「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」(以下、「北斗市民の会」)は、2021年8月11日付けで北斗市長に公開質問状を提出した。
「北斗市民の会」は、新幹線トンネル工事での掘削土に含まれる膨大で高濃度のヒ素やセレン、鉛、カドミウムなど不適切な処理は深刻な問題であるとして、地下水や河川水汚染、土壌汚染が発生しないように「遮水型の保管」施設に未来永劫に保管管理していくことを求めている。北斗市・村山「きじひき高原」直下の採石跡地に、地べたに直置きしていることは、北斗市の基幹産業でもある農業用水の汚染を引き起こすとして、処分地の見直しや処分の方法についての見直しを求めている。
これまで、「北斗市民の会」は、水田など農地の水源となっている大野川の河川水や扇状地の地下水の汚染を心配して、村山の残土捨て場から流れ出している濁水を採水して分析に出し、環境基準超えのヒ素が流れ出している事実を突き止め、管理のずさんさを指摘してきた。しかし、北斗市は根拠の無い意味不明の反論を示し、「北斗市民の会」が水質調査を委託した農業団体の調査機関の信頼性にまで言及する有様で、汚染の事実を躍起となって、もみ消しにかかった。
北斗市長は、3月議会公の場で北斗市民の会を、「科学的な根拠に基づかない不適切な情報の流布をする団体」として誹謗中傷し、市長としてあるまじき発言をしている。そんな折、市長の発言が因果応報となって跳ね返ってくる事態が発生した。北斗市村山残土捨て場の地下水から高濃度のセレンが検出され、住民生活に深刻な影響を及ぼす緊急事態が5月に発覚。急遽、8世帯に井戸水の使用を停止させ、飲用水を配布する事態に発展した。
今、この時点でも地下水汚染は広がっている。一刻も早く汚染源を特定し除去しなければならない。しかし、除去しても土壌中にしみ込んだ土中の汚染は続く。一旦、汚染されたら対策は極めて困難である。その処置の難しさは、汚染発覚から3ヵ月経過した今も、機構からも北斗市からも市民や議会に対して調査報告や対策について何も示していないことからも分かる。
「北斗市民の会」は「科学的根拠に基づかない不適切な情報を流布する団体」と北斗市長が言うのならば、それでは北斗市長のいう科学的根拠に基づいた説明をしていただきたいとして、以下の通り公開質問状を提出した。