北海道南部の上ノ国町で「(仮称)宮越・湯ノ岱風力発電事業」計画。以下URLで縦覧できます。
法123_(仮称)宮越・湯ノ岱風力発電事業 – 環境生活部環境保全局環境政策課
(仮称)宮越・湯ノ岱風力発電事業 計画段階環境配慮書のあらまし
この風力発電事業地は、上ノ国町を流れる「天ノ川」流域で、複雑に入り組んだ支流の稜線部の保安林を悉く解除し、林床土壌を開削し、地形を変更して、高さ135m~214mの巨大風車を最大30基建設する計画であることから、当団体は、この風力発電事業の計画を中止し、撤退を求める意見書を提出した。


国が打ち出した再生エネルギー政策の一環なのだろうが、「20年間の固定買取価格制度」を見込んだ「他人の土地を利用しての金儲け事業」とわかるものだ。この20年間が終われば、撤退ありという事である。明確にSDG’sに反し、CO2削減機能を有した山林を根底から損なう「単なる山林荒らし」であり、CO2削減効果を台無しにする事業だといえる。
どこの事業者も相変わらず、バードストライクを避ける術は無く、希少猛禽類や日本固有の絶滅危惧種までが毀損される。開削される地は、林床土壌の水循環や栄養分によって支えられている植物相を失うばかりか、林床土壌に浸透した水が細流を作り、湿地をつくり、水たまりから河川に至るまでの、ニホンザリガニやエゾサンショウウオ、エゾアカガエル、魚類、水生生物など、多種多様な生物群を支えている仕組みを破壊するのである。この風力発電事業は、生物多様性保全を目的に作られた条例にも明らかに反するものである。
北海道はヒグマ対策として、ヒグマ生息圏と人里圏とのゾーニング化を政策として手がけているというのに、ヒグマ生息圏に深く入り込んで巨大風車建設を行うことは、ヒグマを生息圏から追い出し、ヒグマの行動を攪乱する行為であり、人身被害をも誘発する行為である。
この風力発電事業は、他ならぬ支離滅裂な再エネルギー事業である。他人の土地を利用しての金儲けそのものの事業と言わざるを得ない。こんなことが国策としてあってはならないことだ。断固として、撤退を求める。
意見書-01
意見書-02