2号砂防ダムのスリットの間口…整合性のない説明

第7回砂蘭部川河床低下対策検討委員会のニュースレターが届いた。

第7回砂蘭部川河床低下対策検討委員会・議事録・

写真は3基のダムのうち、最下流の2号砂防ダムである。図に示されたスリットの間口は3.5m。

河川管理者が示す間口3.5mのスリット

スリットの間口3.5mとした理由

つまり、長さが7m以上の木は流れてこない筈だから、間口に引っかかることはないと言うのだ。しかし、スリットされた事例のあるダムでも間口が狭くて流木で塞がっているのが実際である。その為、間口幅を拡げる改善工事が行われているダムもある。管理者は、前例があっても気にもならないのだろうか。知ろうとも見ようとも思わないのだろうか。流木長の2分の1であれば通過する”実績”があるというその資料を、是非教えて欲しいことを7月19日に問い合わせをしたが、未だ回答はない。

8月3日に渡島総合振興局函館建設管理部治水課と八雲出張所の担当者との協議で、八雲町内の野田追川に4億3百万円で建設した巨大な鳥居のような鋼鉄製アングルダムについて聞いてみた。「間口が広いと言うが、実際には流木が引っかかっている」、すると八雲出張所の河川担当者は「あれは流木捕捉工です」と答えた。この協議の2週間も事前に、アングルダムの間口は何メートルあるのか問い合わせをしていたので尋ねると、「調べていない」と答えた。その後も再三問い合わせているが、「平成19年の古い資料なので探している」と言って、未だに回答は無い。だが、この4億3百万円の工事は、平成22年8月10日から平成23年3月18日に行われている。工事発注後は現場の監督・指導・工事後の検査が行われている筈であるから、設計図と照合しなければ、監督も指導も検査も行えないことになる。設計図無しで検査が出来る筈がない。検査に合格しなければ、工事費は税金から支払われることもない。担当者は「調べていない」とか「古い資料だから」と濁して、何故、回答しないのだろうか?

2015年8月12日、管理者が説明責任を果たさないのならと、私たちで実測することにした。間口は6m、引っかかった流木の樹高は約14m。2mの間口はすべて流木で塞がっていた。ニュースレターに「維持管理の範囲で除去」と明記されているが、取り除かずに、ずっと放置している為、澪筋は右岸から左岸へ移ってしまった。河川管理者は、造った後の管理はしない。出来る筈もない。一方で住民には、あたかも管理が出来るかのように説明している。2015-08-12・鋼鉄製流木捕捉工・野田追川

ここでお気づきだろうか?

河川管理者は、間口が6mの構造物を「流木捕捉工」と説明した。流木を捕捉する為のものだ。一方、ニュースレターでは、それよりも間口が狭い3.5mとなっている。しかも、「”実績”としては流木は引っかからない」と説明している。

公の議論の場での河川管理者の説明である。

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