新得町の土砂災害の元凶は、パンケシントク川の落差工だった。

昨年、2016年台風10号の降雨で、大量の土砂・流木が新得町市街地に流れ込んだ。JR橋の線路が垂れ下がり、国道を跨ぐ橋の取り付け部も流されて車が転落するなど甚大な被害が発生した。この災害をもたらせた土砂・流木は、一体どこから発生したのか知る為に、2017年5月20日にパンケシントク川を取材した。

①の落差工から著しい河床低下を起こしている。そこから下流に沿って河岸崩壊を連鎖的に起こした形跡が見られた。大量の土砂や流木は、ここから発生したことが分かる。

①から上流を見る。撮影:2017年5月20日
①の少し上流から下流方向を見る。撮影:2017年5月20日
①の落差工直下から河床が下がり、川岸が崩れて大量の土砂と流木が発生したことが分かる。撮影:2017年5月20日

①の落差工の直下から、下流は著しい河床低下が起きている。川岸は大きく崩壊し、ここから大量の土砂・流木が流れ出したことが分かる。下の写真は図の②の橋である。

②の橋脚には、ブロックが敷き詰められているので、根上がり(河床が下がり橋脚の基礎が剥き出しになること)していることが分かる。河床が下がっている為、川岸は「砂山くずし」のごとく、下部が抜かれて崩壊している。撮影:2017年5月20日
②の橋から下流は川底が下がり、連結コンクリートで護岸されたブロックは、基礎が抜かれて垂れ下がって壊れている。川岸は「砂山くずし」のように連鎖して崩れている。撮影:2017年5月20日
河床低下を起こすと、護岸・護床のコンクリートブロックは容易く剥ぎとられる。ガタガタに壊れたブロックは川岸を削り崩しながら、大量の土砂・流木を発生させる。撮影:2017年5月20日
河床低下は「砂山くずし」のように川岸の崩壊を拡大させ、土砂・流木を大量に発生させていることが分かる。撮影:2017年5月20日
川岸の崩壊、大量の土砂・流木の産出は河床低下が引き起こす。どの川にも共通した特徴であり、災害の元凶となる危険な兆候である。撮影:2017年5月20日
河床が低下した為に、川岸のコンクリート護岸の基礎が抜かれて、コンクリートブロックが垂れ下がっている。これは、ダムや堰の下流で起こる「河床低下」の共通した特徴だ。ダムが災害をもたらせると言えよう。撮影:2017年5月20日
河床低下の進行が止まらず、川岸の崩壊が拡大する。川岸は垂直な崖化し、かつ、川幅が広がって行くのが特徴だ。ここからも膨大な量の土砂・流木が発生したことが分かる。撮影:2017年5月20日
大量の土砂・流木が下流域の市街地に押し寄せ、大規模な災害を発生させた。撮影:2017年5月20日
橋の取り付け部の道路は崩壊し、車が転落して犠牲者が出た。撮影:2017年5月20日
JR橋の基礎を破壊し、線路が垂れ下がる被害を発生させた。2017年5月20日

パンケシントク川で起きている河床低下は深刻だ。➡川底が下がり続けている為、➡川岸の崩壊は連鎖しながら大量の土砂・流木を生みだしている。その原因となる河床低下は、落差工を起点にして発生している。つまり、落差工が下流のインフラに甚大な被害を与え、人命まで奪ったことになる。落差工は防災を目的に設置されるものだが、その後の川の仕組みは壊れ、豹変する。防災の言葉とは裏腹な反作用の恐ろしさを知るべきである。

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