昨年、2016年台風10号の降雨で、大量の土砂・流木が新得町市街地に流れ込んだ。JR橋の線路が垂れ下がり、国道を跨ぐ橋の取り付け部も流されて車が転落するなど甚大な被害が発生した。この災害をもたらせた土砂・流木は、一体どこから発生したのか知る為に、2017年5月20日にパンケシントク川を取材した。
①の落差工から著しい河床低下を起こしている。そこから下流に沿って河岸崩壊を連鎖的に起こした形跡が見られた。大量の土砂や流木は、ここから発生したことが分かる。
①の落差工の直下から、下流は著しい河床低下が起きている。川岸は大きく崩壊し、ここから大量の土砂・流木が流れ出したことが分かる。下の写真は図の②の橋である。
パンケシントク川で起きている河床低下は深刻だ。➡川底が下がり続けている為、➡川岸の崩壊は連鎖しながら大量の土砂・流木を生みだしている。その原因となる河床低下は、落差工を起点にして発生している。つまり、落差工が下流のインフラに甚大な被害を与え、人命まで奪ったことになる。落差工は防災を目的に設置されるものだが、その後の川の仕組みは壊れ、豹変する。防災の言葉とは裏腹な反作用の恐ろしさを知るべきである。