活動報告 : 2016年8月

函館建設管理部は、直ちに現場に急行し、対策せよ!

函館建設管理部は、直ちに現場に急行し、対策せよ!こんな現場を放置したまま、明日からの台風で泥を流出させれば、責任追及は免れないと覚悟せよ。

「砂蘭部川道単改修工事(特対)河道整正業務委託」事業による工事が始まり、本日、2016年8月29日に現場を取材。またしても泥水対策は無い。呆れたことに、川砂利を採取し、掘った池で砂利を洗っているのだ。これまで、何度も泥水を流さないように申し入れてきた。函館建設管理部が、河川工事の度に濁水処理を怠り、河川に泥を流す度にだ。

台風10号が明日襲来し、30日、31日は大雨となり、河川が増水することがテレビやラジオで繰り返し放送されている。それでもこの有様だ。函館建設管理部は直ちに現場に来て対策せよ!このまま、増水することが分かっていながら、泥を出すことは絶対に許されない。

2016-08-29-B・砂蘭部川の川砂利の採取現場-01
重機で川砂利を採取し、水が溜まった池で洗浄している。撮影:2016年8月29日
2016-08-29-B・砂蘭部川の川砂利の採取現場-02
川砂利を重機ですくい上げ、洗浄しているのだ。撮影:2016年8月29日

工事業者は、「川の流れのすぐ脇で砂利洗浄をするこの手法は、函館建設管理部八雲出張所の吉田明史主査の指導で行っている」と言う。

「増水したら、流れ出しますよね?」と聞くと、「流れ出すことは無い」と業者は言う。川面と洗浄池のレベルは同じ高さだ。雨で増水すれば、どうなるか一目瞭然である。

2016-08-29・加工済・砂蘭部川2号砂防ダム堆砂域で砂利採取・酷い濁り水・KAZ_0026
川砂利を掘って造った池の水で砂利を洗浄しているから、濃い泥水が溜まっている。周りには濁水処理施設は無い。業者は、「作業が終わったら、泥は吸い出す」という。処理する前に雨で川が増水したらどうなるのか…という想定が欠落している。撮影:2016年8月29日
河床に溜まっていた泥を洗浄して集めた池なので、大量の泥だ。周りを土嚢で囲っても無い。増水すれば、ひとたまりもなく流れ出す。撮影:2016年8月29日
河床に溜まっていた泥を洗浄して集めた池なので、大量の泥だ。周りを土嚢で囲っても無い。増水すれば、ひとたまりもなく流れ出す。撮影:2016年8月29日
水面と砂利洗浄池とは同レベルで、間に仕切りは無い。増水すれば洗浄池の泥は流れ出す。撮影:2016年8月29日
水面と砂利洗浄池とは同レベルで、間に仕切りは無い。増水すれば洗浄池の泥は流れ出す。撮影:2016年8月29日

これからの時期、サクラマスの産卵が始まるというのに、この有様だ。水産資源への配慮は、これっぽっちも無い。函館建設管理部は、遊楽部川のシシャモ、キュウリウオ、原種のアユをすでに絶滅させている。もはや資源枯渇が危惧されるサクラマスまで絶滅させるつもりなのか。

砂蘭部川改修工事には、魚類専門家の帰山雅秀氏、河川専門家の渡邊康玄教授(北見工業大学)や、柳井清治教授(石川県立大学)が、協議をするために函館建設管理部に雇われてきたが、現場は見にも来ないし、協議が終われば、後はどうなろうが知ったこっちゃない。あなた方が、工学のどんなに難しい話をしようが、現場がこれでは滑稽なだけである。函館建設管理部に上手く利用されていることの恥を知り、専門家や大学教授の肩書きに、泥を塗っていることを自覚されよ。

 

北海道新幹線トンネル工事で出る有害重金属掘削土の処理実態。2016年7月12日取材。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行っている北海道新幹線の延伸トンネル工事(八雲町立岩)では、掘り出した有害重金属を含む土を農家の地盤材としての有効利用を推奨し、サケの遡上する河川流域への持ち込みを進めていたが、土壌浸透による「地下水汚染」、「河川水汚染」、「沿岸海域汚染」を懸念した住民や漁業関係者たちの声により、工事現場の敷地から外へ持ち出せなくなった。

現在、敷地内には行き場を失った有害重金属含有の掘削土が、どんどん積み上げられている。2016年7月12日、機構の立ち会いの元、工事現場を視察取材した。

立岩トンネル工事現場(八雲町)
左奥がトンネル抗口。道路の左手には濁水処理施設(薬品・PAC凝集剤「神経毒」を使用)がある。その横に濁水再処理用の沈澱池が増設されている。右手の茶色の盛土が無害な掘削土。灰色が有害重金属を含有する掘削土である。立岩トンネル工事現場(八雲町)撮影:2016年7月12日
山積みされ続ける有害重金属を含有する掘削土。撮影:2016年7月12日
敷地に山積みのまま、持ち出せない重金属土。撮影:2016年7月12日
有害重金属含有の掘削土は工事現場敷地所狭しと積み上げられ続けている。撮影:2016年7月12日
重金属土は、敷地内にどんどん溜まり続けている。撮影:2016年7月12日
排水溝にはゴム製の遮水シートが敷かれたが、有害重金属含有の掘削土は防水シートの上にどんどん積み上げられている 撮影:2016年7月12日
重金属が溶出した雨水を流す側溝は、取材前は素掘りだったが、ゴム製の遮水シートが被されていた。この側溝に集まった浸透水は、雨水沈澱池に送られる。撮影:2016年7月12日
こちらは降雨時に敷地内で発生する濁水を処理する雨水沈澱池。撮影:2016年7月12日
雨水沈澱池。(敷地内の濁水をろ過する) 5つの区画に分けて順にろ過し、上澄みが排水されるようになっている。撮影:2016年7月12日

ろ過する役割であるヤシ繊維フィルターは、泥で目詰まりしたまま放置されていた。

2016-07-12・立岩トンネル工事現場敷地内の雨水沈
5つに仕切られた溜めますは、それぞれで濁水をろ過するためのバイオログフィルター(ヤシの繊維)で仕切ってある。バイオログフィルターは繊維が細かく目詰まりしやすく、すぐにろ過が出来なくなる。常時の監視と迅速な交換が必要なのだが、機構は、「交換した記憶がない」と言う。したがって濁水はろ過されることなく排水されていたということだ。撮影:2016年7月12日
雨水沈澱池周りには濁水が溢れ出したような痕跡が見られた。
雨水沈澱池周りは、濁水が溢れ出した痕跡が見られた。敷地内の濁水を処理するには沈澱池の規模が小さすぎる。このような所にこそ、予算を投入して万全な対策が必要であることを求めると、機構は「もっともです」と頷くが。沈殿池そのものさえ、機能していないのだから、濁水は無処理のまま、遊楽部川へ流れ出たことになる。撮影:2016年7月12日
有害重金属含有掘削土から雨水で溶出した水は沈殿槽に集められ、ホースで吸い上げて、PAC処理施設へ送られるようになっていた。撮影:2016年7月12日
重金属土から流れ出た濁水を、機能しない雨水沈澱池に流し込むのは、さすがに「まずい」と判断したのか、新たに沈殿槽を設置していた。ヤシのフィルターではろ過は限界。濁水はホースで吸い上げて、PAC処理施設へ送るようにしたという。しかし、これも規模が小さく、溢れ出すことに違いはない。撮影:2016年7月12日
PAC処理施設で濁水処理しきれなかった濁水を再処理するために仮置きする濁水沈澱池を設置した。撮影:2016年7月12日
想定外の敷地内の濁水まで処理する必要になったPAC凝集剤(神経毒)添加処理施設では、処理能力を超えた為、処理しきれなかった濁水を再処理する為の仮置き用の濁水沈澱池を新たに設置していた。撮影:2016年7月12日

機構は、立岩トンネル工事で発生する濁水処理の方法は、①トンネル坑内で発生する濁水は、PAC処理施設で処理後に遊楽部川へ排水する。②工事現場の敷地内で発生した濁水は、「雨水沈澱池」に集めて、バイオログフィルター(ヤシの繊維フィルター)で、濁水をろ過してから遊楽部川へ排水するという説明をしていた。

ところが、実際に取材で明らかに判ったことは、敷地内の足元はシルト状の泥が堆積し、乾土は埃りになって舞っていた。機構も交換した覚えがないという沈殿池のバイオログフィルターは、目詰まりして機能しておらず、それどころか「雨水沈殿池」は規模が小さすぎて、降雨の度に、「自ら水没」していたということだ。

重金属土から流出した濁水は、側溝から溢れ出した。急ごしらえの鋼鉄製の沈澱槽からも溢れ出した。濁水は未処理のまま、遊楽部川へ垂れ流されていた。そこで機構は、ポンプで、雨水沈澱池や鋼鉄製の沈澱槽からシルト状の泥を吸い上げてPAC凝集剤(神経毒)添加処理施設に送るようにしたと言う。しかし、PAC処理施設は敷地内の濁水や泥の処理を想定したものではない。現に、川に濁水が見られたときの排水は、雨水沈澱池からの排水だけで、PAC処理施設からの排水は無かった。一旦は施設に送り込んだものの、処理能力を超え、雨水沈澱池に戻されて排水していたということだ。そもそも敷地内に重金属土を仮置きすることなど想定していないから、今の事態に甘んじたまま、遊楽部川へ排水され続けていたことになる。

2016-03-17・加工済・北海道新幹線立岩トンネル工事現場からの濁水・KAZ_0057
このような濁水が排水されても、モニタリングはされていない。誰からも指摘を受けなければ、重金属土の濁水は、無処理のまま垂れ流しされ続ける。撮影:2016年3月17日
降雨時に何度も濃い濁り水が排水されていた 撮影:2016年7月2日
降雨の度に、酷く濁った水が遊楽部川へ排水されていた。 撮影:2016年7月2日

機構は年に2回、プラント施設でのPAC凝集剤添加処理後の排水を検査するとしている。これまで有害重金属が含まれるような排水は無かったと説明しているが、雨水沈澱池から排水される濁水についてはモニタリングしていない。

取材時に、雨水沈澱池に残っている濁水と、堆積した泥の成分について問い合わせたところ、濁水と堆積泥の成分が公表された。尚、当会が、2016年6月26日に下記の地点で採取した濁水の分析データも以下に添える。

●モザイク●2016-06-26・写真付き・北海道新幹線
雨水沈澱池からの排水される濁水を採取。撮影:2016年6月26日
立岩トンネル工事現場内の雨水沈澱池の成分表。上欄は濁水1リットルあたりの含有重量、下欄は雨水沈澱池に堆積した泥成分について1kgあたりの含有量を表示している。
立岩トンネル工事現場内の雨水沈澱池の成分表。上欄は濁水1リットルあたりの含有重量、下欄は雨水沈澱池に堆積した泥成分について1kgあたりの含有量を表示。(採水年月日が?になっているのは、採水した日を訪ねても機構が現時点で回答してない為)

機構は、有害重金属はPAC処理水からは検出されないとしていたが、各成分表から雨水沈澱池の濁水及び沈澱土質には有害重金属が含有していることが判明した。工事現場の敷地内に積み上げられているトンネル掘削土から、有害重金属が流出(溶出)していることは明らかである。

機構は、PAC処理施設に送っていた沈澱槽・池の濁水及び沈澱土質をモニタリング(分析)さえしていれば、検出した有害重金属の状況を把握でき、適切な対処が出来た筈である。頻繁に濁水が流れているというのに、年2回の採取で尚且つ、濁水の発生していない条件下で、PAC処理施設だけの排水を分析していた事が、いかに不備であったのか。機構の不適切な対応が浮き彫りになった。

当会は、プラントの設備計画当時から、トンネルで異常出水した際、この施設では規模が小さ過ぎるので、もっと大きな沈澱池を設けて対応するように申し入れていた。これに対して機構は、「国の基準に準じた施設であり、これ以上の規模の施設は、国の基準が不適切だということになり、国を説得することは出来ない」と回答している。しかし、今の現状を鑑みて、再度確認すると、「戸田建設が言ったことだ」と言い、工事請負業者JV責任者の戸田建設による根拠のない説明だと覆した。おかしな話である。計画当初、戸田建設は「機構の指導があれば対応できる」と言っていたのだから。

過日、この当会HPの新幹線トンネル工事関連ニュースをご覧になられた読者より、ご意見や資料を頂戴しましたので、了解のもと、一部記載します。

「記事に大変衝撃を受けました。北海道新幹線で皆様盛り上がっているように見えた裏ではこのような問題が起こっていたとは大変衝撃的でした」

「新幹線村山トンネル工区に於いても掘削された有害重金属を試験盛り土形成し下部からの溶出状況を確認している模様です(機構発注⇒コンサル受注;北大主導です)・羊蹄山・昆布・手稲等新幹線トンネルの殆どが有害重金属が含有され処分地(管理地)が決まっていないようです。(自治体に有害重金属が含むとも説明していない)」

東北新幹線工事では、八甲田山トンネル工事の際に出土した有害重金属含有の掘削土は、ゴム製の遮水シートを敷いた上に置き、完全管理型の保管施設に保管されているという。

では何故、北海道では本州と同じ扱いがされないのだろうか…?

防水シートを重ねた上に、土壌浸透防止のマットを敷いているだけである 撮影:2016年5月1日
北海道での重金属土の対策は、防水シートを重ねた上に、土壌浸透防止のマットを敷いているだけである。 撮影:2016年5月1日

新幹線トンネル工事から出る有害重金属土の扱いについて、北海道が委ねる専門家の言い分はこうだ。「土壌浸透させれば土中で土壌成分に有害重金属が吸着するので地下水や河川水への影響はない」…。

行政も道民も事業主体者、建設会社も、立場は違えど皆同じ「北海道に住む人」である筈。予算に相まった都合のよいことしか言えない(言わさない)専門家が何だと言うのだ。専門家の知見だの、国が決めたのどうのと言う前に、現場で果たせる責任は、自身の意識の中にあることだと問いかけよ。利権のない道民も、せめて自分の暮らす地域で起きているトンネル工事に不安や問題を感じたら、必要なことは、声を上げて意見を伝えるべき。北海道の大地に孔を開け膿を出したまま目を瞑っていては、己に、次代に、「しっぺ返し」を被る。侮ってはいけない。

北海道新幹線 最長トンネルさらに長く 工事計画変更

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は22日、2030年度完成を目指す北海道新幹線新函館北斗―札幌間の工事計画を一部変更すると発表した。国内最長の陸上トンネルとして工事中の渡島トンネル(北斗市―渡島管内八雲町)は村山トンネル(北斗市)と一体化され、全長32・7キロの長大トンネルとなる。地上駅で計画されていた倶知安駅(後志管内倶知安町)は地元の要望を受けて高架駅に変更する。

村山トンネルと渡島トンネルの間(約0・9キロ)は当初、橋と高架橋で結ぶ予定だった。しかし、坑口の地質がもろいことが分かり、線路の勾配を変更して両トンネルを1本につなぐこととした。渡島トンネルは、現在国内最長の東北新幹線八甲田トンネル(青森県)を15メートル上回る長さで計画されていたが、完成後は八甲田トンネルより6・2キロ長くなる。また後志管内ニセコ町と倶知安町にまたがる羊蹄トンネル(9・8キロ)は、地表面近くに位置を変更した。地下水脈を調べた結果、当初計画だと、農業用水の水源に影響が出る可能性が出てきたためだ。

 

道民納税者のお金を執行する重責を担う、北海道知事・高橋はるみ様へ

砂蘭部川の著しい河床低下の原因は、砂防ダムにあると認めていた函館建設管理部は、スリット化をする方向で、どのようにスリットするかを検討する「砂蘭部川河床低下対策検討委員会」を今から年前に設置した。ところが、当初はスリットの実現に向けて協議を重ねてきた筈が、いつの間にか「川底の被覆」という議論にすり替わることになる。実に長い長い年月をかけてのダムのスリット化実現の話は、河川管理者と専門家に巧みに軌道修正され、工事に着手したいがために委員会を閉会させたのである。河床低下の原因を除かずに、対症療法的に川底を被覆するのでは河床低下は止まらないと解っていながらである。

事業名「砂蘭部川道単改修工事(特対)河道整正業務委託」  発注者「函館建設管理部」

いよいよ税金のムダ遣い事業が始まった
いよいよ税金を川に捨てる川の工事が始まった。
やってみなければ解らない…そんな事業に血税が使われる。効果無いから血税はドブに捨てられる。こんな事業が現実に行われていることを知って欲しい。
「やってみなければ解らない」…そんな無責任な一言で血税が使われる。効果は無い事業だから血税はドブに捨てられるようなものだ。

河川管理者に「砂防ダムが原因して河床低下が進行している川で、川底を被覆して成功した事例があるのか?」と質問したが、答えは無い。河川の専門家として委員会に参加していた北見工業大学の渡邊康玄教授にも質問したが、「やってみなければ解らない」との答えが返ってきた。この教授は、委員会の席で「軟弱な河床に人工的な構造物を作ったら豪いことになる」と発言し、事例も示していた。被覆すればどうなるかを熟知している学者が、何故、今になって嘘をつかなければならなくなったのか?。こちらが異議を唱えても、教授はだんまりを通し、河川管理者もこれについて何も答えない。これはもう、管理者と専門家の典型的な癒着ではないか。かくして、この教授が「うまく行くかどうかの裏付けは無い」ことを認めているにもかかわらず、この事業が着手された。

この欺瞞はすでに川が暴いている。

川底を被覆をしても絶対にうまくいかないことを現場の川が証明している。下のスライドを見ていただきたい。

  • 2005年6月10日・砂蘭部川2号砂防ダム直下

川底をコンクリートブロックで「被覆」したが…砂防ダムによって砂利が止められている条件下では、ブロックで被覆しても基礎は浸食されて、ブロックはベコベコに壊れるのだ。つまり、砂防ダムの影響が及んでいる下流域で、どんなに川底を被覆してもダムの作用を残したままでは、川底の浸食を防ぐことは不可能である。そればかりではない。ブロックで被覆された下流域では、川底の浸食を防いでいた自然石までもが、すっかり流される。

現場が示すように、河床低下を進行させるばかりか、むしろ、事態を悪化させる全く馬鹿げた事業である。浸食を防ぐことは出来ないことを事前に解っていて、あえて被覆するこの事業は着手前から血税のムダ遣いであることが明らかである。知って知らぬ、見て見ぬ振りをしている河川管理者と専門家は道民の血税を何だと思っているのか。委員として協議に参加させていた道民を欺き、目先の事業を着手させた函館建設管理部は、「北海道の川づくり基本計画」注:①及び「水産資源保護法」注:②にも反する重大な責任問題を起こしているという認識がない。そもそも、砂防ダムを建設したことで、砂利を失い、川底が浸食され、災害が多発するようになったことで、ダムをスリット化する協議会を発足させたのは、函館建設管理部そのものである。

納税者のお金を執行する北海道知事は、このスライドを見て、効果が期待できず、税金のムダ遣いとなるこの事業を即刻見直していただきたい。砂利を止めている既存の2つの砂防ダムを、即時スリット化して下流へ砂利を供給させることが唯一の対処法なのです。血税を投入し、「やってみなければ解らない」といった事業を生み出すだけの負の工作物を作ろうとする河川管理者の判断の誤りを是正していただきますよう、ご英断をください。

砂防ダムで留められているから、砂利が流れて来ないというのに、その下流途中に川底を被覆すれば、そこで更に砂利を止めることになる。その下流は更なる砂利不足になるのは明らかである。下流域では農地が崩壊し、町道が崩壊し、道道(八雲・今金線)の橋が危険に曝される事態になっているというのに、砂利を止めようというのだ。まるで河床低下を促進させる呆れた事業である。砂防ダム建設で生み出した”自作自演”の事業を、反省もなく再び、今、繰り返そうとしている。ムダな公共事業のお手本とも言える典型的な事業である。

高台の農地が崩落したのに、専門家らはこの原因を説明もしていないのだ。
高台の農地が崩落した現場を見ても、専門家たちはこの原因を反故にしたまま説明もしない。

町道崩壊など生命財産に及ぶ災害が多発していることに、委員会協議で専門家たちは全く触れない。地域住民の暮らし、生命財産よりも工事を行うことが目的でしかない。

この対策工事で成功した事例は無し。北見工業大学・渡邊康玄教授が「やってみなければ解らない」と言い切った。つまりは、黒いものには触れさせず、無審議で実施する馬鹿げた事業なのである。「”黒いものを白い”と多数決で決める」現在の民主主義的で善良な委員会で採択されたものである。そして、その委員会を設置したのが函館建設管理部である。

どの地域でも、あたかも住民を護るかのような説明をして行われる河川事業。実は、「川の仕組み」を理解すれば、巧みな自作自演型の事業であることが見えてきます。河川流域の近くに住む人、釣りをする人、川や氾濫原・河畔林にやって来る鳥を、植物を、自然を愛でる人も、その環境が失われないように、あなたが大切に思っている、その川をよく見て知っていただきたいと思います。

 

注:①「北海道の川づくり基本計画」 河川は、水鳥や水生動植物の生息・生育地として重要であるばかりでなく、人々がレクリエーションを通じて安らぐ場でもあります。北海道らしい豊かな自然をもった川を、次代に引き継ぐために策定される。具体的には、道民をはじめ、他の機関との連携のもとに、河川を横断している施設への魚道の設置や改善など、河道の連続性を確保するとともに、河畔に植生を施すことや自然に近い河岸づくりに努め、動植物の多様性の高まる川づくりを進めます。~平成22年7月制定:北海道生物多様性保全計画より抜粋。

注:②「水産資源保護法」 水産動物の採捕の禁止措置や工作物の設置を制限することにより、水産動物の保護培養に適した河川の保全にも努めます。~同、抜粋。

 

 

沙流川の今。2016年7月29日

清流であった沙流川のアイヌの聖地を水没させた違法ダム「二風谷ダム」。ダムは満杯に泥で埋まっている。国の膨大な予算を使って計画された当時の役割を、完全に失っているダムである。

雨が降る度に、沙流川は泥水が流れ、今なおダムは泥を溜め続けている。

二風谷ダム流れ込みには貯砂ダムがあり、橋が架かっている。その橋の上から上流を見た。左が沙流川本流、右が支流の額平川である。額平川は平取ダムが建設中である。
二風谷ダム流れ込みには貯砂ダムがあり、橋が架かっている。その橋の上から上流を見る。左が沙流川本流、右が支流の額平川。額平川の上流では平取ダムが建設中である。
貯砂ダム(堰)を越えて流れ込むひどい泥水
貯砂ダム(堰)を越えて、二風谷ダムに流れ込む酷い泥水。
貯砂ダムを越えて二風谷ダムに流れ込むひどい泥水
貯砂ダムを越えて二風谷ダムに流れ込む酷い泥水。

二風谷ダムは膨大な泥を溜め込んで埋まっている。繁茂したヤナギが陸地化していることを教えてくれている。

ほどんと泥で埋まった二風谷ダムの淡水域。ヤナギが繁茂しているのは浅くなっている証拠だ。巨大なダムなのに、あり得ない光景なのである。もはや、治水能力を失ったダムなのだ。
泥で埋まった二風谷ダムの淡水域。ヤナギが繁茂しているのは浅くなっている証拠。巨大なダムなのだが、あり得ない異常な光景である。もはや、治水能力を失ったダムなのだ。

こうして溜まった泥は、極々微細な為に、濁りはなかなか治まらない。ダムの下流域から河口まで泥を被せ、沿岸域まで埋め尽くしている。

清流・沙流川は、鵡川と並んでシシャモの繁殖河川である。この状況で繁殖が出来る筈もない。昨年、かつてないほどの不漁だったという。年々減少し、さらに資源が危機的な状況になっている原因は、この泥水にあり、その泥水を生み出しているのがダムである。専門家たちが、それに全く触れないのは何故なのか、不思議でならない。

そして、支流の額平川には、新たに「平取ダム」が建設中である。

額平川の支流宿主別川の橋の上から平取ダム建設現場を見る。正面の山が神聖な山「チノミシリ」である。
現在、建設中の平取ダムの上流。(額平川の支流・宿主別川の橋上から平取ダム建設現場を見る)正面の山が、神聖な山「チノミシリ」である。そして、この豊かな流域一帯は、水没する運命を辿る。

平取ダム建設中の額平川も、そこへ合流する宿主別川もご覧のように酷い泥水となっている。これでは、清流・沙流川は更に酷い泥川にされてしまう。沙流川からシシャモの姿が消えるカウントダウンが始まった。

正面の山はアイヌの祈りの場といわれる神聖な山「チノミシリ」である。チノミシリに「穴を穿ち、ダム堤体を取り付け、麓を水没させる」平取ダム。

チノミシリの神の胸は、剥がされて杭を打たれた。
チノミシリの神の胸は、剥がされて杭を打たれた。
神が宿る山、チノミシリに群がる魔の手。
神が宿る山、チノミシリに群がる魔の手。現代人の英知の手?
ダム建設でチノミシリに穴を穿つ代替として、アイヌに贈られた神聖?な看板。
ダム建設でチノミシリに穴を穿つ代替として、祈りの象徴の替わりとして、アイヌに贈られた神聖?な看板。
神聖な山「チノミシリ」が崩れていた。平取ダムが完成すれば、さらに山は崩れることだろう。
神聖な山「チノミシリ」が崩れていく。平取ダムが完成すれば、貯水水域が山裾を浸食し、山は崩れ続け、ダムは瞬く間に土砂で埋まる。埋まれば、また上流にダムを造るとでも?負の連鎖は止まらない。

額平川、宿主別川の酷い泥水は、降雨の度に土砂や流木が後を絶たずして沙流川へと流れ下っている。確かに 平取ダムが完成すれば、その土砂・流木をダムが溜め込む。しかし、それは、瞬く間に膨大な量となり、土砂で埋まり、流木が押し寄せ、雨が降らずとも常に下流域一帯を泥川にさせてしまう。そして、大型台風で起こった大災害を招きかねない。あの二風谷ダムと同じように。

泥流と共に放流口に押し寄せた夥しい量の流木で、放水量が絞られ、二風谷ダムは決壊の危機に直面していたのだろう。これだけの流木が押し寄せれば、放流量を知ることも、ゲート操作も不能の状況にあったのだろう。撮影:2003年8月11日
二風谷ダム。泥流と共に、放流口に押し寄せた夥しい量の流木。放水量が絞られて、湛水域の水位が上昇し、二風谷ダムは決壊の危機に直面した。これだけの流木が押し寄せれば、放水量を知ることは出来ず、放水のゲート操作も不能となることを知る。撮影:2003年8月11日。

ダム下流に平取水位観測所があり、この時の水位は放水量に見合う水位よりも低い値を示していたのだ。驚いたことに、その後、北海道開発局は「計算式が間違っていた」として計算式を変更したのである。そして、二風谷ダムを護るために、下流の住宅は水没したままにされていたのだ。ダムは百害あって一利無し。映像をご覧ください。

二風谷ダムから放流し、水位が上昇しているのに、水門が開け放たれていた。逆流して民家は飲み込まれ、大量の泥を被る甚大な被害を受けた。撮影:2003年8月11日
二風谷ダムは、放水し水位が上昇しているのに、水門が開け放たれていた。放流水は水門から逆流して民家は飲み込まれ、大量の泥を被る甚大な被害を受けた。生命財産を護る筈のダムが、ダムを護る目的の放水を行い、下流の住宅が洪水に飲み込まれ、生命、財産の危機に陥り、住民は逃げ惑うことになったのである。撮影:2003年8月11日。
建設中の平取ダム付近にも大量の土砂が押し寄せ、重機を泥で埋めた。重機を埋めるほどの土砂の量は尋常ではない。撮影:2003年8月12日
現在、建設中の平取ダム付近にも大量の土砂が押し寄せ、重機を泥で埋めた。重機を埋めるほどの土砂の量は尋常ではない。降雨の度に、今でも膨大な土砂が流れてきている。撮影:2003年8月12日。

国土交通省及び北海道開発局(室蘭開発建設部)は、完成後、たった5年で満砂になった二風谷ダムに、これ以上、泥を溜め込まさない為に、上流で平取ダムの建設を進めている。しかし、ダムが完成した後の巨大ダムが引き起こす泥と流木の発生メカニズムは把握しているのだろうか?二風谷ダムの教訓は活かされているのだろうか?

そして、何よりアイヌ民族の暮らし、文化、沙流川流域で暮らす人、シシャモ漁師、次代への自然、資源を支えてきた清流・沙流川の「過去」も、「現在」も、「未来」も、失うことになる。平取ダムが抱えている事の重大さを、冷静に、真摯に現場に向き合い、今一度、振り返って考えていただきたい。

 

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