「泥川」・「泥海」…何故、食い止めない?

2025年9月13日、北海道南部の八雲町で昼から夜にかけて、62㎜の雨が降った。

出典:日本気象協会・tenki.jp

たいした増水でもないのに、川から酷い泥水が流れ、河口から海へと広がっていた。

八雲町遊楽部川から、ホタテの養殖場となっている噴火湾に流れ込む泥水。
奥八雲町浜松の奥津内川からも、ひどい泥水が流れる。
八雲町山越の酒屋川からも、ひどい泥水の流れ出し。
八雲町山越一帯に奥津内川からの泥水が広がっている。
野田追川からも酷い泥水の流れ出し。
八雲町落部の落部川からの酷い泥水の流れ出し。
落部川からの泥水の広がり。
八雲町落部栄浜の茂無部川からも酷い泥水が流れている。

僅か62㎜の雨量でこの有り様だ。

この泥の中で、川魚たちは繁殖出来るのだろうか?

この海域に広がる泥の中で、養殖ホタテは生き残れるのか?

ホタテの幼生(ラーバ)は生き抜くことができるのか?

川から海へ流れ出た砂・微細な砂・シルト(泥)は、やがて沈澱・堆積し、海底の転石や岩礁を覆う。海藻の胞子(遊走子)は、転石の石肌、岩礁の岩肌がむき出しになった「基質」に付着して育つ。その基質となる岩肌が泥に覆われては、海藻が育つ筈も無いと思うのだが、北海道水産試験場の専門家は、「泥水は自然のものなので、問題は無い。やがては海はきれいに澄むので、なんの問題もない」と、説明する。つまりは、岩肌が砂や微細な砂・シルト(泥)に覆われても海藻は育つということらしい。そして、ホタテが斃死することも無いらしい。

現場で起きているこの惨状を照らし合わせると、とても信じ難い話だ。

北海道の河川事業の成果の結果が、この泥を出す川の姿である。そして、その泥が海産物に与える影響は無いという北海道水産試験場。

「川を壊し…」「資源を枯らし…」食い止めずに、何が生まれるというのか?

川では、治水対策の河川事業が…?

サケがいなくなれば、ふ化放流事業が…?

海では、海藻が育たなくなれば、藻場造成事業が…?

自然資源は、誰かの為にあるのではなく、私たち誰もが、川や海で育まれた命をいただいていることを、忘れてはならない。

 

 

 

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