2021年12月13日に札幌市手稲区山口で残土搬入が始まったと報道された。機構は、手稲区山口の住民には、「粉じんの飛散防止」や「粉じん泥の洗い落とし」などを説明したようだが、現場は機構の説明通りにはなっていない現実を、知っていただきたい。しかも、改善を求めるために現場に行ったところ、名指しで「**が来たら警察に通報しろ」と機構から指示が出されており、問答無用で警察に通報され突き出された。
「黒岩受入地A」は、八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢で、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準16倍を超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万㎥を投棄し、さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5t/㎥として計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える。この現場には公衆災害の防止が掲げられていながら、搬入道路は有害重金属含有残土の粉じん泥で、ドロドロの状態になっている。
機構は、現場の不具合を住民から教えてもらったことに感謝し、現場の状況を確認して改善に着手するのかと思いきや、そうでは無かった。改善の申し入れをするために現場を見に来た住民を、機構は、問答無用で警察に突き出したのだ。
独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、自分たちに不始末があっても、平穏に暮らしたいと願う一人の住民を公権力の警察に突き出し、前科者に仕立てあげる。改善を求める声を潰すのだから怖ろしい組織だ。
道路を有害重金属含有の粉じん泥でドロドロにぬからせ滑りやすくし、車の通行の安全をも脅かしている機構こそ取り締まるべき相手ではないのか…。警察の職務は「住民(国民)の安全・安心な暮らし、住民の生命・財産を守る」ことにあるのだから、安全・安心な暮らしを求めて訴える住民を守ってほしいものだ。
ダンプカーに付着した「湿式・粉じん泥落とし器」は十分に泥を落とし切れず、仕事を終えて近くのガソリンスタンドの洗車場で車体を洗ってから帰っている。「乾式・粉じん泥落とし器」は水洗い方式ではないので、タイヤや床面は泥だらけになる。機構に問い合わせたところ、機構・札幌局総務課は「敷地内の洗浄施設で洗浄してから帰るように指導している」と説明したが、現場ではそうはなっていない。だから、住民の監視が必要なのです。
八雲町の16倍ヒ素を含む有害重金属含有残土の粉じん泥だらけの道路は町道であり、残土搬入の沢も町が貸し付けた町有地だ。有害重金属含有残土で泥だらけの町道の改善を機構に求め、機構を指導すべきなのは「八雲町長」と八雲町役場「新幹線推進室」の役割だと思うのだが、役場の怠慢を住民が代わりに補おうとしたら、警察に突き出された。しかし、町民が逮捕されても八雲町は感知しないと言う。北斗市村山の村山残土捨て場では、5月14日、9月13日に、セレンによる地下水汚染が発生。機構の説明通りにはならず、住民の理解が得られなくなり、原因も明確に判らず、従って対策も決め手がないようで、いまだに村山への残土搬入再開のめどは立たず、トンネル掘削工事も止まったままになっている。計画通りに工事が進まず、開業が遅れる可能性が高まり、「住民の理解と協力」の元で行う事業でありながら、焦りがこうじて、その言葉すらも脳裏からすっ飛んだようで、住民を問答無用で警察に突き出すまでになっている。なりふり構わね、こうした時に事故は発生するものだ。そして、よからぬことが起きるものだ。
この「黒岩受入地A」八雲町山崎の山崎川上流の3つの小沢では、トンネル工事で掘り出した国の溶出量の環境基準を16倍超えるヒ素などの有害重金属含有残土394万㎥を投棄し、盛土崩壊という災害が発生した熱海と同じように沢を埋め、盛土している。さらに盛土する沢が追加され、33万㎥の残土投棄も始まった。4つの沢の残土量は427万㎥。膨大な量だ。砕石残土を2.5t/㎥として計算すれば、10,675,000tになり、軽く一千万トンを超える。
この黒岩受入地Aについては、八雲町と機構が取り交わした協定書がある。協定には地下水を検査する条文が記されている。だが、機構は、地下水の検査をやっていないし、やらないとしている。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構の公表資料から、有害残土の処分に係る「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」名簿を下記に添える。
機構組織内に置かれ、機構が「第三者」委員会と称する「自然由来重金属等掘削土対策検討委員会」の大学教授らはいったい何者で、何をしているのだろうか。最高学府で教鞭を執り、若い学生を育てる立場にある。プライドがあるのなら、学生に対して、社会に対して、恥ずかしくないように現場をしっかりと読み解き、機構のウソを是正し、培ってきた学問と英知を発揮して議論され、機構の住民を欺くやり方に加担せず、将来に禍根を残さない万全な対策を構築して委員会として機能するように正していただきたいと願うばかりだ。
機構は、2021年8月11日の八雲町議会の有害重金属含有残土の投棄場所を八雲町が買収する審議をする委員会に、捏造した資料を提出しており、審議を歪める審議妨害に相当するような事までやらかしている。町長も八雲町議会議員も、買収されているのかと疑われないよう、しっかりと現場を見て、資料を読み解き、精査してから、審議に臨み、判断をしていただきたいものだ。権力に媚びて、自分の利益誘導のための駆け引き取引していたのでは地域の住民の利益にはならない。八雲町の未来を見据えて冷静な判断をしてほしいものだ。
八雲町の財政は潤っている。あちこちの農地を町が盛んに買い、有害重金属含有残土の捨て場にしているのが現状だ。適正に処理され、管理されているのならともかく、納税者に問うことも無く、議会に諮るだけで決定し、現場は上記のような状況になっているのである。
有害重金属含有残土の投棄場所の農地は、かつては国の農業予算(税金)で住民のために整備された土地だ。1992年のリゾート反対運動の際には、牧草地が足りないとして、農業整備で必要な道路と称して、国に無断で、国の農業予算を流用してリゾート地へのアクセス道路を建設していた。このやり方に疑問を呈した住民には「農業者でもないお前達は、農業にまで口出しするのか」と役場職員が逆切れして噛みついて来たことを忘れることは出来ない。ところが、今は、農地が不要になったということなのか?八雲町は、あれほどに必要としていた農地を簡単に手放し、環境基準超えの有害重金属含有残土の捨て場にしている。情けないことだが…これが過疎化の町の悲しい現実だ。
八雲町ゆかりの作家、鶴田知也さんが八雲町に遺された言葉が遊楽部川のほとりにある。八雲町長や八雲町役場の新幹線推進室長は、この言葉を今一度、噛みしめてもらいたいものだ。
「不遜なれば未来の悉くを失う」