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十勝川水系サホロ川支流二の沢川
北海道・十勝川水系サホロ川支流二の沢川。川水が濁っていたので、たどってみた。

黄土色の泥水が流れ出している地点を確認した。

濁りの発生源は国有林の治山事業の現場だった。

治山事業とは山崩れを防止するためにダムを建設する事業である。山が崩れるような兆候があるのだろうか。こうして山が潰される。ニホンザリガニ等の環境調査は行われず、生物多様性の観点からの保全対策は無視されている。これが日本の森林施業の実態だ。

川を掘削するために泥水が出る。その泥水を濾過するために沈殿槽が置いてあった。近寄ってみると…

泥水は沈殿槽の底にたまるようになったものだ。沈殿槽は三段階に区切られているが、ホースは底につながれていた。これでは泥を集めて流しているようなものではないか。また、この工事は本当に必要だったのだろうか…?

沈殿槽から流れ出した泥水は下流の川を茶色に染めていた。
撮影したのは、2009年10月13日である。
この時期は、川ではオショロコマやアメマスの産卵最盛期である。
川底に産み落とされた卵のまわりに、微細な砂やシルトが沈殿すれば、水の入れ替わりが阻害されて卵は窒息する。
つまり、再生産の仕組みが壊されて、やがて魚がいなくなるのだ。
今、北海道では川の魚が激減している。
こうした無配慮な事業が生物多様性を支える自然の仕組みをことごとく壊しているからだ。
この事業に際してはニホンザリガニやエゾサンショウウオなどの環境調査は行われていない。
2010年10月に生物多様性締約国会議(COP10)が日本(名古屋)で開かれる。
この現場は国が管理している国有林である。
こうした現場は損なわれ、生物多様性が失われていることを国はしっかりと見届け、反省することが必要ではないだろうか。
また、この事業は治山事業というダムの建設である。この小さな川から流れ出す砂利を食い止める事業である。
下流に供給されている砂利を止めてしまえば、川の砂利が足りなくなり、砂利の供給が減少するので、川底がどんどん堀り下がる。
この川は岩盤の川である。砂利が無くなれば、オショロコマやアメマスの産卵に必要な砂利が失われ、産卵場が激減し、種の存続が危うくなる。
