活動報告 : 2016年

北海道新聞の気がかりな記事…「今あるダムの活用を」

北海道新聞(2016年12月10日朝刊)に、今あるダムの活用をと題して、元・国交省河川局長・竹村公太郎さんに聞くという記事について、鵜呑みにしてしまうマスメディアの危険性に気がついていただきたいと願い、当会より警鐘する。

 

北海道新聞2016年12月10日朝刊

ダムの水を貯めた湛水域では、どこも湖水に面した山の斜面がズリ落ちる地すべりが見られる。10%かさ上げで水位が上昇すれば、新たな地すべりを誘引させることにならないか?地震や地すべりで、津波が発生した場合、満水位のダム堤体への負荷はどうなるのだろうか…?ご丁寧なことに、囲み枠で「あとがき」に、こう書かれている。「ダムの有効活用は防災にも直結…首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が起きた際には、地震に強い水力発電が、復旧、復興を支える可能性が大きいことも覚えておきたい」…と。311の東日本大震災で、どれだけのダムが崩壊して下流域の人命を奪ったことか。これこそ覚えておいてもらいたいものだ。この記事にある旧ダムのかさ上げ例としている夕張のシューパロダムや青森県の津軽ダムのいずれも、新規に建設された大規模ダムであることに過ぎない。あたかも既存ダムを活用して電力を増やす旨い話。これは単に大規模ダム建設の推進を目的とした記事であることに変わりない。

「10%かさ上げで発電量倍増」

北海道新聞2016年12月10日朝刊

水位を10%上昇させることは、上流の水位を押し上げる。ダムの流入部は、大量の土砂の堆積で河床が上昇しており、更なる水位の上昇が見込まれ、堤防への負荷が増す。過日、南富良野町の金山ダム湖への流入部に位置する市街地が、堤防の決壊で甚大な被害を受けたばかりだ。国土交通省北海道開発局札幌開発建設部が公表した浸水域の図は、堤防の破堤ではなく、金山ダムの湛水域の水位が上昇したことで、水はけが不能となり、市街地が冠水することを想定した図であることが判る。流入河川は、水の吐き出しがダム湖面の上昇によって緩慢になれば、上流へ向かって水位は上昇していき、堤防からの溢水や破堤を招くことになろう。

出典:国土交通省北海道開発局札幌開発建設部作成。この浸水想定図を事前に南富良野町に示していなかったことが問題にもなった。洪水時にダムの水位上昇と水害との関係図といえる。

「3~5日前に放流して水位を下げれば良い」

北海道新聞2016年12月10日朝刊

2015年9月10日、鬼怒川の堤防が決壊して住宅が流され、人命が失われる災害が発生した。TBSテレビ「ひるおび」に出演されていた中央大学の山田正教授は「(これから予測されている)豪雨に備えて、上流のダムの容量を増やす目的で放流をしていた」と解説している。上流のダムが放流しているその時間帯に、下流で堤防が破堤したのである。ヘリコプターで、冠水した住宅から次々に人が救助される中継映像を背景に、山田教授はダム操作は難しいとも言っている。

治水対策の河川改修は、流域の津々浦々まで、水はけをよくし、川筋を直線化し、川幅を広げてきた。これは本流に、短時間で大量の水を集める仕組みである。河川行政は、近年の豪雨を「ゲリラ豪雨」と称し、流域の何処かに集中して豪雨が襲うと言ってきた。「3~5日前にダムから放流すれば良い」と言うが、本流の水位が上昇し易い状況で、支流の何処かでゲリラ豪雨に見舞われていれば、放流のタイミングは極めて難しい筈だ。タイミングを逸すれば、ダム下流で水位が上昇して破堤を招き、ダムの湛水域や上流では水位が上昇する。ダム操作によって危険性が高まることは否めない。

「洪水吐きという特別な穴」から土砂が放出され、「(ダムが土砂で)いっぱいになることはありません」

そうは言っても残念ながら、堆砂はそう簡単には動かない。この説明図は稚拙なものだ。川水は、ダムに達すると流速が小さくなり、川水が運んできた土砂は、ダムの流入部から上流に向かって堆砂して行く。河床は上がり、増水時にはダム上流の堤防が決壊する恐れが高まる。ダム放流口に集まる土砂は、流速が減じた事で選り分けられる微細な砂・シルト・落ち葉の有機質などである。従って、堆積は図のような平になることはあり得ない。現場を知らないで、都合よく描いた現実離れした図に惑わされてはいけない。

北海道新聞2016年12月10日朝刊

ダムは堆砂を吐き出せないから、どんどん堆積し続けているのが現実である。砂利の運搬は、川水の「流速」によって運ばれる。ダムの入口では流速が遅くなるので、砂利は運べなくなる。洪水吐きの穴まで到達する前に、沈澱、堆積してしまう。これは、誰もが小学校5年生「川のはたらき」で学んだことだ。ところが、この解説の「土砂」は、微細な砂・シルト・落ち葉などの有機質であることを忘れている。1991年12月に大きな漁業被害をもたらせた事件、黒部川の出し平ダムから放流された土砂が、ヘドロだったことからも分かることだ。従って、ダムは土砂で埋まっていくばかりで、そんな都合の良いことにはならない。まして10%のかさ上げをすれば、それだけ大量に堆積する。

ダムに堆積するヘドロは、どのようなものなのか、パタゴニア製作の「ダムネーション」で、それを見ることができる。

URL:http://damnationfilm.net/

この新聞記事は、メリットばかりを強調した、まるで絵空事のような解説だ。ダムの作用が、実際には何を起こしているか、現場を見ればよく分かることである。良いことづくめの解説だが、現実はそうはいかない。副作用無しに、こんな単純なことで発電に良いことがあるならば、とっくの昔に実施されているだろう。

原発事故を契機に、自然再生エネルギーが注目され、国の助成金目当てにエネルギー開発競争が過当なほどに起きている。水力発電ダムに異論を唱えれば、「じゃあ、原発を稼働させるのか」と揚げ足取りのおかしな風潮になっている。必要なエネルギー量を精査して、ムダなエネルギー生産に歯止めを打つことこそ、真に必要なことだ。便乗型のエネルギー開発には要注意である。

 

「有害重金属土の野ざらし」改善の一歩

北海道新幹線トンネル工事による八雲町立岩の工事現場視察(2016年7月12日)で、有害重金属を含む掘削土の不適切な処理について、事業者(鉄道・運輸機構)へ改善を要望。その後、11月23日に、改善状況の現地説明会が行われ、住民や議員、団体が参加した。

2016-11-23%e3%83%bb%e5%8a%a0%e5%b7%a5%e6%b8%88%e3%83%bb%e7%ab%8b%e5%b2%a9%e3%83%88%e3%83%b3%e3%83%8d%e3%83%ab%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e7%8f%be%e5%a0%b4%e3%83%bb%e6%94%b9%e5%96%84%e3%81%ae%e8%aa%ac%e6%98%8e

2016-12-06・北海道新幹線・立岩トンネル工事ヤー
トンネル発生土仮置場:遮水シートを敷いた上に、これまで野ざらしだった重金属土(左の黒枠内)を移す。濁水は沈殿池に集められPAC処理した後、国道脇のU字溝に排水される。ピンク:幅50cm×深30cmの土側溝。赤:濁水の送水パイプ。

土側溝及び重金属土仮置き場には厚さ1.5mmの遮水シート(低密度ポリエチレンシート)が敷き詰められている。土嚢の右手が仮置き場。ここに重金属土が積まれる。

これまで野ざらしに山積みされた有害重金属を含む掘削土と、これから発生する掘削土(重金属含有土)は、隣接する農地を買収し、遮水シートを敷いた上に積載するという仮置き場を作った。保管される重金属土の周りは素掘りであるが、遮水シートが敷かれ、ヤード外周の雨水対策にはU字型側溝が設けられた。沈澱池の新設、濁水処理施設を増設するなど、土壌浸透防止や排水への対策に大幅な改善が見られた。

しかし、これも1年間の保管であり、今後8年間続くトンネル掘削で出土する保管については何も決まっていない。また、有害重金属の含有有無のボーリング調査が100m毎であることの不安の声や、U字溝が小さくて近年の降雨量に対応できないという懸念の声も上がった。図面には無いが、汚染土による拡散を監視するべき観測井は、6カ所に設置すると明言しているが、地下水の浸食を防ぐ遮水壁は設置しないと言う。そして濁水処理に添加している薬品の有機凝集剤PAC(神経毒)は、増設により大量使用される懸念も否めない。ミジンコの遊泳阻害を起こし、魚のエラに吸着するこの薬品使用は、水産資源へ、食物連鎖へ、と多大な影響を及ぼすだろう。早急に安全な天然素材の凝集剤への切り替えの要望と共に、排水先となる川の上下流域でのモニタリングを申し入れた。

これまで着工当初、濁水の垂れ流しや重金属土の放置について鉄道・運輸機構八雲鉄道建設所の所長(前任)への改善申し入れは聞き入れられず反故にされてきた。しかし、新しく着任した所長の真摯な対応で最低限は必要な改善の兆しが、ようやく一歩見られた。国策だろうが何であろうが、聞く側の人格、心構えひとつで変えることは出来るということだ。そして、訴える側も諦めずに相手に理解して貰えるまで訴え続けることだ。北海道新幹線の札幌延伸工事は、まだ始まったばかりで未知であり何が起こるか分からない。問題が生じてからでは遅い。「何が問題で何がいけないのか」、住民も事業者も学んで行かなければならない。

 

北海道新聞(道南版・2016年11月25日付)

2016-11-25・北海道新聞・立岩トンネル工事・赤線

 

サケの記憶(上田宏著・東海大学出版部刊)

新刊紹介。サケが生まれた川に戻ってくる不思議な習性。この謎解きに挑んだ好著です。川の水の臭いの記憶に始まる母川回帰の謎、太平洋からオホーツク海、ベーリング海への壮大な旅路の謎、その謎解きの数々が紹介されています。

 

川の水の臭いの違いを記憶するのは、サケの鼻の中にある水の臭いをかぎ分ける「嗅覚細胞」です。この細胞があって川の水の違いを区別して、生まれた川に戻ってくることができるのです。もしも、この「嗅覚細胞」の数が減少したり、損なわれたらどうなるのでしょうか。正常に機能しなければ、サケは川の水の違いを記憶することができなくなるかも知れません。

現在のところは、重金属の「銅」が、サケの嗅覚細胞の数を減少させることが明らかにされています。しかし、道路工事などで地盤材として利用されている「鉄鋼スラグ」やトンネル工事などで出土する重金属含有土などに含まれるフッ素、六価クロム、カドミウムやヒ素、鉛など、他の重金属類、あるいは濁水処理で使用される有機系凝集剤などの科学薬品類については、どのような影響があるのかなど、ほとんど調べられていないことが分かってきました。

 

報道(北海道新幹線トンネル工事による掘削土問題)

北海道新幹線、函館→札幌間の延伸工事によるトンネル掘削中の八雲町立岩。フッ素、鉛、セレンなどの有害重金属含有の掘削土の扱いに関する記事。北海道新聞(2016年11月13日付)

● 2016-11-13・北海道新聞・書き込み

八雲町のみならずトンネル延伸地域は、掘削土による土壌汚染や地下水(井戸水)汚染、水産資源への影響など、将来に禍根を残さぬ処理対応に応えるよう、事業者に対して要望しなければならない。事業者の説明だけで判断せず、現場で行なわれている処理実態を確かめなければならない。適正な処理にはお金がかかるが、事業者に予算はない。無関心でいれば、垂れ流しとなる。あなたの町は、大丈夫ですか?

伝えられない二つの真実。南富良野町幾寅の水害。

南富良野町で被災された皆様にはお見舞い申し上げます。

2016年8月31日、南富良野町幾寅市街地で空知川の堤防が決壊した2つの箇所を見て、驚いた。堤防が決壊した2箇所ともが、2007年6月12日に堤防の前にあった河畔林を、すべて伐り払って行われた護岸工事の箇所だったからだ。

今から9年前の2007年6月に行っていた南富良野町空知川の護岸工事は、実に中途半端に終わったまま、次にどこが被災するかが予測できるような工事であった。意図的に、堤防を被災させ、次の工事を生み出すための工事ではないかと疑問を抱いていたことと、河川管理者の自作自演の災害起こしと補修工事興しの事例として取材を行い、記録のために撮影を続けてきた。

2014年6月25日のGoogle Earthの写真・①と②及び③と④の箇所には河畔林が無い。2007年6月12日の護岸工事の際に、河畔林を伐り払った箇所だ。
写真の①②③④で示した箇所には河畔林が無い。2007年6月12日の護岸工事の際に、河畔林を伐り払った箇所だ。※写真内に流域ネットが番号(①②③④)を書き込んでいます。
②から①方向を見る。上流の破堤した堤防で行われていた工事。堤防と澪筋の間にあった河畔林がすべて伐り払われた。
②の位置から①の上流方向を見る。この護岸工事で堤防と流路の間にあった河畔林はすべて伐り払われた。撮影:2007年6月12日
②の破堤した堤防で行われた工事で、堤防と澪筋の間の河畔林が皆伐された。
②の箇所では、堤防と流路の間の河畔林が皆伐された。撮影:2007年6月12日
堤防と流路の間の河畔林をすべて伐り払って護岸工事が行われた。撮影:2007年6月12日
堤防と流路の間の河畔林をすべて伐り払って護岸工事が行われた。撮影:2007年6月12日
堤防と流路の間はすべて河畔林が伐り払われ、護岸工事が行われた。が、大平橋の河畔林は残されている。撮影:2007年6月12日。
堤防と流路の間のすべての河畔林を伐り払って、護岸工事が行われたが、大平橋の河畔林は残されている。撮影:2007年6月12日

堤防と流路の間の河畔林は、堤防に直に水流が当たらないようにクッションとなって、堤防を守る役割がある。その河畔林を皆伐したのだから、増水時には激しい流れが”速い流速のまま”、堤防に押し寄せ、直撃し洗掘させた可能性がある。そして、堤防へ水流を引き込むために、途切れた河畔林の場所で(Google Earthの写真⇒赤点線円)、一気に水位を押し上げることになる。その結果、水は堤防から溢水した可能性が高い。

Google Earth・破堤箇所-002
河畔林を伐採したところに水流が呼び込まれる。その結果、赤線円の河畔林に水流がぶつかり、水位がせり上がる。つまり、河畔林を皆伐したことで破堤の危険が増した。※写真内に流域ネットが図(赤線○)を書き込んでいます。

2006-06-08%e3%83%bb%e5%8a%a0%e5%b7%a5%e6%b8%88%e3%83%bb%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%a0%e3%83%bb%e7%a9%ba%e7%9f%a5%e5%b7%9d%e3%83%bb%e8%ad%b7%e5%b2%b8%e5%b7%a5%e4%ba%8b%ef%bc%88%e5%b9%be%e5%af%85%ef%bc%89

2007年当時、北海道開発局石狩川開発建設部は、「壊れた護岸の補修」と「古い護岸の改修」、及び、「流下障害を取り除くために河畔林を伐採」した。河畔林の伐採については、滝川の日本野鳥の会から「繁殖中の鳥はいないので、伐採しても問題はない」というので、影響評価済みの環境に配慮した伐採だと説明していた。

※石狩川開発建設部は平成22年に札幌開発建設部に統合された。

しかし、この2箇所が破堤したのだから、奇異なことだ。

読売新聞・破堤と金山ダム湖
※写真内に流域ネットが数字(①②③④)を書き込んでいます。
Google Earth・破堤箇所-004
破堤した2箇所は護岸工事をした箇所である。上流側は河畔林を伐採したために、堤防側へ水流が直撃するように流れ込む。一方、下流側は堤防へ入り込んだ水が河畔林と大平橋にぶつかって水位がせり上がる。破堤させる「からくり」のように「仕掛け工事」が行われたも同然である。※写真内に流域ネットが図(赤色)を書き込んでいます。

もう一つ重要な証言がある。幾寅在住の知人は、「金山ダム湖から水が空知川の上流へ向かって逆流しているように見えた」と言っている。

Google Earth・金山ダム湖と冠水区域-000・

金山ダム湖から水が空知川上流へと逆流しているように見えたという。空知川の水がダムのためにはけきれず、上流へと水位が上昇していた可能性がある。
凡その冠水区域を図で示す。金山ダム湖から水が空知川上流へと逆流しているように見えたという住民の証言は、水没した市街地と金山ダム湖が一体化していたことを示唆する。金山ダムが空知川の水はけを阻害し、上流へ向かって水位を上昇させたことが破堤の原因と疑われる。※写真内に流域ネットが図(赤色)を書き込んでいます。

読売新聞・破堤と金山ダム湖

時系列で検証すると、この証言と合致するのである。

河川管理者は、破堤の時刻を8月31日午前4時40分と発表。

URLhttp://www.hkd.mlit.go.jp/topics/press/press_h2809/02_gaiyou.pdf

河川管理者は、金山ダムから洪水調節のための放流は、同日午前5時40分から始めたと発表している。

URL: http://www.hkd.mlit.go.jp/topics/press/press_h2808/31_houdou5.pdf

つまり、破堤した午前4時40分には、金山ダムの水位が上昇していたことになる。空知川の流入部から水位が上流へ向かって、証言の通り目に見えて分かるほど上昇していたということだ。即ち、南富良野町幾寅の水害は、ひとつに「金山ダムの放流操作のタイミングを逸したこと」で空知川の水位を押し上げたこと。もうひとつは「2007年6月12日に行った護岸工事で河畔林を伐採したこと」が、破堤した堤防付近の水位を押し上げるという事実があったからだ。

南富良野町幾寅の水害は、河川管理者である北海道開発局石狩川開発建設部(現・札幌開発建設部)の2つの不手際によって引き起こした「人災」による破堤なのではないか。

北海道開発局石狩川開発建設部(現・札幌開発建設部)は、南富良野町側の防災体制(伝達)の不手際を強調しても、自らが管理するダム操作の不手際や護岸工事の不手際には触れない。そして、メディアも万事のように、河川・防災学者らが「異常気象による水害」という解説に洗脳されたように私たちに映像を提供するだけである。河川・防災の専門家がもしも良識のある科学者であるなら、科学的な原因究明をしなければいけない。住民の証言を検証することもなく、己の驕りに酔いしれた傲慢な科学をしてきたから、同じような災害が多発しているのである。

「人災」を「天災」としておけば、誰の責任も問われることなく平和な解決策なのだろう。しかし、都合の悪い真実を隠せば隠すほど、災害の規模は益々拡大し、今後も更なる被災者、犠牲者を生み出していくだけである。

※ 施工者名を訂正して、お詫びいたします。

誤:「北海道開発局旭川開発建設部」⇒ 正:「北海道開発局石狩川開発建設部」⇒ そして、平成22年に「札幌開発建設部」に統合された。

※読者様の指摘を受けて10月13日に訂正。その後、北海道開発局に確認し、訂正しました。

北海道新幹線トンネル工事で出る有害重金属掘削土の処理実態。2016年7月12日取材。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行っている北海道新幹線の延伸トンネル工事(八雲町立岩)では、掘り出した有害重金属を含む土を農家の地盤材としての有効利用を推奨し、サケの遡上する河川流域への持ち込みを進めていたが、土壌浸透による「地下水汚染」、「河川水汚染」、「沿岸海域汚染」を懸念した住民や漁業関係者たちの声により、工事現場の敷地から外へ持ち出せなくなった。

現在、敷地内には行き場を失った有害重金属含有の掘削土が、どんどん積み上げられている。2016年7月12日、機構の立ち会いの元、工事現場を視察取材した。

立岩トンネル工事現場(八雲町)
左奥がトンネル抗口。道路の左手には濁水処理施設(薬品・PAC凝集剤「神経毒」を使用)がある。その横に濁水再処理用の沈澱池が増設されている。右手の茶色の盛土が無害な掘削土。灰色が有害重金属を含有する掘削土である。立岩トンネル工事現場(八雲町)撮影:2016年7月12日
山積みされ続ける有害重金属を含有する掘削土。撮影:2016年7月12日
敷地に山積みのまま、持ち出せない重金属土。撮影:2016年7月12日
有害重金属含有の掘削土は工事現場敷地所狭しと積み上げられ続けている。撮影:2016年7月12日
重金属土は、敷地内にどんどん溜まり続けている。撮影:2016年7月12日
排水溝にはゴム製の遮水シートが敷かれたが、有害重金属含有の掘削土は防水シートの上にどんどん積み上げられている 撮影:2016年7月12日
重金属が溶出した雨水を流す側溝は、取材前は素掘りだったが、ゴム製の遮水シートが被されていた。この側溝に集まった浸透水は、雨水沈澱池に送られる。撮影:2016年7月12日
こちらは降雨時に敷地内で発生する濁水を処理する雨水沈澱池。撮影:2016年7月12日
雨水沈澱池。(敷地内の濁水をろ過する) 5つの区画に分けて順にろ過し、上澄みが排水されるようになっている。撮影:2016年7月12日

ろ過する役割であるヤシ繊維フィルターは、泥で目詰まりしたまま放置されていた。

2016-07-12・立岩トンネル工事現場敷地内の雨水沈
5つに仕切られた溜めますは、それぞれで濁水をろ過するためのバイオログフィルター(ヤシの繊維)で仕切ってある。バイオログフィルターは繊維が細かく目詰まりしやすく、すぐにろ過が出来なくなる。常時の監視と迅速な交換が必要なのだが、機構は、「交換した記憶がない」と言う。したがって濁水はろ過されることなく排水されていたということだ。撮影:2016年7月12日
雨水沈澱池周りには濁水が溢れ出したような痕跡が見られた。
雨水沈澱池周りは、濁水が溢れ出した痕跡が見られた。敷地内の濁水を処理するには沈澱池の規模が小さすぎる。このような所にこそ、予算を投入して万全な対策が必要であることを求めると、機構は「もっともです」と頷くが。沈殿池そのものさえ、機能していないのだから、濁水は無処理のまま、遊楽部川へ流れ出たことになる。撮影:2016年7月12日
有害重金属含有掘削土から雨水で溶出した水は沈殿槽に集められ、ホースで吸い上げて、PAC処理施設へ送られるようになっていた。撮影:2016年7月12日
重金属土から流れ出た濁水を、機能しない雨水沈澱池に流し込むのは、さすがに「まずい」と判断したのか、新たに沈殿槽を設置していた。ヤシのフィルターではろ過は限界。濁水はホースで吸い上げて、PAC処理施設へ送るようにしたという。しかし、これも規模が小さく、溢れ出すことに違いはない。撮影:2016年7月12日
PAC処理施設で濁水処理しきれなかった濁水を再処理するために仮置きする濁水沈澱池を設置した。撮影:2016年7月12日
想定外の敷地内の濁水まで処理する必要になったPAC凝集剤(神経毒)添加処理施設では、処理能力を超えた為、処理しきれなかった濁水を再処理する為の仮置き用の濁水沈澱池を新たに設置していた。撮影:2016年7月12日

機構は、立岩トンネル工事で発生する濁水処理の方法は、①トンネル坑内で発生する濁水は、PAC処理施設で処理後に遊楽部川へ排水する。②工事現場の敷地内で発生した濁水は、「雨水沈澱池」に集めて、バイオログフィルター(ヤシの繊維フィルター)で、濁水をろ過してから遊楽部川へ排水するという説明をしていた。

ところが、実際に取材で明らかに判ったことは、敷地内の足元はシルト状の泥が堆積し、乾土は埃りになって舞っていた。機構も交換した覚えがないという沈殿池のバイオログフィルターは、目詰まりして機能しておらず、それどころか「雨水沈殿池」は規模が小さすぎて、降雨の度に、「自ら水没」していたということだ。

重金属土から流出した濁水は、側溝から溢れ出した。急ごしらえの鋼鉄製の沈澱槽からも溢れ出した。濁水は未処理のまま、遊楽部川へ垂れ流されていた。そこで機構は、ポンプで、雨水沈澱池や鋼鉄製の沈澱槽からシルト状の泥を吸い上げてPAC凝集剤(神経毒)添加処理施設に送るようにしたと言う。しかし、PAC処理施設は敷地内の濁水や泥の処理を想定したものではない。現に、川に濁水が見られたときの排水は、雨水沈澱池からの排水だけで、PAC処理施設からの排水は無かった。一旦は施設に送り込んだものの、処理能力を超え、雨水沈澱池に戻されて排水していたということだ。そもそも敷地内に重金属土を仮置きすることなど想定していないから、今の事態に甘んじたまま、遊楽部川へ排水され続けていたことになる。

2016-03-17・加工済・北海道新幹線立岩トンネル工事現場からの濁水・KAZ_0057
このような濁水が排水されても、モニタリングはされていない。誰からも指摘を受けなければ、重金属土の濁水は、無処理のまま垂れ流しされ続ける。撮影:2016年3月17日
降雨時に何度も濃い濁り水が排水されていた 撮影:2016年7月2日
降雨の度に、酷く濁った水が遊楽部川へ排水されていた。 撮影:2016年7月2日

機構は年に2回、プラント施設でのPAC凝集剤添加処理後の排水を検査するとしている。これまで有害重金属が含まれるような排水は無かったと説明しているが、雨水沈澱池から排水される濁水についてはモニタリングしていない。

取材時に、雨水沈澱池に残っている濁水と、堆積した泥の成分について問い合わせたところ、濁水と堆積泥の成分が公表された。尚、当会が、2016年6月26日に下記の地点で採取した濁水の分析データも以下に添える。

●モザイク●2016-06-26・写真付き・北海道新幹線
雨水沈澱池からの排水される濁水を採取。撮影:2016年6月26日
立岩トンネル工事現場内の雨水沈澱池の成分表。上欄は濁水1リットルあたりの含有重量、下欄は雨水沈澱池に堆積した泥成分について1kgあたりの含有量を表示している。
立岩トンネル工事現場内の雨水沈澱池の成分表。上欄は濁水1リットルあたりの含有重量、下欄は雨水沈澱池に堆積した泥成分について1kgあたりの含有量を表示。(採水年月日が?になっているのは、採水した日を訪ねても機構が現時点で回答してない為)

機構は、有害重金属はPAC処理水からは検出されないとしていたが、各成分表から雨水沈澱池の濁水及び沈澱土質には有害重金属が含有していることが判明した。工事現場の敷地内に積み上げられているトンネル掘削土から、有害重金属が流出(溶出)していることは明らかである。

機構は、PAC処理施設に送っていた沈澱槽・池の濁水及び沈澱土質をモニタリング(分析)さえしていれば、検出した有害重金属の状況を把握でき、適切な対処が出来た筈である。頻繁に濁水が流れているというのに、年2回の採取で尚且つ、濁水の発生していない条件下で、PAC処理施設だけの排水を分析していた事が、いかに不備であったのか。機構の不適切な対応が浮き彫りになった。

当会は、プラントの設備計画当時から、トンネルで異常出水した際、この施設では規模が小さ過ぎるので、もっと大きな沈澱池を設けて対応するように申し入れていた。これに対して機構は、「国の基準に準じた施設であり、これ以上の規模の施設は、国の基準が不適切だということになり、国を説得することは出来ない」と回答している。しかし、今の現状を鑑みて、再度確認すると、「戸田建設が言ったことだ」と言い、工事請負業者JV責任者の戸田建設による根拠のない説明だと覆した。おかしな話である。計画当初、戸田建設は「機構の指導があれば対応できる」と言っていたのだから。

過日、この当会HPの新幹線トンネル工事関連ニュースをご覧になられた読者より、ご意見や資料を頂戴しましたので、了解のもと、一部記載します。

「記事に大変衝撃を受けました。北海道新幹線で皆様盛り上がっているように見えた裏ではこのような問題が起こっていたとは大変衝撃的でした」

「新幹線村山トンネル工区に於いても掘削された有害重金属を試験盛り土形成し下部からの溶出状況を確認している模様です(機構発注⇒コンサル受注;北大主導です)・羊蹄山・昆布・手稲等新幹線トンネルの殆どが有害重金属が含有され処分地(管理地)が決まっていないようです。(自治体に有害重金属が含むとも説明していない)」

東北新幹線工事では、八甲田山トンネル工事の際に出土した有害重金属含有の掘削土は、ゴム製の遮水シートを敷いた上に置き、完全管理型の保管施設に保管されているという。

では何故、北海道では本州と同じ扱いがされないのだろうか…?

防水シートを重ねた上に、土壌浸透防止のマットを敷いているだけである 撮影:2016年5月1日
北海道での重金属土の対策は、防水シートを重ねた上に、土壌浸透防止のマットを敷いているだけである。 撮影:2016年5月1日

新幹線トンネル工事から出る有害重金属土の扱いについて、北海道が委ねる専門家の言い分はこうだ。「土壌浸透させれば土中で土壌成分に有害重金属が吸着するので地下水や河川水への影響はない」…。

行政も道民も事業主体者、建設会社も、立場は違えど皆同じ「北海道に住む人」である筈。予算に相まった都合のよいことしか言えない(言わさない)専門家が何だと言うのだ。専門家の知見だの、国が決めたのどうのと言う前に、現場で果たせる責任は、自身の意識の中にあることだと問いかけよ。利権のない道民も、せめて自分の暮らす地域で起きているトンネル工事に不安や問題を感じたら、必要なことは、声を上げて意見を伝えるべき。北海道の大地に孔を開け膿を出したまま目を瞑っていては、己に、次代に、「しっぺ返し」を被る。侮ってはいけない。

北海道新幹線 最長トンネルさらに長く 工事計画変更

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は22日、2030年度完成を目指す北海道新幹線新函館北斗―札幌間の工事計画を一部変更すると発表した。国内最長の陸上トンネルとして工事中の渡島トンネル(北斗市―渡島管内八雲町)は村山トンネル(北斗市)と一体化され、全長32・7キロの長大トンネルとなる。地上駅で計画されていた倶知安駅(後志管内倶知安町)は地元の要望を受けて高架駅に変更する。

村山トンネルと渡島トンネルの間(約0・9キロ)は当初、橋と高架橋で結ぶ予定だった。しかし、坑口の地質がもろいことが分かり、線路の勾配を変更して両トンネルを1本につなぐこととした。渡島トンネルは、現在国内最長の東北新幹線八甲田トンネル(青森県)を15メートル上回る長さで計画されていたが、完成後は八甲田トンネルより6・2キロ長くなる。また後志管内ニセコ町と倶知安町にまたがる羊蹄トンネル(9・8キロ)は、地表面近くに位置を変更した。地下水脈を調べた結果、当初計画だと、農業用水の水源に影響が出る可能性が出てきたためだ。

 

沙流川の今。2016年7月29日

清流であった沙流川のアイヌの聖地を水没させた違法ダム「二風谷ダム」。ダムは満杯に泥で埋まっている。国の膨大な予算を使って計画された当時の役割を、完全に失っているダムである。

雨が降る度に、沙流川は泥水が流れ、今なおダムは泥を溜め続けている。

二風谷ダム流れ込みには貯砂ダムがあり、橋が架かっている。その橋の上から上流を見た。左が沙流川本流、右が支流の額平川である。額平川は平取ダムが建設中である。
二風谷ダム流れ込みには貯砂ダムがあり、橋が架かっている。その橋の上から上流を見る。左が沙流川本流、右が支流の額平川。額平川の上流では平取ダムが建設中である。
貯砂ダム(堰)を越えて流れ込むひどい泥水
貯砂ダム(堰)を越えて、二風谷ダムに流れ込む酷い泥水。
貯砂ダムを越えて二風谷ダムに流れ込むひどい泥水
貯砂ダムを越えて二風谷ダムに流れ込む酷い泥水。

二風谷ダムは膨大な泥を溜め込んで埋まっている。繁茂したヤナギが陸地化していることを教えてくれている。

ほどんと泥で埋まった二風谷ダムの淡水域。ヤナギが繁茂しているのは浅くなっている証拠だ。巨大なダムなのに、あり得ない光景なのである。もはや、治水能力を失ったダムなのだ。
泥で埋まった二風谷ダムの淡水域。ヤナギが繁茂しているのは浅くなっている証拠。巨大なダムなのだが、あり得ない異常な光景である。もはや、治水能力を失ったダムなのだ。

こうして溜まった泥は、極々微細な為に、濁りはなかなか治まらない。ダムの下流域から河口まで泥を被せ、沿岸域まで埋め尽くしている。

清流・沙流川は、鵡川と並んでシシャモの繁殖河川である。この状況で繁殖が出来る筈もない。昨年、かつてないほどの不漁だったという。年々減少し、さらに資源が危機的な状況になっている原因は、この泥水にあり、その泥水を生み出しているのがダムである。専門家たちが、それに全く触れないのは何故なのか、不思議でならない。

そして、支流の額平川には、新たに「平取ダム」が建設中である。

額平川の支流宿主別川の橋の上から平取ダム建設現場を見る。正面の山が神聖な山「チノミシリ」である。
現在、建設中の平取ダムの上流。(額平川の支流・宿主別川の橋上から平取ダム建設現場を見る)正面の山が、神聖な山「チノミシリ」である。そして、この豊かな流域一帯は、水没する運命を辿る。

平取ダム建設中の額平川も、そこへ合流する宿主別川もご覧のように酷い泥水となっている。これでは、清流・沙流川は更に酷い泥川にされてしまう。沙流川からシシャモの姿が消えるカウントダウンが始まった。

正面の山はアイヌの祈りの場といわれる神聖な山「チノミシリ」である。チノミシリに「穴を穿ち、ダム堤体を取り付け、麓を水没させる」平取ダム。

チノミシリの神の胸は、剥がされて杭を打たれた。
チノミシリの神の胸は、剥がされて杭を打たれた。
神が宿る山、チノミシリに群がる魔の手。
神が宿る山、チノミシリに群がる魔の手。現代人の英知の手?
ダム建設でチノミシリに穴を穿つ代替として、アイヌに贈られた神聖?な看板。
ダム建設でチノミシリに穴を穿つ代替として、祈りの象徴の替わりとして、アイヌに贈られた神聖?な看板。
神聖な山「チノミシリ」が崩れていた。平取ダムが完成すれば、さらに山は崩れることだろう。
神聖な山「チノミシリ」が崩れていく。平取ダムが完成すれば、貯水水域が山裾を浸食し、山は崩れ続け、ダムは瞬く間に土砂で埋まる。埋まれば、また上流にダムを造るとでも?負の連鎖は止まらない。

額平川、宿主別川の酷い泥水は、降雨の度に土砂や流木が後を絶たずして沙流川へと流れ下っている。確かに 平取ダムが完成すれば、その土砂・流木をダムが溜め込む。しかし、それは、瞬く間に膨大な量となり、土砂で埋まり、流木が押し寄せ、雨が降らずとも常に下流域一帯を泥川にさせてしまう。そして、大型台風で起こった大災害を招きかねない。あの二風谷ダムと同じように。

泥流と共に放流口に押し寄せた夥しい量の流木で、放水量が絞られ、二風谷ダムは決壊の危機に直面していたのだろう。これだけの流木が押し寄せれば、放流量を知ることも、ゲート操作も不能の状況にあったのだろう。撮影:2003年8月11日
二風谷ダム。泥流と共に、放流口に押し寄せた夥しい量の流木。放水量が絞られて、湛水域の水位が上昇し、二風谷ダムは決壊の危機に直面した。これだけの流木が押し寄せれば、放水量を知ることは出来ず、放水のゲート操作も不能となることを知る。撮影:2003年8月11日。

ダム下流に平取水位観測所があり、この時の水位は放水量に見合う水位よりも低い値を示していたのだ。驚いたことに、その後、北海道開発局は「計算式が間違っていた」として計算式を変更したのである。そして、二風谷ダムを護るために、下流の住宅は水没したままにされていたのだ。ダムは百害あって一利無し。映像をご覧ください。

二風谷ダムから放流し、水位が上昇しているのに、水門が開け放たれていた。逆流して民家は飲み込まれ、大量の泥を被る甚大な被害を受けた。撮影:2003年8月11日
二風谷ダムは、放水し水位が上昇しているのに、水門が開け放たれていた。放流水は水門から逆流して民家は飲み込まれ、大量の泥を被る甚大な被害を受けた。生命財産を護る筈のダムが、ダムを護る目的の放水を行い、下流の住宅が洪水に飲み込まれ、生命、財産の危機に陥り、住民は逃げ惑うことになったのである。撮影:2003年8月11日。
建設中の平取ダム付近にも大量の土砂が押し寄せ、重機を泥で埋めた。重機を埋めるほどの土砂の量は尋常ではない。撮影:2003年8月12日
現在、建設中の平取ダム付近にも大量の土砂が押し寄せ、重機を泥で埋めた。重機を埋めるほどの土砂の量は尋常ではない。降雨の度に、今でも膨大な土砂が流れてきている。撮影:2003年8月12日。

国土交通省及び北海道開発局(室蘭開発建設部)は、完成後、たった5年で満砂になった二風谷ダムに、これ以上、泥を溜め込まさない為に、上流で平取ダムの建設を進めている。しかし、ダムが完成した後の巨大ダムが引き起こす泥と流木の発生メカニズムは把握しているのだろうか?二風谷ダムの教訓は活かされているのだろうか?

そして、何よりアイヌ民族の暮らし、文化、沙流川流域で暮らす人、シシャモ漁師、次代への自然、資源を支えてきた清流・沙流川の「過去」も、「現在」も、「未来」も、失うことになる。平取ダムが抱えている事の重大さを、冷静に、真摯に現場に向き合い、今一度、振り返って考えていただきたい。

 

「トンネル掘削土に有害重金属が含まれている」…町民に広く知れ渡る

八雲町の立岩トンネル工事現場・撮影:2016年5月23日
八雲町の立岩トンネル工事現場・撮影:2016年5月23日
120mほど掘り進んだと言われる立岩トンネル。酪農の町、八雲町の顔でもある牧場を分断して建設が進められている。撮影:2016年05月23日
120mほど掘り進んだと言われる立岩トンネル。近年、「八雲牛」としてブランド化に熱心な八雲町。放牧された牛たちの前を牧場を分断して掘削は進む。撮影:2016年5月23日

北海道新幹線・函館↔札幌間の立岩工区(八雲町)で、トンネル掘削から出る有害重金属を含む土砂の扱いについて、新しい事実が出てきた。

3年前、独法・鉄道建設運輸施設整備支援機構(以後、機構)は、トンネル工事の掘削土の有効利用を八雲町に働きかけていたが、その際、機構は八雲町に「有害重金属が含まれている」ことを知らせていなかった。そこで、八雲町は、掘削土の受入先を町の広報誌で募集し、数件の応募を得た。

有害重金属を含むという記載はない。むき出しておくのではなく、地中に埋め込み、見えないようにすることが指示されている。八雲町広報誌「やくも」2013年7月号
有害重金属を含むという記載はない。むき出しておくのではなく、地中に埋め込み、見えないようにすることが指示されている。八雲町広報誌「やくも」2013年7月号

ところが、今年(2016年)の3月15日に開催された町民説明会で、機構は、掘削土に「自然由来の環境基準を超える有害重金属が含まれている」ことを明らかにしたのである。掘削土の受入先には、町が誇る自然も資源も豊富な遊楽部川沿いであることも明らかにした。

機構は、「遮水シート無しで敷地に盛土しても、有害重金属は浸透途中で土壌に吸着されて、環境基準値以下にまで希釈され、地下水へ排出されるので安全ですよ」と説明したのである。この発言は、有害重金属であっても自然界にもともと存在する「自然由来」のものなので、あたかも何の問題もないかのように判断を錯誤させる巧みな言い回しを使っていることに、機構への不誠実さ、不信感を否めない。

判断を誤ってはいけない。

誤魔化されてはいけない。

騙されてはいけない。

「有害重金属」そのもの以外の何物でもないのだ。

町民説明会後、井戸水への影響を心配する住民の声や、水産業への影響を懸念する漁業者からの声が上がり、「トンネル掘削土に有害重金属が含まれている」ことが、町民に広く知れ渡ることになった。

機構は、これまで有害重金属を含む掘削土は、遮水シートを敷き詰めた管理型置き場をつくり、そこに盛土し、常に浸透水をモニタリングしながら、適切に対応・管理していくと説明していたのだが、管理型置き場の話は、いつの間にか消えていた。いや、この話はもともと理想理念であり、現実には無かったかのようだ。はなから有害重金属の置き場を、どこにも造っていなかった機構は、町民を騙すことに失敗し、掘削土を持ち出すことが出来なくなってしまった。その結果、写真のように立岩トンネル工事現場の敷地内にどんどん山積みせざるを得なくなっている。

持ち出すこともできず、積み上げ続けられる有害重金属含有の掘削土:撮影:2016年5月23日
工事現場から持ち出すことも出来ず、積み上げ続けられる有害重金属含有の掘削土・撮影:2016年5月23日

有害重金属「フッ素」や「鉛」を含む掘削土から、土壌浸透しないように、「遮水シート」ではなく「防水シート」を敷いていると説明しているが、その実態は、呆れたものだ。

防水シートとは化繊の織物だ。かつ、すき間だらけに置いただけのものだ。有害重金属土壌浸透ダダ漏れだろう。横に流れた水は溝から土壌浸透するし、溢れ出したら、牧草地を汚染する。呆れるばかりだ。
防水シートとは化繊の織物で、すき間だらけのシートであり、これでは有害重金属は、土壌浸透し、地下水を汚染する。牧草地は汚染する一方である。撮影:2016年5月29日
有害重金属含有の掘削土のずさんさが見える。こんな管理をしていたのでは、有害重金属が水に溶出、土壌汚染、さらには地下水汚染へと広がるばかりだ。
いかに新幹線トンネル工事の掘削土処理のずさんさが判る。撮影:2016年5月29日
有害重金属含有の掘削土のずさんな管理をよく見ていただきたい。遮水シートも防水シートもないところに置いている。
有害重金属含有の掘削土のずさんな管理をよく見ていただきたい。遮水も防水シートもない。「適正な管理をします」と言って、見えなければ、こんなずさんな管理しかしない訳だ。撮影:2016年5月29日

土壌汚染、地下水汚染、河川水汚染、沿岸海域汚染へと広がっていき、その影響はとめどもなく大きなものになるだろう。当初の説明通りに、管理型の有害重金属置き場を設置して、次の世代に対して禍根を残さないよう、機構は責任を持って管理と対策をするべきだ。

風の強い日に現場を見て、ぞっとした。ここまで意識が欠けているのかと怒りすら感じる。八雲町の基幹産業である酪農業への配慮すらも微塵もない。

有害重金属が風に煽られて砂塵となって牧草地に降り注がれている。
有害重金属が風に煽られ砂塵となって牧草地にばらまかれる。撮影:2016年5月28日
有害重金属の砂塵がばらまかれる脇の牧草地で牧草を食む乳牛。機構さん、乳牛たちへの影響はないの…?
有害重金属の砂塵がばらまかれる牧草地で牧草を食む乳牛。 撮影:2016年5月28日

新函館農業協同組合八雲基幹支店はこうした事実は知っているのだろうか?機構と各団体とは協議しているから大丈夫という八雲町役場の立場だが、機構は都合の悪い真実は話さない。己の目で、現場を確認するしかないのだ。

有害重金属の粉塵が国道277号線にばらまかれ、汚染が拡大するばかりとなっている。あまりにもずさんな工事現場だ。
有害重金属を含んだ粉塵は、国道277号線にも飛散している。通行車は、窓を開けない方が賢明だ。

機構も、建設会社も有害重金属の扱いの意識が薄く、目に余るずさんな工事現場である。

立岩トンネル工事現場に掲げられた看板。撮影:2016年5月1日

工事施工者:戸田建設㈱が、現場代理を担っている。

機構は、新幹線は国策だから北海道の田舎者なんて、適当にあしらっておけば良いんだとでも思っていたのだろうか?国の天下り企業が、これ程ずさんな計画しか手がないまま、ひたすらトンネルを掘っている様が、滑稽に見えてくる。

独法・鉄道建設運輸施設整備支援機構は、北海道に新幹線を延伸させることに、闇雲に猛進する前に、この地で暮らす北海道民も、食や観光を支える資源の恩恵を受けている、その北海道の自然環境も大事な財産であることを忘れてはならない。これこそに損失を招きかねない事態を及ぼせば、新幹線を「経済の活性化」などと盛り上がる北海道を欺くことになる。さぁ、どんどん掘って、どんどん溜まるこの残土、一体、どこへどのようにして管理するのか?私たちは、真実のみが知りたい。

「函館↔札幌間トンネル掘削土の処理方法の危うさ」    サケ・サクラマスの母川回帰に影響はないのか…?

2016年3月26日に華々しく新幹線が北海道へ上陸。ただ華々しかったのは、開業日だけ。それでも乗車率は61%だった。現在、平日は最低で17%、開業から16日間の平均は27%。この先、年間赤字が約48億円と見込まれ乍ら、函館から札幌まで7割以上がトンネルという「もぐら新幹線」工事が始まっている。

問題なのは、北海道の山々を掘り起こし、土中で眠る有害重金属を放出させた後の処理の危うさである。八雲町立岩トンネル工事ではフッ素・鉛が含まれる掘削土が工事現場に山積みされ、どこか?へ運び出されている。

2016-04-07・加工済・立岩トンネル掘削工事入口・KAZ_0078
八雲町・立岩トンネル工事現場
2016-04-07・加工済・北海道新幹線・立岩トンネル工事現場・右の灰色の盛土がフッ素含む掘削土・KAZ_0077
右の灰色の盛土がトンネル内から掘り出された”自然由来の”フッ素・鉛など有害重金属が含まれるトンネル掘削土。

トンネル工事ではフッ素・鉛・セレンなどの有害重金属を含む掘削土が大量に排出される。この処理について、独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構に説明を求めると、「遮水シートを敷いた管理型保管施設で浸透水を確認しながら適切に管理していく」と回答していた。ところが、この掘削土を、地元農家へ土地の地盤材への利用を勧めて募っていたことが発覚した。(住民説明会・2016年3月15日)しかも野生サケが遡上する遊楽部川に隣接する敷地に保管することが決まり、一部でに投棄が始まった。八雲町は酪農と漁業が主幹産業である。

2016-03-15・北海道新幹線・立岩トンネル説明資料
立岩トンネル工区の有害重金属が含まれる地層図。2016年3月15日・八雲町住民説明会で配布された資料(提供・独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構)

機構は、「”自然由来の”有害重金属だから、遮水シート無しでも土壌に浸透させて吸着させるので、敷地から外へ流れ出しても環境基準内に収まるから影響は無いと考えている」と説明している。

北海道の水産業はサケ・サクラマス漁に支えられている。サケ・サクラマスは、母川回帰の習性があり、生まれた川に戻ってくる。この習性が北海道の水産業を支えている。母なる川の水のニオイを嗅ぎ分ける能力を持っているからだ。その能力をつかさどる器官が嗅細胞だ。北大水産学部の時代からサケの母川回帰の習性に着目し、ニオイを感知する嗅細胞の研究に取り組まれてきた北海道大学・上田宏特任教授は、重金属の銅がサケの嗅細胞数を減少させると報告している(2006年)。フッ素、鉛、セレン…その他の有害重金属ではどうなのだろうか。ところが、どのように影響を与えるのかについては現段階では誰も調べていないことが分かった。これらの有害重金属が嗅細胞に影響を与え、母川回帰の能力が失われるようなことがあれば、北海道の水産業は大打撃を被る。

機構の行為は大問題を孕んでいるのだ。

まさか、有害重金属を遮水シート無しで投棄するようなことなど誰も想定していなかっただろう。トンネル工事で発生する有害重金属土について機構は、土壌汚染対策法の規制外と説明し、自主的に対策をしているとの立場だ。(2016年4月5日)

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構からの回答

有害重金属が含まれるトンネル掘削土は規制の対象外ということが露見した。また、フッ素・鉛・セレンなどの有害重金属が含まれた濁水はPAC(神経毒を含む)で添加処理され、処理後の水は遊楽部川へ放流されている。

2016-03-27・加工済・濁水処理水の放水口・立岩トンネル工事現場・KAZ_0283
トンネル内で発生したフッ素・鉛・セレンなどの有害重金属が含まれた濁水はPACによって濁水処理されて、遊楽部川へ流されている。
2016-03-27・加工済・濁水処理水の放水口・立岩トンネル工事現場・KAZ_0287
フッ素や鉛が含まれ、白濁し、泡立っている。
2016-03-27・加工済・PAC濁水処理水は遊楽部川へ排水される・KAZ_0327
フッ素や鉛の濁水がPACで処理された後、サケ・サクラマスなどの母川回帰する魚が棲む川へ放出されている。ホタテのラーバへの影響も未確認のままの放出だ。
2016-03-27・加工済・濁水処理水の放水口・立岩トンネル工事現場・KAZ_0345
フッ素・鉛の有害重金属が含まれる濁水処理後の水は灰色をしている。フッ素や鉛の影響が母川回帰へ影響を与えたらどうなるのだろうか。また、ホタテのラーバ(幼生)への影響についても機構は答えない。重大な危険性を孕んでいるのに不誠実な対応がされている。

独法・鉄道建設・運輸施設整備支援機構がトンネル工事を始めてから、北海道の自然、資源や暮らしに危機と不安が膨らむ。函館から札幌まで現在、19ものトンネルが掘削中である。

八雲町では、この掘削土を投棄する周辺で、井戸水を利用している農家がある。ところが、機構はそれを把握していなかった。「井戸水を使用している農家に、いつ、どう説明するのか?」と聞くと、「投棄が決まってから知らせる」と言う。 ………あなたの町で行われているトンネル工事による掘削土の処理方法や濁水処理に使用される薬品について、十分な検証と説明を受けていますか?怪しい自然由来と基準内という免罪符つきの有害重金属の汚染を、「環境基準内」という言葉で済ませて大丈夫ですか? (水は?水産資源は?イトウは大丈夫ですか?)重金属含有の残土の保管も、神経毒含有の薬品添加の濁水放出も、環境に影響を与えない対策は出来るのです。それには、事業者任せにしないで、疑問は声にし、正しいことを求める。私たちが関心を示す姿勢こそが大事なのです。

農林水産省、環境省や国土交通省、厚生労働省は、実際の現場での処理の在り方が、こうした機構の自主的な対策、(しかも、ずさんな)でしかないものであることを知っているのだろうか…?新幹線が国策だと言うなら、しっかりと監督・指導をしていただきたい。

 

北海道新幹線開業…函館↔札幌間は76%がトンネル。各地で掘削が始まったが…。

「新幹線が北海道にやってくる」

連日、軌を逸したように営業メリットだけを囃し立てた報道がされているが、積み残されたデメリットの課題については全く報道されはしない。新函館北斗駅から札幌駅までの76%がトンネルである。いよいよ北海道では噴火湾へ注ぐ河川一帯を跨る山々でも、8年間に及ぶトンネル工事が着手され始めた。

トンネル掘削では大量の濁水が発生する為、濁水処理が課題となる。

濁水処理にはPAC(ポリ塩化アルミニウム)という発がん性のある有機系凝集剤が使用される。神経毒、蓄積毒であるアクリルアミドのモノマーは魚のエラに吸着する。ヒメダカは48時間で50%が死亡、粉末凝集剤では100%死亡するという毒性が認められているものだ。プランクトンであるミジンコでは、100%が遊泳阻害を受けることも解っている。

噴火湾に注ぐ川にはサケやサクラマスが遡上している。川底に産み落とされた卵、ふ化したばかりの稚魚はメダカ以上に影響を受ける可能性がある。しかし、トンネル掘削工事の濁水処理に添加されるPAC凝集剤の8年にも及び使用し続けることによる影響については、鉄道・運輸機構も建設会社も「わからない」と言う。

噴火湾は沖合5,000mまでホタテのケタを吊り下げた大養殖場でもある。ホタテの子どもはプランクトンである。ホタテが食べる餌もプランクトンである。そのホタテは北海道の大事な産業であり、学校給食の献立にも推奨されている。神経毒、蓄積毒、発がん性があるPAC凝集剤を長期使用することに、北海道は黙っているのだろうか?どうしても解せないのが、なぜ、このPAC凝集剤を使用しなければならないのかだ。本州では、既に大手建設会社は環境保全・生態系保全の観点からダムやトンネル工事で使用してきた有機系凝集剤を、現在では天然素材に転換している。しかし、北海道でトンネル工事に着手している建設会社は、「コストがかかる」「既に薬剤を購入している」「作業効率が悪い」という理由で代替はしないと結論している。そして、鉄道・運輸機構は、「環境基準を満たしていれば、咎めない」と言う。有機系凝集剤の環境基準値は「国交省」と「環境省」が設定しているが、基準値の甘い方の「環境省」基準に基づいているのだそうだ。

漁業受益者たちは補償の取り決めをしているようだが、実際に影響が出てもトンネル工事の濁水処理剤による影響であると特定することは、困難であり不可能であろう。どの世も「因果関係は認められない」ということだ。環境も生態系も最もだが、何より「食の安全」を最優先に考え、漁業者はより安全な無機系凝集剤あるいは天然系素材の凝集剤への転換を求めていただきたい。未来に起こる影響の原因を特定することは非常に難しいことなのだ。

ここにPAC凝集剤添加後の放流地点から下流で発生する影響を予測して列挙する。

●1:サケやサクラマス、キュウリウオ、その他の魚類に卵・稚魚の段階で影響を与え、蓄積毒は将来の水産資源にダメージを与えることになる。

●2:噴火湾のホタテ養殖においては、ラーバや稚貝、幼貝そのものへの影響の他、稚貝から成貝に至るまでが、汚染プランクトンを餌として食すことになる。出荷ホタテに至るまで広範囲に影響が及ぶことになる。

●3:噴火湾は遠浅の海底が広がっている為、波浪によって沈澱したモノが巻き上げられることは科学的に解明されている。即ち、PAC凝集剤の付着物が海底に沈澱堆積した場合、ホタテ養殖カゴが有毒な攪拌物によって包まれ、その影響は避けられない。斃死が続出したり、出荷が出来なくなることは免れない。

事業主体者は、河川から海域に多様な魚介類への影響は無いとする根拠も説明も出来ていない。更に、沈殿された汚泥の保管場所や方法も明瞭な説明は無い。新函館―札幌間の76%もの北海道の山々が掘削され、長く続くトンネル工事で排出される膨大な量の濁水に、有毒な薬剤を添加し放流することは、広範囲にわたり、甚大な影響が現れることが懸念される。北海道が制定した生物多様性保全にも違反することになる。こうした影響を回避する裏付けが示されないままのトンネル工事について、今後も注視し取材を続け、経緯の詳細についても報告していく。

北海道新幹線トンネル工事によって8年間の長期にわたり、PAC凝集剤が流れ込む噴火湾
北海道新幹線トンネル工事の8年間の長期にわたり、PAC凝集剤添加処理水が流れ込む噴火湾

【北海道新幹線立岩トンネル工事現場】

立岩トンネル工事現場と立岩活断層・噴火湾の

立岩トンネル工事現場と露頭した活断層と噴火湾の位置関係

立岩トンネル工事現場のここからPAC凝集剤が遊楽部川へ流され、噴火湾に流れ込む。
立岩トンネル工事現場からは、PAC凝集剤添加処理水が遊楽部川へ流され、噴火湾に流れ込む。
立岩トンネル工事現場
立岩トンネル工事現場
とうとうトンネルの型枠が設置はじめられていた。
立岩トンネル工事現場。いよいよトンネルの型枠の設置が始まった。2015年12月22日

【北海道新幹線野田追トンネル工事現場】

野田追トンネル八雲工区側(八雲町大新)。ここから野田追川まで貫かれる。
野田追トンネル八雲工区側(八雲町大新)。ここから野田追川まで貫かれる。

 

ページのトップへ