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実践の記録

button 大沼へ注ぐ宿野辺川(七飯町)

道南七飯町のグリーンピア大沼の敷地内を流れ、大沼に注ぐ宿野辺川の3基の砂防ダムが建設され、巨石を配した河川整備が行われた。その後、宿野辺川から大量の土砂が大沼に流れ込み、甚大な漁業被害が発生した。砂防ダムの影響や巨石を排した河川整備の影響について河川管理者と共に現時調査を実施し、現在も協議が続いている。

pic01写真は宿野辺川の砂防ダムだ。この砂防ダムが本当に必要だったのだろうか、疑問である。ダムの下流側で河床の砂利が持ち去られ、河床が低下して、水面は川底に敷いたコンクリートブロックよりもさらに下の方に下がってしまった。土砂災害を防ぐためとしている砂防ダムが、コンクリートブロックを壊している。

河川管理者と共に砂防ダムの堆積物の調査に立ち会った。

砂防ダムに堆積した土砂を重機で掘り起こしたが、砂防ダム堤体付近では大きな石は皆無で、堆積物は微細な砂や泥、落ち葉などであった。pic02このことから、川が増水した場合、ダムから下流に流れ出すのはこうした微細な砂や泥であることが予測される結果となった。また、ダムは川を流れ下る土砂から、微細な砂や泥を選り分けて下流に流す「ふるい」の役割をしていることも読み取ることができた。ダムから下流では上流から大きないしが来ないわけだから、砂防ダムの下流で大きな石が流れてしまえば、補充されることがないので、川底の石は失われ、川底がどんどん下がる。その証拠が砂防ダム下流で水面が下がり、川底に敷いていたコンクリートブロックが露出している写真からご理解いただけるだろう。

こうした視点から、河川管理者に対して、安易なダムの建設をしないよう、建設の見直しや既設のダムの撤去を含む改善を求めた提言をしている。

また、宿野辺川ではダムの下流域で次の写真のような、なぜか巨石を配置した河川整備が行われている。増水した場合には複雑な流れが川岸を洗い、川岸の土を抜き取ることになる。その結果、石の基礎が洗い出されて川岸は崩壊してしまう。非常に乱暴な河川整備と言わざるを得ない。こうして整備された区間の川岸が水に洗われて土砂が流れ出し、大沼に大量に注いだことが示唆される。

pic03巨石を配した護岸は石に乗れば動くほど不安定に積まれており、転倒しそうになる。石と石の隙間は広く口を開けており、足が滑り込んだら骨折すること間違いないだろう。川岸での魚釣りや川遊びは危険この上ない。むしろ川に近づくことを危険にし、川から人を遠ざけることになる河川整備は川に親しむ基本理念から明らかにはずれ、時代の要請からもほど遠いものである。

そして、何よりも深刻な問題は、微細砂が川底を覆うようになれば、魚たちが繁殖する川底の仕組みが失われ、魚をはじめ、水生生物が姿を消す不毛の川となることだ。たくさんいたアメマスが激減している。多様な生物が暮らすことができる環境の保全から大きく逸脱するものである。宿野辺川の問題については河川管理者と現在もなお協議継続中である。

 

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