2022年2月8日、北海道新聞「渡島檜山版」に、檜山管内のサケ漁獲好調、統計を取り始めた1958年以来「最高を記録」したと報道された。北海道南部・日本海側にある治山ダム・砂防ダムのスリット化が進む中でのニュースである。
北海道の研究機関が発表している2021年度の全道へのサケの来遊尾数予測と実績値をグラフ化したところ、日本海南部だけが予測に反して、実績値が上回っていた。これが何を意味するのか?
専門家は、サケの漁獲尾数減少の理由を「地球温暖化で海水温の上昇や海流の変動によってサケが戻って来れない」とか、「北太平洋で何かが起きてサケが生活できなくなっているのではないか」、挙句は「ロシアが日本近海で横取り漁獲している」などと減少の見解を述べている中で、日本海南部だけが、真逆のことが起きているのはどうしたことか?
専門家の説明に反して摩訶不思議なことが起きているが、専門家たちは、サケやサクラマスが河川で再生産するという肝要な事を、忘れたとでも言うのだろうか?私たちは、檜山管内で進むダムのスリット化後のサクラマス稚魚0+の分布調査で、産卵域が拡大していることを確認している。サケの来遊尾数が増加していることは、ダムのスリット化による河川環境の改善で産卵域が拡大し、再生産の仕組みが蘇った効果であると言えるのではないだろうか。