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十勝川支流然別川

 

然別川の国見橋(くにみ)から十勝川との合流点にかけて、河川管理者であるガバメントの国土交通省北海道開発局帯広開発建設(http://www.ob.hkd.mlit.go.jp/)が2008年12月5日~2009年1月15日に両岸の河畔林を約4,000立方メートル伐採しました。

http://onigumo.kitaguni.tv/c45746.html

現場を見ましたら河畔林はすべて取り除かれており、「皆伐」でした。

こうして河畔林を取り除いてしまうと、流木はどんどん下流へと流されていくばかりになります。また、川水の流速が減じられずに堤防に直接当たるようになりますから、堤防が浸食されて堤防決壊などの危険にさらされることになります。

これまで、増水した川を何度も見てきましたが、その結果、

① 河畔林は増水時には流速の速い川水が堤防に当たらないように堤防を護っている。

② 河畔林の中では川水の流速は小さくなっているので、河畔林が倒れるのを防いでいるから、流木の発生を防止している。

③ 流れてきた流木が直接堤防に当たらないように防いでいるから、流木被害から堤防を護っている。

④ 流れてきた流木が下流に流れ出さないようにトラップしている。流木被害を防いでいる。

⑤ 河畔林は密生していればいるほど、堤防を護る効果が高い。堤防を護る効果が大きい。

ということが見えてきます。

ところが、河川管理者は河畔林があると水位が上がるので、堤防に大きな水圧がかかるようになって堤防が決壊する危険性があると説明します。では、具体的にどの場所がそうした影響を受けて危険なのか、説明を求めると、説明に窮してしまいます。

また、河畔林が川水の流れを妨げるから水位が上がると説明しますが、川水の流れを妨げる計算式には、木の枝先をなぞってできた大きな輪郭を「石」に見立てて、川水の流れを阻害する面積としていますから、過剰な数値が使われています。木は枝葉があり、水が入り込むすき間だらけの植物です。また、流速が速ければ、木はしなやかに傾いて、フレキシブルに流速を弱めています。増水した水は川水の流下を妨げてはいるけれど、石と同じように大きな妨げにはなっていないのです。

従って、河川管理者が計算式で出してきた水位と実際の水位に誤差があるのは当然で、このあたりの説明を求めると、計算式を説明するだけで、具体的な説明を聞くことはできません。

河川管理者は、過剰な数値を示してきますから、数値の裏付けをしっかりと説明を求めることが必要です。

以上が、治水面の河畔林の役割ですが、次に生物多様性の保全の観点から見てみましょう。

日本は国際条約である「生物多様性条約」に批准した国ですが、この場所の河畔林伐採に関しては環境調査は行っていないようです。

河畔林にはいろいろな種類の木や草があり、それだけにそこに生息する昆虫や鳥、獣、小動物など、多様な生物が生息しています。

川に生息する魚の視点から考えたら、たくさんの餌を生み出す食料生産林でもあります。

昆虫がいるからそれを魚がたべ、昆虫がいるから鳥や獣が食べ、食べた後に落とす糞が草木を育て、また、昆虫や多くの小動物の餌となります。

河畔林が育んでいる役割を調べることもなく、ばっさりと河畔林を皆伐してしまったことは、国際条約違反でもあります。

 

2009年5月31日に、北海道札幌市の市街地でオシドリの巣立ちを撮影しました。ハルニレの大木のウロ(樹洞)で育った14羽のヒナは次々に地上に飛び降りて、母親に引き連れられて川まで地上を歩いて行きました。しかし、川岸の草木が薄いところではカラスの攻撃を受けて、ヒナが持ち去られるという悲劇が待ち受けていました。もしも、川岸にアシ・ヨシなどの背丈の高い水辺植物が生えてさえいれば、カラスの攻撃を受けないで、安全に育つことができただろうと思えば、残念でなりません。

川岸の、人間には何ら役に立たない草木ですが、実はいろいろな生きものたちがそれに依存して生きているのかも知れませんから、役割がそれぞれにあるはずです。

然別川の皆伐を見ると、オシドリも、マガモも、カルガモも、この場所では繁殖・子育てをすることができなくなったと思われます。

このようなことが二度と繰り返されないようにするためにも、このホームページを全世界の人たちに見て頂きたい思います。

然別川の国見橋の上流の様子。河畔林が残っている

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然別川の国見橋上流の河畔林は鬱蒼としている。下流側は皆伐される前はこのように河畔林が鬱蒼と生えていた。河畔林が川水の流れを邪魔しているというのなら、これらの河畔林も皆伐にしなければならない。河川管理者の説明通りにされたら、どの川からも河畔林が失われてしまうことになる。川はいろいろな生物が豊富なところです。河畔林を皆伐してしまえば、多様な生物は失われてしまうのです。

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然別川の国見橋の下流の様子。河畔林がすべて伐り尽くされた。

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然別川の国見橋の下流の河畔林はすべて伐り倒されて取り除かれた。わずかに残されている木は今後、増水したときに、流速の速い川水が当たるようになるので、なぎ倒される可能性があるし、流木がひっかかってさらに強い力がかかるので、根っこもろとも倒れ込んで流されると思われます。このようにスカスカにして木を残しても、流木になるばかりです。これほどまでに生長したのは、河畔林が鬱蒼としていたので、川水の強い水流を受けることなく、成育できた証拠です。つまり、安定した川であるといえます。

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然別川の国見橋の上流側の河畔林。大きな木が多く、木の根元にはトクサが育ち、増水による影響があったような痕跡は見あたらないのです。つまり、このあたりの河畔林は流れを邪魔して水害を起こすような河畔林ではないと見られるのです。

今、日本の川では河畔林が邪魔者扱いされて、どんどん伐られ、河畔林が消滅しています。

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