的で治山ダムを次々に建設してきたが、そのダム自身が下流の河床を下げることになり、山脚崩壊を連鎖的に多発させ拡大する一途を辿っている。近年の豪雨で起きる災害の真相が次第に見えてきた。そこで専門家たちがあみ出した言葉が「深層崩壊」という言葉である。このまま「山脚崩壊」と解説した場合、河川の「河床低下」が問題視され、その原因を探ることになれば、これまで建設してきた「ダムの影響」が白日に曝されるからである。

2017年8月1日、豊平川上流で山が崩れるメカニズムについて考えさせられる景色が見えた。国道230号線の無意根大橋でトンネルの入口の基礎部が崩壊しているのが目にとまったのだ。

国道230号線・無意根大橋
国道230線の「無意根大橋」と隧道の入口
無意根大橋の隧道の入口。その下部は崩壊寸前。
写真上部の広場のように見えるところに大規模なダムがある。その下流の川岸は崩壊し、川底の浸食が進んだ為に、護岸工事や床固工事が何度も繰り返されてきた。

無意根大橋の上流側には巨大なダムがあり、その下流は川底が掘り下がり、川岸や山斜面が崩れる度に護岸工事が繰り返される。更に階段状にダムを造り、川底が浸食されないようにコンクリートブロックも敷き詰められている。上流にダムがある限りは、ダムの下流の川底の浸食は止まらない。

無意根大橋の下流側の両岸は、鋼鉄製の護岸に川底をコンクリートブロックで敷き詰めている。しかし、敷設後に更に川底が掘り下がり、コンクリートブロックは崩れ落ちている。隧道(トンネル)のある山斜面の下部は浸蝕されて今にも崩落しそうだ。

隧道が付けられた山の基礎が「砂山くずし」のように削られている。
コンクリートブロックを敷設した先では、河床が大きく低下し、ブロックは壊れていく。山裾が浸食されていることがわかる。

子どもの頃に遊んだ「砂山くずし」を思い起こしてほしい。砂山の砂を手で取り払うと、ドサッと砂山が崩れ落ちる。同様に山斜面の基礎を掘り進めばドサッと崩れ落ちることは目に見えている。大雨の洪水は川底を更に掘り下げ、山裾はより崩れやすくなり浸食の規模が拡大することは明白である。もしそうなった時、無意根大橋の隧道(トンネル)の山は、大規模に崩壊して、国道274号線と同じように深刻な災害が発生することになる。

無意根大橋の上流には、沢山のダムがあることが分かる。山脚崩壊の危機回避は、このダムを即刻撤去することである。出典:Google Earth

危険度は増している。即刻、ダムの撤去が必要だ。この写真にあるすべてのダムを撤去して、川底が掘り下がらないように砂利を供給するしかない。河川防災の専門家たちは、「深層崩壊」説を唱えて誤魔化すのではなく、自ずと推奨してきたダムの影響を認め、これまで奪われてきた人命に対して負うところは全くないと言い切れる防災を願いたい。