「ヘア・トラップ」調査で誘引されるヒグマに遭遇する危険大!

6月1日に川釣りが解禁となりました。流域奥深く入られる方もおられることでしょう。

そこで、知っておいていただきたいのが、ヒグマの「ヘア・トラップ」調査です。エゾシカ肉、サケの切り身、芳香剤のクレオソートなどの「誘引物」で、ヒグマをおびき出して、体毛を採取する「ヘア・トラップ」調査を道内で大規模に展開している事実です。

当会HPの記事でも「ヘアトラップ調査の実態」で注意喚起していますが、「北海道昆虫同好会」さんのブログに、以下のように危惧が掲載されています。是非、ご一読されてください。

 

リンゴトラップのヒグマ版、危険です。北海道で人知れず行われるヘアトラップ 法による恐ろしいヒグマ調査。人間とヒグマの接近遭遇が激増し人身事故の恐れ。

2024-05-04 20:42:56 | 蝶・昆虫・自然・同好会など

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リンゴトラップのヒグマ版、危険です。北海道で人知れず行われるヘアトラップ 法による恐ろしいヒグマ調査。人間とヒグマの接近遭遇が激増し人身事故の恐れ。

ヘアトラップ法 は近年、世界的にヒグマなどの実数調査、生態研究などに広く行われているようで、いわゆるヒグマ研究者たちや環境省などは それをそっくりまねた形で日本に導入したようです。しかし、ヘアトラップ法が行われる舞台は北欧、ロシア、アラスカ、カナダなど人口希薄なきわめて広大な地域であり、人間の行動圏とヒグマの生息圏がオーバーラップしている、やたらとせまい北海道とはまったくことなることが考えられます。

この際、ヒグマを引き寄せるために、例えばシャネルの6番 などと呼ばれる揮発性の誘引物質カクテルをトラップ設置場所に大量に(1.5Lほど) ドボドボと撒きます。わが国ではヒグマが大いに好むクレオソートなどを使用しているという噂ですが実際のところは不明です。これら香水? はもしかするとヒグマの健康上、良からぬものかも知れません。たとえば石炭クレオソートは人間に対しては発がん性のある物質を含み、健康を害する恐れがあるとされています。

クレオソートには2種があり、医薬品として家庭常備薬として有名な正露丸の主成分である木(もく)クレオソートと枕木、電柱などの防腐剤として使用されてきた石炭クレオソートがある。ヒグマの嗅覚は両者を区別できるだろうか。正露丸は胃腸の調子が悪いとき何はともあれ正露丸といった軽いのりで日本人に人気の家庭常備薬のようなものです。このクレオソートに強いヒグマ誘引作用があるとすれば、ヒグマによる人身事故とクレオソート( この場合は木クレオソート:正露丸 )の使用、ないし携行の関係はとても興味がありますね。

ヒグマが大好きなこの香水? は数Km 先まで臭いが届くそうでとても広い範囲に住むヒグマたちをヘアトラップへ誘引・誘導します。私が問題視するのは、このヒグマ誘引揮発性カクテルの威力です。

例えて言えば、従来、滅多に採集する機会がなかった美麗蝶オオイチモンジを強力に誘因し、従来の採集法では考えられないほどの大量採集を可能にしたリンゴトラップ(腐敗させたリンゴ液を主成分とする)液のヒグマ版と言って良いでしょう。

ヒグマ誘引揮発性カクテルの威力でやってきたヒグマは一心不乱に匂いをかぎ、酔いしれている状況がビデオで紹介されています。ヘアトラップ に張り巡らせた有刺鉄線にヒグマの体毛が引っかかり、ヒグマを傷つけることなくDNA サンプルを得ることができるというわけです。この際、ヒグマ君の安全にはとても配慮が行き届いていますが、たまたま近くに居合わせる状況になるかも知れない人間に関しては、どのような事態が起きるかについては研究者たちは全く興味がないようです。

年中北海道の山奥に入る私はたまたま近くにヘアトラップに撒かれたカクテルに誘引されたヒグマ君がいて、そいつとばったり会ってしまう人間になりそうな強い予感を感じます。

ヘアトラップ でのサンプル収集を競い合う研究者たちは、どの方法が最も効率的かといった論文発表にしのぎを削っているようです。

功を競っている様子はとても熱心で好ましく見えますが、この方法による思わぬ人身事故を考慮しているものはありません。

ヘアトラップ に誘引されたヒグマが人間と遭遇する機会が増えたり、さらには人身事故を起こしたなどといった海外での報告や記載はネットレベルで見た限りでは見つかりませんでした。また、そのような事故を想定したり、その対策について述べているものもないようです。

これは私の想像ですが、恐らく海外でのヘアトラップ 研究の舞台は、国土が狭い我が日本(北海道) とは違って、桁違いに広い人口希薄地帯なのではないでしょうか。

道南や宗谷地方などでの実際のヘアトラップ 設置状況を見ると、恐らく渓流沿いの林道や登山道などに沿った形でしかもかなり密集した形で設置されています。そこにヒグマが誘引されると人間とヒグマの思いがけない接近遭遇事件が起こらないのが不思議といった気がします。

そういった視点で北海道におけるヘアトラップ設置 と近年多発するヒグマとの思いがけない接近遭遇や予想外の場所でのヒグマ人身事故との関連を再検討して見ると興味深い結果がでるかも知れません。

ヒグマは視力は弱い反面、嗅覚はとても発達した生き物といわれます。そのためヒグマ誘引揮発性カクテルの威力は数Kmにもおよぶことを考えると、登山道や渓流などから少なくとも数Kmの距離をおいてヘアトラップを設置しなければ入山者の安全は保てないとおもいますが、そんな面倒なことは実際には行われないでしょうし、ヘアトラップ設置を実際に請け負う業者さんたちの作業能力を超えているでしょう。

環境省、というより たまたまこの案件を担当する羽目になった数人の職員のかた は 誘引のために お肉や食べ物など を使っているわけでは無いので 餌づけをしているわけでは無い そこに定着するヒグマはいない などとうそぶいて 言葉のお遊び をしているようですが物事の本質がまったくわかっていないようですね。これはお肉など食べ物による餌づけより はるかに危険 であり、狭いわが国におけるヒグマ調査研究には適していない方法である可能性が高いと感じるのは私だけでしょうか??。

3月2日、自然公園法の改正案が閣議決定されました。改正案では国立公園や国定公園で、ヒグマやキツネ、野鳥などの野生動物へのエサやりを禁止し、管理者などの指示に従わない場合は30万円以下の罰金を科す となっています。エサやりよりも遙かに悪質なヘアトラップ法 をまさか国立公園・国定公園内では行ってはいないと推定しますが、当然、それ以外の地域で行ってもよいはずはありません。

ヘアトラップ の密集設置で、ふだんならそこにいないはずのヒグマが誘引され、登山客、山菜採り、渓流釣り師、昆虫採集家、植物愛好家、野鳥愛好家、森林管理、林業関係、シカ撃ちハンター、その他種々の理由で、入山する人々が、思いもかけなかったヒグマとの接近遭遇をきたす危険性が爆発的に高まることは容易に想像できます。

今までのところヘアトラップが原因になった人身事故や接近遭遇の報告はなかった( というより、今のところ、そのような発想は皆さんや研究者の頭にはないと思う。) から大丈夫などといったゴクラクトンボ的な発想とは別次元の問題です。

私自身はオショロコマ調査やチョウの採集などでヒグマの生息域奥深く入ることが多いのですが、この恐ろしいヘアトラップ のことを知ってからは、行動範囲を縮小せざるをえないかも知れません。

私が知らなかったくらいですから、いくら環境省などがヘアトラップにつき周知徹底をはかっているなどと優等生役人的なことを言ったところで、一般の方々はこの怖ろしいヘアトラップ の実態を知る機会はきわめて稀ではないかと推測します。

また、一方的にヘアトラップを設置するから今年は入山はご遠慮下さいとも言えないでしょう。

新しいオショロコマ生息渓流を見つけて狂喜するのはいいが、近くに人知れず設置してあったヘアトラップ に寄ってきたヒグマ君が 悪いヒグマ だったら私の命運は尽きることになります。何しろ シャネルの6番 は数Km先のヒグマを誘引できるのですから。

北海道で現在おこなわれているヘアトラップ法につきお知りになりたいかたはとても詳細にまとめられた労作がありますのでぜひご参照下さい。

なお、私は北海道のヒグマにはよく遭遇しますし、とても興味をもっており、近年のヒグマ目撃例増加や人身事故は、単純にヒグマの個体数が許容範囲を超えて増えただけとのスタンスをとってきました。いわゆるヒグマ専門家の方々の色々のご意見はすべて付随的なもので本質とはかけはなれたものであると考えてきました。最近、やっとみなさんもそれがわかってきたようで 駆除による個体数調整へ趨勢がシフトしてきたことはみなさんご存じのことと思います。ただ、このヘアトラップ法が肝心のところを伏せる形で実際的には密やかに行われてきたことを最近知り、個人的には怒りを覚えています。ヘアトラップに寄ってきたヒグマのせいで無念の最後をとげるのだけはご勘弁を…..といった心境です。

興味をもった事象や物質にはとことん執着するヒグマの生態が、ヘアトラップ法により強く影響をうけるであろうことは一般の素人でも容易に想像できます。ヘアトラップ法がヒグマの生態系に影響をあたえる( たとえばクレオソートや類似揮発性物質をもとめて人間の生活圏に近寄りはじめるなど ) 危険が排除できないうちは、研究者たちにとっては悪魔的魅力があるヘアトラップ法とはいえ、すぐにでも中止すべきと考えます。