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トンネルで出水!日本最長32㎞「渡島トンネル」工事現場

北海道新幹線札幌へ延伸工事中の日本最長32kmの「渡島トンネル」北斗市側の「台場山工区」で、2022年3月17日から大量の湧水と土砂がトンネル内に流れ込み、工事を一時中断。工事再開の見通しは立っていない。

発生したのは17日で、公表されたのは22日。報道は23日である。

出典:2022年3月23日付北海道新聞。

下記の「Response.」さんのwebには現場の写真が添えられ、さらに詳しく掲載されている。https://news.yahoo.co.jp/articles/3135baed05c597f142c6af2320a1190e75de8764

川は、橋で渡るものだと思っている人が多いだろうが、この土砂流入区間は新幹線を、2級河川・大野川の下を走らせる工事だ。当初は、北斗駅から村山トンネルを抜けて、大野川を橋で渡ってから渡島トンネルに入る計画だったが、急遽、村山から直にトンネルを掘り下げ、大野川の地下50mほどのところを通り抜ける日本一長大な「渡島トンネル」に変更された。そのトンネルに湧水が流れ込んだのであれば、大野川本川からの出水も否定できない。小沢からの出水であれば、小沢の水が涸れる可能性もあり得る。

出典:Response:資料提供:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
台場山工区の地層図。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資料(色加工)
渡島トンネル内の湧水出水と土砂の流入現場・出典:Response:写真提供:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(トリミング加工)

こうしたトンネル工事では、水脈を切ることが度々発生する。東北新幹線工事では宮城県二本松で集落の水源が涸れている。九州新幹線工事では田畑の水源の水が涸れた。本州の屋台骨をくり抜くリニア新幹線トンネル工事では富士川の水量への影響が懸念され、議論が続いている。

危惧するのは、工事現場で発生している不都合な情報の公表が遅れたり、隠蔽されることだ。北海道新幹線の工事主体である独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、極めて不誠実な組織である。北斗市では溶出量が国の基準を270倍も超えるヒ素含有の有害なトンネル工事掘削土の存在を2年間も地元議会に報告せず、八雲町では、溶出量が国の基準の130倍超えのヒ素含有土を掘り出していながら、機構と役場が結託して、地元町議会には溶出量が国の基準の14倍のヒ素含有土であると、虚偽資料を提出している。いかに機構が地方行政を軽視しているかが伺える。不都合な真実は教えない、知らせない。嘘も平気のへのかっぱである。

この真っ黒な紙は、八雲町役場所蔵の公文書を開示請求した町民に対し、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、役場に黒塗り開示にするように指示した公文書である。

溶出基準が国の環境基準を遙かに超えるヒ素などを含有した掘削土の捨て場について、機構と取り交わした町所蔵の協定書に関する文書を、町役場に開示請求したところ、機構の指示で黒塗り開示。2022年4月4日現在、不服審査請求を受けて審査が続いている。

2004年の中越地震では上越新幹線で10両編成車両のうち8両(80%)が脱線、2022年3月16日の震度6強の地震では、東北新幹線で17両編成車両のうち16両(94%)が脱線。しかし、北海道新幹線は、これまでと訳が違う「もぐら新幹線」である。日本最長32kmの「渡島トンネル」内で脱線したらどうなるのだろう…?火災が重なったら…?出水したら…?厳冬期に山間部豪雪の中、脱出した乗客の生命は…?その日本最長のトンネル工事を担っている機構が、こんな真っ黒な闇体質なのかとわかると、一層不安だらけにさせられる。

北海道新幹線のトンネルの途中には水脈は勿論、活断層もある。それをトンネルでぶち抜いているわけだが、地層を動かす「地球の力」に耐えられるのだろうか?工事沿線の環境汚染ばかりか、乗客の安全の担保も危ぶまれてならない。そんなことより、何が何でも一刻も早く札幌まで北海道新幹線を開通させることだけにご邁進のようだ。機構の「節穴」で掘られる穴で…だ。

北海道新幹線トンネル工事付近で見られる褶曲・断層(遊楽部川・八雲町)。大地をぐにゃりとねじ曲げる強大な地球の力を示している(八雲町)。
北海道新幹線トンネル工事付近で見られる断層(遊楽部川・八雲町)。地面を垂直にぶった切る強大な地球の力を示している(八雲町)。
北海道新幹線立岩トンネル脇の活断層の露頭(立岩・八雲町)。

 

 

ヒグマ対策について北海道知事に質問書を提出

「北海道の羆問題を考える会」(共同代表:門﨑允昭ほか)は、3月24日に、北海道知事・鈴木直道氏宛に、北海道のヒグマ対策(管理計画)についての疑問8項目の質問書を提出した。

ヒグマは学習能力があり、”しつけ”が可能な動物である。ヒグマの出没情報を得た時点で、迅速に出没経路を特定することに専念し、間髪を入れずに出没経路を電気柵で封鎖することを繰り返し行い、ヒグマに「そこから先には立ち入れない」ことを学習させればよいことだ。ところが、このヒグマ管理計画は、研究者が芳香剤でヒグマを誘引してビデオ撮影することや、餌でおびき出しての体毛採取によるDNA分析、また、AI技術最新のICT技術を導入することとなっている。これらのすべては、つまりは、研究者たちのデータ収集であり、調査研究を目的としたもので、出没抑止対策とは全くの無関係な構成なのである。このような管理計画では、今後もヒグマ出没騒ぎは繰り返される。

北海道には、33年間のヒグマ対策の実績がありながら、出没抑止対策がいまだ確立されておらず、ヒグマの出没が繰り返されている。この現状を、ヒグマの生息頭数の増加に原因があると責任を転嫁しており、生息頭数を減らすために、あろうことか捕殺頭数を増大させる計画にしているのだ。

この「捕殺頭数を増大させる計画」とはどういうものか?…生息頭数が減れば出没確率(頻度)は下がる…当然である。出没確率(頻度)が下がれば、莫大な予算のほとんどを研究データの収集用に確保していても、「現に、出没確率(頻度)が下がった」と、批判をかわす「見せかけ」の効果を狙うことができる。それはまた、人目を忍び、人に関わらないように、健気に生きている無実のヒグマたちの大量殺戮劇を示唆する。

堂々とした風格の黒兵衛。私たちに道を譲り、無用なトラブルを避ける賢いヒグマだ。ヒグマ研究者よ、ヒグマは神々しく崇めるに等しい動物だということを忘れるなかれ…!

ヒグマは、知れば知るほどに賢い動物だ。むやみやたらに殺してよい動物ではない。ハイテク機器を駆使することに邁進し、ヒグマの観察を疎かにしている専門家・研究者達にはそうしたヒグマたちの健気に生きる姿が理解できるはずもない。まるでゲーム感覚で、機械的に次から次にヒグマを殺せてしまうのだろう。

2021年6月18日の札幌市東区のヒグマ出没騒ぎは、如何に北海道のヒグマ対策が役に立たないものであるかを如実に表している。無用にヒグマを追い回し「窮鼠猫を噛む」までに追い詰め、その結果、ヒグマをパニックに陥らせ、4人が負傷される事態を招いたのである。驚くことに、この騒ぎの渦中、ヒグマの専門家は現場にも現れず、ヒグマを知らない警察官が対処していたが、いったい誰が陣頭指揮を執っていたのだろうか…?これは調査研究に関わっている専門家・研究者らが、いかにヒグマの習性を知らなさすぎるのかを如実に示す事件と言えよう。このヒグマをマスコミは「凶暴なヒグマ」と表現している。それは「窮鼠猫を噛む」ネズミのことを「凶暴なネズミ」と表現するがごとしである。33年間もの調査研究の実績があるという北海道のヒグマ対策専門家・研究者らの”無知”が招いた、ごく初歩的なミスである。警察による検証が必要な事件でもあった筈だ。マスコミは、こうした真相(深層)にこそ、掘り下げて取材し、二度と繰り返さないためにも検証してほしいものである。

 

 

 

檜山管内でサケ漁獲高が、1958年以来最高を記録

2022年2月8日、北海道新聞「渡島檜山版」に、檜山管内のサケ漁獲好調、統計を取り始めた1958年以来「最高を記録」したと報道された。北海道南部・日本海側にある治山ダム・砂防ダムのスリット化が進む中でのニュースである。

出典:北海道新聞:サケの漁獲尾数減少している中で、真逆のことが起きている。

北海道の研究機関が発表している2021年度の全道へのサケの来遊尾数予測と実績値をグラフ化したところ、日本海南部だけが予測に反して、実績値が上回っていた。これが何を意味するのか?

出典:北海道立総合研究機構さけます内水面水産試験場さけます資源部

専門家は、サケの漁獲尾数減少の理由を「地球温暖化で海水温の上昇や海流の変動によってサケが戻って来れない」とか、「北太平洋で何かが起きてサケが生活できなくなっているのではないか」、挙句は「ロシアが日本近海で横取り漁獲している」などと減少の見解を述べている中で、日本海南部だけが、真逆のことが起きているのはどうしたことか?

専門家の説明に反して摩訶不思議なことが起きているが、専門家たちは、サケやサクラマスが河川で再生産するという肝要な事を、忘れたとでも言うのだろうか?私たちは、檜山管内で進むダムのスリット化後のサクラマス稚魚0+の分布調査で、産卵域が拡大していることを確認している。サケの来遊尾数が増加していることは、ダムのスリット化による河川環境の改善で産卵域が拡大し、再生産の仕組みが蘇った効果であると言えるのではないだろうか。

 

 

ヒグマ出没抑止の草刈りに3,500万円…!?

2022年1月30日、北海道新聞及びweb版記事。札幌市は新年度、ヒグマ対策の草刈りを行う事業費に3,500万円の見込みだという。

出典:北海道新聞web版

2021年6月18日に札幌市東区で男女4人がヒグマに襲われて負傷されたことが記されている。この出来事については、行政側の初期対応に不手際があった。徘徊を放置したが為に行動範囲を拡大させ、ヒグマを追い回した結果、「窮鼠猫を噛む」状況までにヒグマを追い詰め、ヒグマをパニックに陥らせたために発生したものである。追い回しさえしなければ、住民は襲われることも、負傷されることも無かった。この騒ぎの中、ヒグマの専門家は誰一人として現場にはおらず、ヒグマを追い回せば危険になることすら伝えず、追い回すことを止める指示もしなかった。専門家が唯一したことは、このヒグマを銃殺するように要請したことだ。

記事の草刈りを行う方針について、のような効果は、一時的なもので永続はしない。草刈り中は、騒音と人の出入りでヒグマがそばに寄りつかなくなるが、草刈りが終われば振出しである。ヒグマの出没を抑止するのであれば、に出没と移動経路が示されているように、そこに電気柵を設置し、出没経路を封鎖すれば、市街地への侵入を防ぐことで、の不意に出くわすことも無くなる。酪農地帯のように草刈りした草地にヒグマは出てくるのだから、出てくるものは出てくるのだ。住民の安全・安心な暮らしを本気で護るつもりなら、その場しのぎと気休めでしかない草刈りではなく、ヒグマの出没・移動経路に電気柵を設置して、出て来られなくすれば良いのだ。

これまで「ヒグマ出没騒動」は、なぜ繰り返し、繰り返し起きているのでしょうか?

その経緯を調べればどの場合も「ヒグマの出没を抑止していない」ことがすべてにあります。ヒグマは夜に現れ、昼には姿を消しています。つまり、出没経路があるからヒグマは出て来るのです。野幌地区や真駒内地区、簾舞地区のヒグマ出没騒ぎでも、全く同様に、電気柵で出没経路を封鎖するような対策はしていません。島牧村のヒグマ出没騒ぎは、広く報道されているので、より顕著に分かります。裏山から海岸沿いの住宅地に夜に出てきては昼間に姿をくらましているのが分かっていながら、ヒグマの出没を抑止するために出没経路を封じる電気柵の設置はしなかったのです。これでは繰り返しヒグマが出てくるのは当然です。

では何故、札幌市は「出没抑止に効果のある対策」をしたがらないのでしょうか?

それは、調査研究を優先させ、研究者の為のデータ収集を目的にしているからです。ヒグマ関連費という、まるで、ヒグマ出没抑止対策費であるかのように見せかけた予算の中身は、実はこうした研究者用の事業予算であったわけです。「北海道ヒグマ管理計画」の予算の内訳を見れば一目瞭然です。予算のほとんどが調査研究費となっており、電気柵費や電気柵設置費は計上されていないことからも明白です。

ヒグマ出没情報を知り得たその時、行政に関わる北海道のヒグマの専門家たちは一体何をしていたのでしょうか…?調べてみてください。そう、芳香剤でヒグマを誘引してビデオ撮影したり、DNAを取得するためにヒグマを餌でおびき出して体毛採取することをしていたのです。住民のためではなく、自分たちの研究データを取得するためにヒグマの出没を抑止することをせずに、徘徊を放置していたのです。youtube版の北海道新聞NEWSのビデオを見れば一目瞭然です。

札幌市議会の議員方は、「市民の安全・安心な暮らしをヒグマから護る」ために、「ヒグマに棲み分けの学習のチャンスを与える」ためにも、効果不明の草刈り費(3,500万円)や、抑止効果に無縁なビデオカメラ導入費(1,500万円)を見直しさせ、ムダな対策に歯止めを打ち、計上された総額5,000万円の全額を電気柵購入費と電気柵設置費に宛てるように札幌市に求めていただきたいと願います。

ヒグマは犬猫と同じ学習能力のある動物です。”しつけ”すれば良いのです。即ち、ヒグマの出没経路に電気柵を繰り返し設置して、「この先には行けない」ことをヒグマに教えればよいのです。この「しつける」ことには、草刈りも、ビデオカメラも、DNAデータも、すべて必要無いものです。ひたすら電気柵を設置して、出没抑止の対策を繰り返せば良いのです。

同じ蝦夷の地に棲む人とヒグマの未来のために。

北海道ヒグマ管理計画は、住民の安全よりも研究優先。

秋サケ不漁は、ロシア側の先獲りが原因…?

サケの不漁は、ロシア側の「先獲り」が原因とする記事で、道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場の卜部浩一研究主幹が、「海水温が高い状態が続いたため、日本に戻るサケがロシアの海域に停滞し、その間にロシア側に漁獲されてしまった」というのである。

出典:2022年1月14日北海道新聞web版の見だし部。

また、赤潮の影響という声も聞く。動きの緩慢なウニやカジカなど沿岸地つきの魚介類、逃げることが出来ない定置網のサケに被害があったが、定置網以外でサケが赤潮の影響で大量に浮いたり、浜に打ち上げられたという話しは無い。太平洋側の漁獲低迷は著しいが、日本海南部は2019年、2020年、2021年と3年連続で漁獲が右肩上がりに伸びている。この違いにこそ着目し、卜部浩一研究主幹に説明していただきたいものだ。

北海道水産林務部の秋サケ漁獲尾数旬報に2021年12月20日までのデータを入れ、グラフ化した。

日本海側せたな町、島牧村、乙部町では2010年から治山ダム・砂防ダムのスリット化を手がけ、広めている。

2010年から日本海南部のダムのスリット化をした河川。出典:北海道水産林務部。地図はGoogle mapを加工。

八雲町水産課は、「日本海南部のせたな町の漁獲向上は、サケ稚魚を海中飼育して放流しているので、その効果ではないか」と言う。しかし、サケ稚魚の放流前の海中飼育は、10年も20年も前から取り組まれている。(成長が早まるために、4年で帰るところ3年で帰るので小ぶりになったという事が話題になったことがあった)サケ稚魚の海中飼育が漁獲向上の効果と言うのであるなら、八雲町をはじめ、全道及び全国に広まっている事だろう。

噴火湾に注ぐ川では、サケの自然産卵が見られていた現場のすべてが、河床に砂の堆積が目立つようになってから、産卵に来るサケがいなくなってしまった。つまり、河床に堆積した砂の影響で、産み落とされたサケの卵が育たなくなり、そこで産卵するサケの子孫が絶えたという事だ。産卵場としての機能が萎え、失われてしまった事が原因だ。サケが産卵していた場所が、どのように変わったのか写真を添える。

かつてはたくさんのサケが産卵していた。
同じ場所の今の状況だ。(撮影:2021年12月10日)。川底の石は泥を被り、石は砂に埋もれ、膨大な量の砂が堆積している。産卵場として機能しないから、ここで産卵するサケはほぼいなくなった。

かつては、上流から下流まで支流を含む川の至る所でサケが産卵していた。サケの遡上に合わせて、北方圏からオオワシ・オジロワシが冬を乗り切るために自然産卵後のサケ(ホッチャレ)を食べに飛来する。ワシたちも川の上流から下流まで、支流を含む至る所で見られた。即ち、ワシが見られるポイントは、サケの産卵場と言う事である。しかし、砂が目立つようになってから、サケもワシもすっかり姿を消してしまった。つまり、産卵場が消滅し、サケの資源が消えたという訳だ。川を上ってくる筈もないサケを、ワシたちは待ち続けている。空腹に耐え、じっと川面を見続ける姿は傷ましいものだ。

オジロワシの成鳥。食べるサケの姿もないのに、ただひたすらサケが来るのをまっている。

川で自然産卵するサケが激減、消滅していると言うのに、サケの漁獲低迷の原因を、川に目を向けずに海に求めていることが実に不可解である。サケは、再生産を「川」で行っているのにだ。

サケの卵が育つ「川の仕組み」が壊れてしまった原因が、河川事業にあり、ダムの影響であることは明白だ。しかし、そこを追求すれば、同じ行政機関の利権構造に亀裂が入りかねない。「他国のせい」「赤潮のせい」「温暖化のせい」…と言って目を背けておけば丸く収まる。昨今は実におかしな科学がまかり通っている。専門家・科学者と自負する人たちは、正しい科学を駆使して、川の持つ再生産の力を蘇らせることに智恵を使い、力を注いでいただきたいものだ。自然の再生産の力を蘇らせ、活性化させることが、今、世界が求めるSDG’sではないのか。

餓死したオジロワシ幼鳥の胃袋からはサケの骨ではなく、カラスの羽が出てきた。ワシたちは餓死寸前だ。自然のサケ資源は、決して人間だけのものでは無い。

 

 

北海道ヒグマ管理計画は、住民の安全よりも研究優先。

北海道環境生活部環境局自然環境課の「北海道ヒグマ管理計画(第2期)」素案に対するパブリックコメントが、2022年1月11日に締め切られた。

この第2期計画でも、これまでの計画を踏襲し、ヒグマの出没情報を得ても、出没抑止対策はしないようになっている。つまり、ヒグマの徘徊を放置して、有害性を判別してから対策する手順なのである。有害性を判別する「時間」が設けられているのだ。

ヒグマが出没しているのに出没を抑止せずに、わざわざ有害性を判別するための「時間」をつくる理由は何だろうか…?実際に「有害性を判別する対応」の事例はこうだ。野幌や真駒内では、ヒグマが今まさに出没しているというのに、出没を放置し、そのヒグマを芳香剤で誘引してビデオ撮影している。更に、DNA分析の為にヒグマを餌でおびき出して体毛採取(ヘア・トラップ)している。それは下記の北海道新聞のyoutube版で確認することができる。


住民の安全をないがしろにして、個体識別や家族構成を調べる目的でヒグマの徘徊を放置しているのである。住民の安全・安心な暮らしを守るために、なぜ、ヒグマ出没の抑止を最優先しないのだろうか…?

「有害性を判別する時間」とは「研究用の時間」、つまり、研究者の為の時間のようだ。しかも、このパブリックコメント募集の計画の素案には、最新のICT技術導入が掲げられており、新たなる研究の為の予算まで組めるようになっている。令和2年度(2020年度)、令和3年度(2021年度)の予算を見ると、人里へのヒグマ出没抑止の為の電気柵の費用や設置費用は無し。0⃣円なのである。予算の全てが研究者の研究費になっているのだ。

また、生息頭数調査においては、餌でおびき出して体毛採取(ヘア・トラップ)によるDNA分析などを駆使し、北海道のヒグマ生息頭数が令和2年度(2020年度)では、11,700頭(95%信頼幅6,600頭~19,300頭)としている。誤差は、なんと12,700頭もある。こんな誤差のある調査に税金を使う必要があるのだろうか…?

「北海道ヒグマ管理計画」の目的は、人とヒグマとのあつれきを低減するため、ヒグマとの緊張感のある共存関係の構築を目指し、科学的かつ計画的な保護管理により、「ヒグマによる人身被害の防止、人里への出没の抑制及び農業被害の軽減」並びに「ヒグマ地域個体群の存続」を図るとある。しかし、道民を護る人身被害防止や人里への出没抑制に効果的な電気柵や設置費用は0円なのに対し、調査研究費は2年間で33,000,000円と膨大な額の道民の税金が使用されている。道民の安心・安全な暮らしよりも研究者のための研究費の方が重要だというのだ。

飼い犬の”しつけ”を考えていただきたい。「やってはいけないこと」は、すぐに「ダメ!」と教えるのが鉄則だ。これを繰り返して学習させる。これが”しつけ”だ。もしも、「ダメ!」と言わずに見逃したら、「やってはいけないこと」が解らず、指示に従わなくなる。”しつけ”は初期に迅速にしなければならないものだ。ヒグマも同様に学習能力・判断力がある。人里に出て来たヒグマに「ダメだ!出てくるな!」と教えずに見逃していれば、出没抑止など出来る筈がない。札幌市東区、野幌、真駒内や簾舞、島牧村や標茶町の事例からも分かる。何度も繰り返し夜に出てきては、明るくなった昼間には姿を消している。やってはいけないことを教えないからに他ならない。

北海道議会、令和3年(2021年9月28日)第3回定例会(本会議)において、丸岩浩二道議の質問に対し、鈴木直道知事は「迅速に対応するための体制を構築する」と述べてはいるが、道のヒグマ担当の環境生活部長は電気柵設置をヒグマ出没抑止対策の「有効な手段」と認めながらも、ヒグマの侵入防止を図る為、「総合対策交付金について、必要な予算の確保や交付対象の拡大などを国に要望してきた」と答弁。ヒグマ出没抑止対策用の電気柵の費用や設置費用は「国の予算でやることであって、北海道がやることではない」としているのは、道理に合わない。

この第2期計画の素案が通れば、今後もヒグマ出没騒ぎは拡大していくばかりで収束することは無い。道民の安心・安全な暮らしは遠のき、ヒグマの出没に脅かされ続けることになる。北海道は、この計画を根本から見直し、研究目的の費用を削除し、研究者のための予算ではなく、道民の生命・財産を護るための予算に組み替え、ヒグマ出没抑止対策に徹した計画に方針転換すべきだ。

そのためには、ヒグマ出没情報を得た時点で、現地へ出向き、出没経路を一刻も早く突き止めて、電気柵で出没経路を封鎖することを目的とした専従のチームを作って対応すべきだろう。山林原野の現場を熟知し、ヒグマの行動を読み取れるハンターを核にして、各振興局の職員と市町村の人員で構成し、ヒグマの捕殺を目的にするのでは無く、出没を抑止することを目的にした専従のチームを立ち上げ、各振興局ごとに配属し、地域の実情に応じた迅速な対応ができる仕組みを構築すべきである。

「北海道ヒグマ管理計画」は、研究者の為の計画ではなく、道民の為の計画であるべきものだ。研究者は独力で研究費用を捻出せよ!立派な業績があれば、スポンサーは多い筈だ。肩書を利用して、道民の税金を使ってはいけない!

「北海道ヒグマ問題を考える会」では下記の意見書を出した。

 

「住民を警察に突き出す」までに追い詰められた機構…!

2021年12月13日に札幌市手稲区山口で残土搬入が始まったと報道された。機構は、手稲区山口の住民には、「粉じんの飛散防止」や「粉じん泥の洗い落とし」などを説明したようだが、現場は機構の説明通りにはなっていない現実を、知っていただきたい。しかも、改善を求めるために現場に行ったところ、名指しで「**が来たら警察に通報しろ」と機構から指示が出されており、問答無用で警察に通報され突き出された。

「黒岩受入地A」は、八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢で、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準16倍を超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万を投棄し、さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5tとして計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える。この現場には公衆災害の防止が掲げられていながら、搬入道路は有害重金属含有残土の粉じん泥で、ドロドロの状態になっている。

16倍ヒ素など有害重金属含有の残土の粉じん泥で町道は泥だらけ。どうするかと言えば、散水車で道路を水洗いし、道路の回りに洗い流した有害重金属含有の粉じん泥をばらまいて汚染させている。
坂道のカーブでは対向車が来たときにブレーキをかければ車はスリップして事故を起こしかねない。粉じん泥でぬかった危険な町道にした独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構をこそ警察は取り締まるべきだ。
有害重金属含有残土の粉じん泥で、町道は搬入出入口から泥だらけになっている。
出入口には交通整理をかねたガードマンが、粉じん泥落とし器の使用状況を見せないように、機構から指示されている。カメラの前に立ち塞がる。
16倍ヒ素などの有害重金属含有残土を運んできたダンプカー。出入口は泥だらけでぬかっている。
そうこうするうちに現場にJV責任者がやって来て、携帯で機構に私の名前を告げたところ、「警察に通報しろ」と指示が出され、証拠写真を撮っている。警察に突き出すためだ。
使用痕跡の無いダンプカーの「乾式・粉じん泥落とし器」。回りの雪は汚れていないし、ダンプカーの轍も無い。
JV責任者に「乾式・粉じん泥落とし器」がきれいなので使用痕跡が無いと指摘したところ、「朝に洗った」という。洗っていないことを指摘したら、「あんた、洗っているところ見たのか、見てないだろう」と切り返してきた。洗ったことが無い証拠として「きれいな雪」を指摘したら、黙った。いったんウソをつけば、ウソをつき続けなければならなくなる。機構は人をも泥まみれにさせる罪作りな組織だ。

機構は、現場の不具合を住民から教えてもらったことに感謝し、現場の状況を確認して改善に着手するのかと思いきや、そうでは無かった。改善の申し入れをするために現場を見に来た住民を、機構は、問答無用で警察に突き出したのだ。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、自分たちに不始末があっても、平穏に暮らしたいと願う一人の住民を公権力の警察に突き出し、前科者に仕立てあげる。改善を求める声を潰すのだから怖ろしい組織だ。

通報を受けて警察が来た。改善を求めるために現場確認に来た住民を事情聴取。相手が違うだろう…、取り締まるべきは、有害重金属含有残土の粉じん泥をまき散らして、車のスリップ事故を招きかねない状況にしている側ではないのか…

道路を有害重金属含有の粉じん泥でドロドロにぬからせ滑りやすくし、車の通行の安全をも脅かしている機構こそ取り締まるべき相手ではないのか…。警察の職務は「住民(国民)の安全・安心な暮らし、住民の生命・財産を守る」ことにあるのだから、安全・安心な暮らしを求めて訴える住民を守ってほしいものだ。

ダンプカーに付着した「湿式・粉じん泥落とし器」は十分に泥を落とし切れず、仕事を終えて近くのガソリンスタンドの洗車場で車体を洗ってから帰っている。「乾式・粉じん泥落とし器」は水洗い方式ではないので、タイヤや床面は泥だらけになる。機構に問い合わせたところ、機構・札幌局総務課は「敷地内の洗浄施設で洗浄してから帰るように指導している」と説明したが、現場ではそうはなっていない。だから、住民の監視が必要なのです。

湿式の「粉じん泥落とし器」。タイヤの内側や車の床面全部が洗浄できるのか不明。

八雲町の16倍ヒ素を含む有害重金属含有残土の粉じん泥だらけの道路は町道であり、残土搬入の沢も町が貸し付けた町有地だ。有害重金属含有残土で泥だらけの町道の改善を機構に求め、機構を指導すべきなのは「八雲町長」と八雲町役場「新幹線推進室」の役割だと思うのだが、役場の怠慢を住民が代わりに補おうとしたら、警察に突き出された。しかし、町民が逮捕されても八雲町は感知しないと言う。北斗市村山の村山残土捨て場では、5月14日、9月13日に、セレンによる地下水汚染が発生。機構の説明通りにはならず、住民の理解が得られなくなり、原因も明確に判らず、従って対策も決め手がないようで、いまだに村山への残土搬入再開のめどは立たず、トンネル掘削工事も止まったままになっている。計画通りに工事が進まず、開業が遅れる可能性が高まり、「住民の理解と協力」の元で行う事業でありながら、焦りがこうじて、その言葉すらも脳裏からすっ飛んだようで、住民を問答無用で警察に突き出すまでになっている。なりふり構わね、こうした時に事故は発生するものだ。そして、よからぬことが起きるものだ。

この「黒岩受入地A」八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢では、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準を16倍超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万を投棄し、盛土崩壊という災害が発生した熱海と同じように沢を埋め、盛土している。さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5tとして計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える

沢は周辺からさらに水が集まって流れるところだ。周辺の沢水を集める集水パイプは直径20cmという。盛土の底には直径30cmの配管がされているというが、水の取り入れ口は稚拙なものだ。集水口は落ち葉・枝で塞がり泥で塞がるので、林業関係者は頭を痛めているというのに…。従ってすぐに集水口は塞がり、埋まってしまい、水が周辺に広がることだろう。地下水の汚染を確認する検査井はナシ。従って、地下水が汚染されても誰にも分からない。未来が怖い。
出典・独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構・八雲鉄道建設所重点実施項目

この黒岩受入地Aについては、八雲町と機構が取り交わした協定書がある。協定には地下水を検査する条文が記されている。だが、機構は、地下水の検査をやっていないし、やらないとしている。

八雲町黒岩地区の発生土受入に関する協定書

 

残土捨て場の配管から流れ出した水だけを調べている。出典:独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

鉄道建設・運輸施設整備支援機構の公表資料から、有害残土の処分に係る「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」名簿を下記に添える。

機構組織内に置かれ、機構が「第三者」委員会と称する「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」の大学教授らはいったい何者で、何をしているのだろうか。最高学府で教鞭を執り、若い学生を育てる立場にある。プライドがあるのなら、学生に対して、社会に対して、恥ずかしくないように現場をしっかりと読み解き、機構のウソを是正し、培ってきた学問と英知を発揮して議論され、機構の住民を欺くやり方に加担せず、将来に禍根を残さない万全な対策を構築して委員会として機能するように正していただきたいと願うばかりだ。

出典・独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構

機構は、2021年8月11日の八雲町議会の有害重金属含有残土の投棄場所を八雲町が買収する審議をする委員会に、捏造した資料を提出しており、審議を歪める審議妨害に相当するような事までやらかしている。町長も八雲町議会議員も、買収されているのかと疑われないよう、しっかりと現場を見て、資料を読み解き、精査してから、審議に臨み、判断をしていただきたいものだ。権力に媚びて、自分の利益誘導のための駆け引き取引していたのでは地域の住民の利益にはならない。八雲町の未来を見据えて冷静な判断をしてほしいものだ。

八雲町の財政は潤っている。あちこちの農地を町が盛んに買い、有害重金属含有残土の捨て場にしているのが現状だ。適正に処理され、管理されているのならともかく、納税者に問うことも無く、議会に諮るだけで決定し、現場は上記のような状況になっているのである。

有害重金属含有残土の投棄場所の農地は、かつては国の農業予算(税金)で住民のために整備された土地だ。1992年のリゾート反対運動の際には、牧草地が足りないとして、農業整備で必要な道路と称して、国に無断で、国の農業予算を流用してリゾート地へのアクセス道路を建設していた。このやり方に疑問を呈した住民には「農業者でもないお前達は、農業にまで口出しするのか」と役場職員が逆切れして噛みついて来たことを忘れることは出来ない。ところが、今は、農地が不要になったということなのか?八雲町は、あれほどに必要としていた農地を簡単に手放し、環境基準超えの有害重金属含有残土の捨て場にしている。情けないことだが…これが過疎化の町の悲しい現実だ。

八雲町ゆかりの作家、鶴田知也さんが八雲町に遺された言葉が遊楽部川のほとりにある。八雲町長や八雲町役場の新幹線推進室長は、この言葉を今一度、噛みしめてもらいたいものだ。

「不遜なれば未来の悉くを失う」

出典:じゃらん URL:https://www.jalan.net/kankou/spt_01346aj2200023149/

 

日本海サケ漁獲増加…川の泥を抑止で稚魚生残率向上か…

せたな町、島牧村、乙部町で、2010年から次々に砂防ダム・治山ダムのスリット化が行われてきた日本海側のサケの漁獲好調の続報だ。

出典:2021年10月29日・北海道新聞(渡島・檜山版)

 

出典:北海道水産林務部・北海道サケ定置網の漁場区分図を加工、加筆した。砂防ダム・治山ダムのスリット化した5河川の位置(青矢印)。
出典:北海道立総合研究機構・さけます・内水面水産試験場のデータをグラフ化。

日本海と太平洋側(えりも以西)のサケの漁獲量の比較。太平洋側は減少。日本海側は2019年から増加に転じている。

出典:北海道水産林務部・サケ漁獲旬報から、2016年と2021年の9月10日~10月20日までのデータをグラフ化。

5河川で砂防ダム・治山ダムのスリット化を行った日本海側南部のサケ漁獲量の変動グラフ。漁獲量が格段に増加していることを示している。

出典:北海道水産林務部・サケ漁獲旬報から、2016年と2021年の9月10日~10月20日までのデータをグラフ化。

一方、太平洋側のえりも以西の噴火湾のサケの漁獲量は減少していることが読み取れる。

全道のサケの漁獲量は減少傾向にある。

出典:北海道立総合研究機構・さけます・内水面水産試験場のデータをグラフ化。

サケ漁獲量減少の原因をサケの専門家たちは挙って、地球温暖化による海水温の上昇や海流の変動、また、北太平洋の異変などによる影響でサケ資源が減少し、漁獲量が減じていると説明している。しかし、日本海側のサケ漁獲量は増加しているのである。

ここで注目していただきたいのは、オホーツクと日本海の漁獲量だ。オホーツクでは海産のホタテは垂下式のカゴ養殖ではなく、海底に稚貝を放流する「地撒き増殖」が行われている。そのため、海底環境が損なわれないように、沿岸に泥水が流れ出さないように河川の流域環境保全が徹底されている。一方、日本海では、5河川の砂防ダム・治山ダムのスリット化後に、河口海域での海藻の育ちが良くなり、ウニが大型に育つようになったと言う声がある。つまり、泥水の流れ出しが抑止または低減されたことの証であろう。

また、泥水がサケ稚魚に与える影響を考えてみよう。

春先、自然産卵由来のサケ稚魚は浮出して泳ぎ出してくる。また、ふ化場からはサケ稚魚が放流される。そこに泥水が流れると、サケ稚魚は体から粘液を分泌して泥水から身を守る。口から吸い込んだ泥はエラから吐き出すが、エラは「鰓耙」、「鰓葉」という微細な構造をした組織から成り、この微細な組織のすき間に砂粒が入り込むとエラは傷つき炎症を起こす。ただでさえ粘液を分泌して体力を消耗している上にエラの炎症が重なれば、多くのサケ稚魚が命を落とすだろう。サケ稚魚の生残率が低下していると考えれば、そもそも回帰率云々というよりも、命育む川で何が起きているかが重要な課題なのではないだろうか。

砂防ダム・治山ダムのスリット化により泥水が抑止、低減されれば、サケ稚魚たちは体力を消耗することなく、エラの炎症もなく、丈夫なサケ稚魚として育つだろう。実際、日本海側のサケの漁獲増加は、ダムのスリット化による泥水の抑止効果でサケ稚魚の生残率が向上し、丈夫な種苗となって育った結果、回帰率が向上したのではないかと思われるのだ。(日本海側の北部、中部の漁獲増は、南部の増加した資源が途中で漁獲されたからであろう)かつて、北海道南部八雲町の北海道さけますふ化場・渡島支場長の石川嘉郎さんは、「サケの回帰率を上げるためには丈夫な稚魚を育てる必要がある」と話されていた。

 

ダムのスリット後にサケの漁獲が昨年の3.7倍増

せたな町管内8ヶ統あるサケ定置網のうち、漁獲量が最低だった良瑠石川近海定置網で、4基の治山ダムのスリット化後に漁獲量が1位、2位になった。せたな町管内では、昨年(2020年)の漁獲量は前年の1.8倍増。本年(2021年)は10月5日現在で昨年の3.7倍増と報道された。

せたな町では2010年から良瑠石川の治山ダムをスリット化。これを皮切りに、須築川の砂防ダムは2020年にスリット化が完了。また、同町付近では島牧村の千走川支流九助川の治山ダム、折川の砂防ダムがそれぞれスリット化され、南部の乙部町でもスリット化が行われている。

出典:2021年10月7日・北海道新聞(渡島檜山版)

北海道水産林務部・令和3年秋サケ沿岸漁獲速報10月10日:URL:https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/4/3/3/8/3/8/5/_/031010-1.pdf

漁獲増はダムのスリット化と関連しているのか?!

治山ダム・砂防ダムの下流では砂利が供給されない。そのために河床低下が進行し、河岸崩壊・山脚崩壊が多発するようになる。上流でもダムの堆砂が満砂になれば流れが蛇行するようになって、山裾を浸食し、山脚崩壊を発生させる。こうして、ダムの上下流から大量の土砂が流れ出し、雨のたびに濃い泥水が流れるようになる。サケ稚魚やサクラマス稚魚が浮出する春先の雪どけ増水の泥水は酷いものだ。春先、濃い泥水が流れる川でサケ稚魚を観察したことがある。泥水を避け、川岸や細流に入り込み、身を寄せ合っている。よく見ると、体から粘液を出して身を包んでいる。粘液を体から出すには相当な体力を消耗することだろう。また、口から吸い込んだ泥は、エラから吐き出す際に微細な砂粒でエラを傷つけ炎症を起こす。体力を消耗した上に、エラの炎症で稚魚の負担は相当な筈だ。誰も知らないところで多くの稚魚が命を落としているのではないか。

ダムをスリット化すると、砂利が流れ出すので河床低下が緩和され、河岸崩壊・山脚崩壊が止まり、濃い泥水の流れ出しが抑止、低減される効果がある。春先の雪どけ増水から濃い泥水が無くなれば、サケやサクラマスの稚魚は体力を消耗すること無く、健康に育つことが出来る。つまり、生残率が向上し、元気な稚魚たちが海に下るわけで、その結果、回帰率も向上することだろう。北海道さけますふ化場は回帰率を向上させるために、丈夫な稚魚を育てることを一つの目標にしていたのだから、十分その理に適う。

昨年は前年比で1.8倍、本年は前年比で3.7倍だから、このまま3.7倍増で終漁まで続けば、1.8倍×3.7倍=6.66倍となり、2019年に比べれば、なんと6.66倍増にもなる。急激な漁獲増だ。これがダムのスリット化と関連しているかどうか、今後の推移を見守りたい。

 

北斗市長に「公開質問状」を提出 … 北斗市民の会

「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」(以下、「北斗市民の会」)は、2021年8月11日付けで北斗市長に公開質問状を提出した。

「北斗市民の会」は、新幹線トンネル工事での掘削土に含まれる膨大で高濃度のヒ素やセレン、鉛、カドミウムなど不適切な処理は深刻な問題であるとして、地下水や河川水汚染、土壌汚染が発生しないように「遮水型の保管」施設に未来永劫に保管管理していくことを求めている。北斗市・村山「きじひき高原」直下の採石跡地に、地べたに直置きしていることは、北斗市の基幹産業でもある農業用水の汚染を引き起こすとして、処分地の見直しや処分の方法についての見直しを求めている。

これまで、「北斗市民の会」は、水田など農地の水源となっている大野川の河川水や扇状地の地下水の汚染を心配して、村山の残土捨て場から流れ出している濁水を採水して分析に出し、環境基準超えのヒ素が流れ出している事実を突き止め、管理のずさんさを指摘してきた。しかし、北斗市は根拠の無い意味不明の反論を示し、「北斗市民の会」が水質調査を委託した農業団体の調査機関の信頼性にまで言及する有様で、汚染の事実を躍起となって、もみ消しにかかった。

北斗市長は、3月議会公の場で北斗市民の会を、「科学的な根拠に基づかない不適切な情報の流布をする団体」として誹謗中傷し、市長としてあるまじき発言をしている。そんな折、市長の発言が因果応報となって跳ね返ってくる事態が発生した。北斗市村山残土捨て場の地下水から高濃度のセレンが検出され、住民生活に深刻な影響を及ぼす緊急事態が5月に発覚。急遽、8世帯に井戸水の使用を停止させ、飲用水を配布する事態に発展した。

今、この時点でも地下水汚染は広がっている。一刻も早く汚染源を特定し除去しなければならない。しかし、除去しても土壌中にしみ込んだ土中の汚染は続く。一旦、汚染されたら対策は極めて困難である。その処置の難しさは、汚染発覚から3ヵ月経過した今も、機構からも北斗市からも市民や議会に対して調査報告や対策について何も示していないことからも分かる。

「北斗市民の会」は「科学的根拠に基づかない不適切な情報を流布する団体」と北斗市長が言うのならば、それでは北斗市長のいう科学的根拠に基づいた説明をしていただきたいとして、以下の通り公開質問状を提出した。